韓国では65歳以上の地下鉄乗車が無料らしいが ・・・ 。
‘REUTERS’ February 16, 2023付けで
“In South Korea, free subway rides for the elderly become a political headache”
「韓国では,高齢者向けの無料地下鉄が政治的な頭痛の種」
と題する記事がありました。
下記,拙訳・転載します。
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[ソウル 16日 ロイター] - 71歳のパク・ギョンソンさんは毎日,ソウル市内で花や書類などの小包を配達している -この仕事は,市内の地下鉄を無料で利用できる高齢者に人気がある。韓国では「シルバー・デリバリー」と呼ばれるこの仕事で,市場の露店オーナーだった パクさんは,月に最大 70万ウォン ($550) の収入を得ている。彼が勤める会社は,首都にある 20社のうちの 1社にすぎない。
「楽しいし、健康にもいい」とパクはロイターに語った。 「でも正直なところ、地下鉄が無料じゃなかったら,やれることはほとんど残ってないね。」
無料乗車は,40年間にわたって 65歳以上の人々が全国的に享受している特典であり,高齢者の活動を維持することに貢献している。しかし,韓国の人口が急速に高齢化し,地下鉄の運営コストが急上昇するにつれて,それらは厄介な(thorny)政治問題になっている。
この特典を完全に廃止するという話はないが,地下鉄を運営する一部の都市では,国が費用の一部を負担しない限り,この制度の存続が脅かされている。しかし,財務省は国の費用負担に断固として反対している。
この論争は,高齢者福祉のコストが急増しているアジア第4位の経済大国の幅広い課題の一部であり,退職年齢を60歳から引き上げることや,持続可能な国民年金制度を確保する方法についての議論の真っ只中にある。尹淑烈(ユン・ソクヨル)大統領も困惑している(quandary)。彼は 5月の就任時に財政健全化を約束したが,高齢者の有権者も重要な支持基盤と見なしている。
消費者はすでに,24年ぶりの高水準のインフレ,急激な公共料金の上昇,前四半期に 2年以上ぶりの縮小を記録した経済に不満を抱いている。彼の与党「国民の力」の何人かのメンバーは,高齢者のための地下鉄の特典を縮小すれば,来年の議会選挙で彼らのチャンスの助けにならないと警告した -党が過半数を取り戻そうとしているので,ユンは彼の改革アジェンダを前進させることができる。
無料乗車の問題は,時間の経過とともに悪化するだけである。
韓国の人口 5,100万人の 18%以上が 65歳以上である。国の統計局によると,その割合は 2035年には 30%,2050年には 40%に達すると予測されている。
約370万人が 65歳以上であるソウル大都市圏では,昨年 2億3,300万回以上の無料乗車が利用された。 これにより,ソウル地下鉄は負債の 30%に相当する約3,150億ウォン ($2億5,000万) の損失を被った。これに対処する(cope)ため,ソウル市は 12月に 2015年以来初めて地下鉄料金を最大30% 引き上げる計画を発表したが,高齢者向けの無料乗車は引き続き実施される。
オ・セフン市長は先週の記者会見で,「少なくともある程度の国の支援がある」場合にのみ,計画されている運賃の値上げを最小限に抑えることができると述べ,1980年代初頭に元軍事独裁者・全斗煥によって都市に無料乗車政策が強要された(imposed)ことに言及した。
財務省は,地下鉄システムの建設と改善に資金を提供しており,市が運営費を負担すべきと述べている。
パン財務次官は「ソウルの場合,実際には国よりもはるかに強固な財政状態にあり,そのような状況を考えると,この件で 国に責任を求めるのは少しやり過ぎだと思う」とロイターに語った。
韓国南東部の大都市である大邱市は最近,享受資格の最低年齢を段階的に70歳まで引き上げることを検討すると発表した。別の都市である大田市も同様の政策を検討している。先週発表されたギャラップの世論調査によると,韓国人の 60%が,地下鉄の無料利用を含む高齢者給付の最低年齢を 70歳に引き上げることを支持しており,34%が反対した。
厚生省は,地方自治体が最低年齢資格レベルを変更する権利があるかどうかを検討すると,ユンのオフィスは,この問題に関するロイターのコメント要請に応じて述べた。
(転載了)
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日本では 地下鉄の高齢者の無料乗車を聞いたことはないし,バスに関しても 無料は聞いたことがなく,自治体によって割引率/方法が異なっています。
一旦 国民に甘い政策をとって それを取り上げるのは難しそうです。
国が指示を出し,強制するのなら 国が補助するのは当然だし,国が補助しないのなら,実質 補助している自治体による制度存続を含めて,裁量に委ねるのが当然と思いますが・・・。
それにしても 無料乗車は 先のことを考えない,全斗煥の人気取り政策だったようです。
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