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2023年2月18日 (土)

米国 連邦議会議員の実態。

Pew Research Center’ の FEBRUARY 7, 2023付けに
The changing face of Congress in 8 charts
8つのチャートで見る議会の変化」
と題する調査報告がありました。
議員の学歴,世代,性別,宗教,人種などがわかります。

下記,拙訳・転載します。
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118回議会は,その議員が 1月に就任したとき,さまざまな人口統計上のマイルストーンを達成した。 ジェネレーション Z は現在,連邦議会に代表を送り,バーモント州は初めて女性議員をキャピトル・ヒルに派遣した。それでも,議会は,いくつかの人口統計学的指標によれば,米国のより広い人口統計と歩調を合わせていない。

以下は,‘CQ Roll Call’,議会調査サービス,およびその他の情報源からの履歴データを使用して,議会のプロファイルが時間の経過とともにどのように変化したかを示す 8つのチャートである。

001m_20230210182401  第118回議会は,歴史上最も人種的および民族的に多様な議会である。全体として,133 人の議員が黒人,ヒスパニック系,アジア系米国人,アメリカ先住民,アラスカ先住民,または多民族であると認識している。これらの議員は合わせて議会の 4分の1 を構成し,下院の 28% と上院の 12% を占めている。 比較すると,1945年に第79議会が発足したとき,非白人議員は下院と上院を合わせたわずか 1% しか占めていなかった。

このように人種的および民族的多様性が増しているにもかかわらず,議会は依然として国全体よりも多様性に欠けている。非ヒスパニック系白人米国人は,新しい議会の投票権のある議員の 75% を占めており,米国人口の 59% の割合を大幅に上回っている。

   議会における女性の数は史上最高である。モンタナ州の共和党ジャネット・ランキンが下院議員に選出された最初の女性になってから 1世紀余りが経ち,全国議会には 153人の女性議員がおり,全議員の 28%を占めているす。(これには,コロンビア特別区と米国領土を代表する 6人の投票権のない下院議員が含まれ,そのうち 4人は女性である。)

002m_20230210182401 現在,記録的な 128人の女性が下院に属しており,下院議員の 29% を占めている。この数字には,新たに選出された 22人の下院議員が含まれており,その中にはバーモント州の民主党員であり,州から下院議員に選出された最初の女性で,公然と LGBTQ の人となった ベッカ・バリント(Becca Balint)氏が含まれている。 バリントの選挙で,50州すべてが,米国議会に女性議員を擁するようになった。

上院では,現在 25人の女性が務めており,第116回議会で女性が保持していた議席数の記録に並んでいる。上院は新しい女性議員を1人だけ獲得した:アラバマ州から選出された最初の女性上院議員になった共和党のケイティ・ブリット(Katie Britt)。 前回の議会と同様に,ミネソタ,ネバダ,ニューハンプシャー,ワシントンの 4つの州では,全員が女性の上院議員で構成されている。

下院では,女性が参政権を獲得した1920年代以降,ゆっくりとではあるが着実に女性議員の数が増えてきた。上院での成長は鈍化しており,1991年に始まった第102回議会まで,どの時点でも女性議員が 3人を超えていなかった。

議会における女性の割合は,国全体の女性の割合をはるかに下回っている (28% 51%)

003m_20230210182401   投票権を持つ国会議員のうち 13人がレズビアン,ゲイ,バイセクシュアルであると認識しており,これは歴史上最も多い数である。これには,上院議員 2名と下院議員11名が含まれる。これまでのところ,トランスジェンダーであることを公言している議員はいない。このグループの議員の数は,過去 10年間で 3倍以上になった。2011年から 2012年の第112回議会では,わずか 4 人の議員 (全員が代表) がゲイまたはレズビアンであると特定され,バイセクシュアルと特定された議員はいなかった。

2023年13日時点で,レズビアン,ゲイ,バイセクシュアルの 13人の議員は,534人の投票権のある議員の約2% を占めていた。2021年の Gallup の調査によると,LGB の米国人は,米国の成人人口全体の 6.5% を占めている。 

   議会におけるミレニアル世代とジェネレーション X 世代の割合は,近年わずかに増加している。現在の議会では,下院議員の 12%,つまり 52人の議員がミレニアル世代 (2023年には 27歳から 42歳までの世代) である。この割合は,2017年の第115回議会の開始時の 1% から増加している。下院の 166人の議員 (38%) はジェネレーション X (2023年には 43歳から58) の一部であり,第115回議会の 27% から増加している。

004m_20230210182401上院には,前回の議会で初めて選出された 1人から,現在 3人のミレニアル 議員がいる。ジェネレーション X の上院議員は 23人で,第115回議会の 16人から増加している。

若い世代が議会での代表を増やしている一方で,年配の世代は依然として両院の議員の最大の割合を占めている。ベビーブーム世代(Baby Boomers (今年は 59歳から 77) は,上院議員 100人中 66人に加えて,下院の投票権を持つ議員の 45% を占めている。

沈黙の世代(the Silent Generation (2023年に 78歳から 95歳までの世代) のランクは,近年,議会で低下している。現在 議員の 5%,つまり 29人の議員が沈黙の世代の一員であり,2017年初頭の第115回議会での14%,つまり 61人の議員から減少している。

   議会における移民の割合は上昇しているが,歴史的な高値をはるかに下回っている。 第118回議会には,下院議員 17人,上院議員 1人を含む 18人の外国生まれの議員がいる。マジー・ヒロノ(Mazie Hirono)氏は日本生まれのハワイ民主党員である。

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これらの議員は,投票権を持つ議員の 3% を占めており,最近の議会よりもわずかに多くなっているが,かなり以前の議会の割合よりは低くなっている。たとえば,188789 年の第50回議会では,議員の 8% が海外生まれだった。外国生まれの国会議員の現在の割合は,2021年時点で 13.6% だった米国全人口に占める外国生まれの国民の割合をはるかに下回っている。

現在の議会の外国生まれの議員の数は少ないが,より多くの議員は,外国で生まれた少なくとも1人の親を持っている。移民と移民の子供たちは合わせて,新しい議会の少なくとも 15% を占めており,前回の議会 (14%) よりわずかに高い割合である。

006h_20230210182301   過去に比べて,現在,個人的な軍隊経験を持つ議員ははるかに少なくなっている。 「ミリタリー・タイムズ」によると,現在の議会では,97人の議員が生涯のある時点で軍隊に勤務していた。これは,少なくとも第二次世界大戦以来の最低数である。第118回議会の共和党退役軍人の数は,民主党退役軍人のほぼ 3倍である (72 25)。 現在の下院議員 (18.4%) と上院議員 (17%) のほぼ同程度の割合が軍に勤務した経験がある。

20世紀後半以降,軍隊経験のある議員は劇的に減少した。1965年から 1975年の間に,各議会の議員の少なくとも 70% が軍隊経験を持っていた。軍隊経験のある議員の割合は,下院では 1967年に 75%,上院では 1975年に 81% に達した。

今日,連邦議会で軍隊経験のある議員は比較的少数だが,米国人の割合はさらに少数である。米国国勢調査局によると,2021年には,米国の成人の約6% が退役軍人で,これは,徴兵制時代(the military draft era)が終わって間もない 1980年の 18% から減少している。

   議会のほぼすべての議員は大学の学位を持っている。第118議会では,下院議員の 94% 1人を除くすべての上院議員が学士号以上の学歴がある。

007h_20230210182301 下院では,議員のほぼ 3分の2 (64%) が大学院の学位(graduate degree)を持っている。5 (1%)の議員は準学士号(associate degree)を持っているが,学士号は持っていない。別の 22人の議員 (5%) は学位を持っていない。このグループには,専門資格を持つ 1人の議員が含まれる:ミズーリ州の民主党のコリ・ブッシュは,登録された看護学位を取得している。

現在の上院議員のうち,78人が少なくとも 1つの大学院の学位を持っている。オクラホマ州選出の共和党マークウェイン・マリンは,学士号を持たない唯一の上院議員であり,オクラホマ州立工科大学で準学士号を取得している。ケンタッキー州の共和党員であるランド・ポール上院議員は,デューク大学医学部で医学博士号を取得しているが,学士号は取得していない。

下院議員の学歴は,米国の成人人口の学歴をはるかに上回っている。国勢調査局によると,2021年には,25歳以上の米国人成人で学士号以上の教育を受けているのは 約10人に 4 (38%) である。

  キリスト教徒は依然として議会で最大の宗教団体だが,その数は時間の経過とともにわずかに減少している。現在の国会議員の大多数 (469人の議員) がキリスト教徒であると認識しているが,これは,ピュー研究所がこの傾向の分析を開始した 2009年以来,最も少ない合計である。過去 8回の議会のそれぞれに少なくとも 470人のキリスト教議員がおり,その数は 1970年には 500人を超えていた。

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それでも,議会におけるキリスト教徒の割合は,より広い米国国民の割合よりも大きい。202313日の時点で,国会議員のほぼ 10人に9 (88%) がキリスト教徒であるのに対し,米国の成人全体では 63% である。

対照的に,連邦議会議事堂で宗教的に無関心の大人の割合は,全体的な米国人口の割合をはるかに下回っている:米国人の29%が 無神論者(atheis),可知論者(agnostic)または「特に何もない」と言っているが,アリゾナの1人だけの無所属議員 Kyrsten Sinema は宗教的なつながりはない,と言っている。

(カリフォルニア州の民主党議員ジャレッド・ハフマンは自分自身をヒューマニストと表現しており,20人の議員の宗教的所属は不明として分類されている。これら 20人の議員のほとんどは,主要なデータ・ソースとして機能する ‘CQ Roll Callからセンターの分析のために尋ねられたときに,宗教的所属を表明することを拒否した。)

(転載了)
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軍隊経験のある議員の少なさが意外でしたが 1973年に徴兵制度が廃止されて 既に50年,当然でした。

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