« 法医学者 バルタザールの車が また変わった。 | トップページ | TIME誌 岸田総理表紙の見出しに 日本政府異議申し入れて 変更- 但し ウェブのみ。 »

2023年5月14日 (日)

銃乱射は “Mass Shooting”,その定義は? 被害者は何人以上?

米国における銃乱射事件は「またか」と思わせるほど止まることなく発生しています。5月6日に テキサスで死者 8名の事件が発生しており,使用した銃は AR-15M16 自動小銃)とみられています。
英語の “Mass Shooting” を日本語では「銃乱射事件」と表記しています。
では “Mass Shooting” と呼ぶ場合,被害者(死傷者)は何人以上を言うのでしょうか,明確なルールに基づく表現でしょうか,英文Wikipedia の “Mass Shooting” を読んでみました。
下記,拙訳・転載します。

**************************
銃乱射事件(mass shooting)とは,攻撃者(attacker)が銃器(firearm)を使用して同時に複数の人を殺したり負傷させたりする犯罪である。
銃乱射事件とは,一般的に,銃撃による犠牲者が短時間に(in a short period of time 4人以上発生した場合 (銃撃者を除く) と定義される;ただし,定義にはばらつきがある。
銃乱射事件の定義では,戦争は除外され,時にはギャングの暴力,武装強盗(armed robberies),家族殺害(familicides)の事例が除外されることもある。

米国では,2012年の暴力犯罪捜査支援法(the Investigative Assistance for Violent Crimes Act)により,1回の事件での 3人以上の殺害を大量殺人(mass killings)と定義している。2013年の議会調査局(a Congressional Research Service)の報告書は,強盗やテロなど,目的を達成するための手段として犯された暴力を除外し,無差別の(indiscriminate)犠牲者に対する 4人以上の殺害を特定している。

CNN などの報道機関(media outlets)や,‘the Gun Violence Archive’ などの一部の犯罪暴力研究グループは,銃乱射事件(mass shooting)を「1回の事件で,同じ一般的な時間と場所で,銃撃者を除いて 4人以上の銃撃 (負傷または死亡)」が関与するものと定義している。
マザー・ジョーンズ誌(Mother Jones magazine)は,銃乱射事件を,加害者を除く 3人以上を無差別に殺害する暴力事件(rampages)と定義しており,ギャングの暴力,武装強盗を除外する。

2006年のオーストラリアの調査では,死亡者5人と特定されている。

銃乱射事件(公共の場所で発生する)の動機は,通常,学校,キャリア,恋愛,または人生全般での失敗に対する復讐による,または少なくとも 16件以上銃乱射では 有名になることを動機として挙げたコロンバイン以来の銃乱射事件知名度や注目を求める個人による犯行である。
有名になること(fame)を求める人々は,「過去の記録」を超えたいという願望をはっきりと表明した(articulated)。

Definitions/定義

Mass shooting(銃乱射事件)にはさまざまな定義がある:

CNNMSNBC,ニューヨーク・タイムズ,ワシントン・ポスト,エコノミスト,BBC などによって引用されるクラウドソーシング・データ・サイトである ‘Mass Shooting Tracker’ は,負傷・殺害にかかわらず,4人以上が撃たれたすべての事件を銃乱射事件(mass shooting)と定義している。

CBS は,銃乱射事件(mass shooting)を,冷却時間(cooling-off period)のない(*時間的に連続した=短時間に) 5人以上 (場合によっては 4) の銃撃 (必ずしも死に至っているとは限らない) を含む事件と定義している。

マザー・ジョーンズ誌は,銃乱射事件を公共の場での,ギャングの暴力,武装強盗,正体不明の加害者による攻撃を除き,攻撃者によって 3人以上の殺害犠牲が出た無差別な暴力事件(rampage)で定義している。

犯罪暴力研究グループの ‘Gun Violence Archiveは,その研究が米国の主要報道機関によって使用されているが,銃乱射事件を「少なくとも4人の犠牲者が負傷または殺害されたものであり,その事件で殺害または負傷した可能性のある加害者を含まない」事件と定義しており,大量射撃(mass shooting)と大量殺人(mass murder)を区別し,加害者を犠牲者として数えない。

大量殺戮(mass killing)という用語にも,さまざまな定義がある:

米国連邦法の下では,司法長官(the Attorney General)は,州からの要請に応じて,銃乱射事件ではなく「大量殺戮(mass killings)」の捜査を支援する場合がある。この用語は,冷却期間(cooling-off period)のない(*時間的に連続した=短時間に)4人以上の殺人と定義されているが,2013年に議会によって3人以上の殺人と再定義された。

USA Today’ のレポート ‘Behind the Bloodshed’(流血の裏側)では,家族の殺害(familial killings)を含め,4人以上が殺害された全ての事件を大量殺戮(mass killings)と定義している。この定義は,ワシントン・ポストでも使用されている。

2013年1月に署名された 2012年の暴力犯罪捜査支援法(the Investigative Assistance for Violent Crimes Act)によると,大量殺戮は,加害者を除いて少なくとも 3人が死亡した殺人と定義されている。

単一の定義がないことは,報道において 人に余計な心配や恐怖心を起こさせることに繋がる可能性があり,一部のレポートでは,さまざまな犯罪のカテゴリが混同されている(conflating)。

銃乱射行為(act of mass shooting)は,通常,人々を威嚇(intimidate)または強制する(coerce)「意図があったと思われる」場合,テロリストとして定義される; ただし,銃乱射事件は必ずしもそれ自体がテロ行為であるとは限らない。

(転載了)
****************

| |

« 法医学者 バルタザールの車が また変わった。 | トップページ | TIME誌 岸田総理表紙の見出しに 日本政府異議申し入れて 変更- 但し ウェブのみ。 »

言葉」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 法医学者 バルタザールの車が また変わった。 | トップページ | TIME誌 岸田総理表紙の見出しに 日本政府異議申し入れて 変更- 但し ウェブのみ。 »