IAEAによる 福島第一原子力発電所,冷却処理水の放出計画への報告書
‘IAEA’ のホームページ,05 Apr 2023付けに
“IAEA Issues New Report on Safety of Japan’s Plan to Discharge ALPS Treated Water from Fukushima Daiichi Site”
「IAEA,福島第一サイトからALPS処理水を放出する日本の計画の安全性に関する新しい報告書を発行」
と題する記事が掲載されていました。
下記,拙訳・転載します。
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国際原子力機関(IAEA:International Atomic Energy Agency)タスク・フォースは,福島第一原子力発電所(NPS:Nuclear Power Station)からのALPS処理水を海に放流する日本の計画の安全性を審査しており,本日、新しい報告書を発表した。
これは,福島第一原子力発電所で計画されている ALPS (Advanced Liquid Processing System:高度液体処理システム/多核種除去設備) 処理水の排出に関する IAEAの複数年にわたる安全性レビューの下で発行されている一連の文書の中で,これまでに発行された 4番目のタスク・フォース・レポートである。
新しい報告書は,2022年11月に開催された日本の東京電力 (TEPCO:Tokyo Electric Power Company),福島第一原子力発電所の運営会社,および経済産業省 (METI:the Ministry of Economy, Trade and Industry) に対するタスク・フォースの 2回目の安全審査ミッションからの調査結果をまとめたものである。
これは,ALPS処理水を排出するために構築されたシステムの安全関連の側面,放射線環境影響評価,線源および環境モニタリング プログラム,および職業上の放射線防護を含む,東京電力の技術的責任を評価する。
2021年,日本は,ALPS処理水を排出する計画の安全性について包括的な見直しを行うよう,IAEA に要請した。IAEAの事務局長 ラファエル・マリアーノ・グロッシー(Rafael Mariano Grossi)は,要求を受け入れた後,独立した専門家と IAEAのスタッフからなるタスク・フォースを任命し,技術,規制,および 電離放射線の有害な影響から公衆と環境を保護するための世界的な基準を構成する国際安全基準に対する独立したサンプリングと分析の 3つの側面からのレビューを実施した。
本日発行されたレポートは,東京電力が 2022年2月の前回のテクニカル・ミッションで提起された問題を考慮し,タスク・フォースからのフィードバックに従って計画を更新するために大幅な進歩を遂げたことを強調している。2022年11月のミッション以降に加えられた追加の改訂は,最終決定され,日本の原子力規制委員会によって承認された後,進行中の安全性レビューの一環として評価される。
タスク・フォースは,東京電力が基本的な安全原則に取り組んでいるかどうかを結論付ける前に,技術的,規制的,独立したサンプリングと分析の側面を含む,計画された排水の完全な安全性レビューを完了する必要があると述べた。
タスク・フォースによるその他の所見には以下が含まれる::::
・ALPS処理水の特性と活性に関する東京電力の決定は,効果的な監視プログラムを確立し実施するために使用され,排水による公衆被ばくが適切に考慮されるようにする。
その報告書の中で,タスク・フォースは,ソース・タームを特徴付けるための東京電力の改訂された方法論は十分に保守的であるが現実的であると述べた。
・ミッション前とミッション中に提供された情報に基づいて,タスク・フォースは東京電力の環境モニタリング・プログラムをよりよく理解し,それらが包括的である(comprehensive)ことに同意した。
・タスク・フォースは,東京電力が従業員のための信頼できる持続可能な放射線防護プログラムを持っていることを確認した。職業被ばく(occupational exposure)防止対策と監視体制が実施されているという明確な証拠があると述べている。
「タスク・フォースは,私たちの所見が考慮され,放射線環境影響評価(the Radiological Environmental Impact Assessment)などの重要な文書の改訂に反映されたことに満足した」と,IAEA 原子力安全・セキュリティ局の ALPS 安全性レビューのディレクター兼コーディネーターであり,タスク・フォースの議長のグスタヴォ・カルソー(Gustavo Caruso)は述べた。「放出前に日本へのさらなる技術レビュー・ミッションを実施する必要はないと考えているが,今後ヶ月を使用して,放出前に包括的な結論をまとめる。」
タスク・フォースの安全審査は続いている。規制および独立したサンプリングと分析の側面に関するさらに 2つのレポートが発行される予定であり,その前に,レビューのすべての側面にわたって収集された調査結果とタスク・フォースの結論を詳述する包括的なレポートが今年発行される。
最新のレポートは ここから入手できる。
よくある質問や活動のタイムラインなどの追加情報は,IAEAの専用の福島第一 ALPS 処理水放流(Fukushima Daiichi ALPS Treated Water Discharge)のウェブページで見つけることができる。
(転載了)
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報告書を読んでいませんが,韓国政府にはしっかり読んでもらいましょう。
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