米国人はロシアと中国を どう見ているか? パートナーと考える人が存在する不思議。
‘Pew Research Center’,May 10,2023付け
“Americans see both Russia and China in a negative light – but more call Russia an enemy”
「米国人はロシアと中国の両方を否定的に見ているが,ロシアを敵と呼ぶ人が増えている」
と題する調査報告があるました。
下記,拙訳・転載します。
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2023年3月20日から26日にかけて実施されたピュー研究所の調査によると,大多数の米国人はロシア(91%)と中国(83%)に対して好ましくない印象を持っている。その中には,およそ 10人中6人(62%) がロシアに対して非常に否定的な見方をしており,10人中4人 (44%) 以上が中国に対して非常に否定的な見方をしている。
両国の指導者はまた,米国人にほとんど信頼されてない:90%が,ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が世界情勢に関して正しいことを行うことをほとんど,あるいは全く信頼していないと答え,その中にはプーチン大統領を全く信頼していないという人が71%いた。また,米国人の約4分の3(77%)は中国の習近平国家主席をほとんど,あるいはまったく信頼しておらず,その中には 習近平国家主席に全く信頼を置いていないと答えている約半数(47%)が含まれる。
両指導者に対する米国人の見方には党派的な違いがある。
民主党員および民主党支持者は,共和党員および共和党支持者よりもプーチン大統領に全く信頼を置いていないと答える可能性が高い(77%対67%)。
習氏についてはその逆が当てはまり,共和党員の57%は習氏にまったく信頼を寄せていないのに対し,民主党員では40%だった。
米国人の両国に対する見方は過去10年間で著しく低下した。ロシアの場合,2014年のロシアによるクリミア編入後に好感度が低下した一方,米中貿易戦争とともに中国に対する否定的な見方が高まった: 2019年後半に中国の武漢で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が発生:そして中国の人権政策への懸念。
中国とロシアの関係も,特にウクライナ戦争のさなか,米国人にとって主要な懸念事項となっている。習氏とプーチン氏の会談後の3月,米国人の62%が中国とロシアのパートナーシップは米国にとって非常に深刻な問題であると回答し,米中関係の他のどの問題 -中国本土と台湾の間の緊張,中国の人権政策などが含まれる -に対する回答をも上回った。
More Americans describe Russia than China as an enemy of the U.S.
中国よりもロシアを米国の敵と述べる米国人の方が多い。
米国人は中国とロシアをそれぞれの国についてどう考えるかで区別している(differentiate)。
米国人のほぼ3分の2(64%)がロシアを米国の敵だとみなしている。10人中3人が同国を競合国とみなし,3% がパートナーとみなしている。対照的に,米国成人の約半数(52%)は中国を競争相手とみなしており,38%は中国を敵とみなし,さらに6%は中国をパートナーとみている。
注目すべきことに,ロシアによるウクライナ侵攻前の2022年1月には,米国人の割合はほぼ同様に,ロシア(41%)と中国(35%)を米国の敵と見ていたが,戦争が始まった2022年3月までには,シアを敵とみなす割合は70%に上昇し,中国を敵とみなす割合(25%)は若干低下した。
戦争開始から1年以上が経過しても,ロシアを敵とみなす米国人の割合にはほとんど変化がない一方,中国を敵とみなす認識は,ロシアのウクライナ侵攻前のレベルにまで戻っている。
U.S. attitudes about Russia-Ukraine and China-Taiwan tensions
ロシアとウクライナ,中国と台湾の緊張に対する米国の態度
ピュー研究所はまた,2022年12月に18歳から29歳の米国成人を対象にフォーカス・グループを実施し,さまざまな国際問題について尋ねた。これらのグループでは,参加者らはロシアのウクライナに対する扱いと中国の台湾に対する扱いを定期的に比較していた。
例えば,あるリベラル派の男性は,ウクライナ支援における米国の現在の役割がいかに重要であるかを強調した。その理由は,ウクライナのためだけではなく,「中国はこれに注目しており,台湾に侵攻したときに何が起こるかを考えている」からである。彼は,もし中国が台湾に侵攻したり,ロシアがウクライナで勝利したりすれば,「世界はさらに危険な場所になる」と主張し,フォーカス・グループの参加者のほとんどが同意した。また,米国は両大国に対抗する必要があると強調した。
保守的な男性も同様に,米国が多国間で協力し「全員の認識を一致させる」ことの重要性を強調した。同氏は,ロシアによるクリミア併合のような広範な紛争を防ぐために,各国は中国が「国々を飲み込んだり,島を築き上げたり」していることに対抗しなければならないと述べた。
3月の調査では米国人に,ロシアと中国が他国をどのように扱っているかを比較するよう尋ねてないが,米国人はロシアよりウクライナ(64%対7%),中国より台湾(65%対14%)に対してはるかに好意的な見解を示している。そして,それぞれの紛争に対する見方はほぼゼロ・サムである:米国人の大多数(59%)はウクライナに対して好意的な見方をしているが,ロシアに対しては否定的な見方をしており,同様の割合(54%)が台湾に対して好意的な見方をし,中国に対して否定的な見方をしている。
高齢の米国人は,若い米国人よりも,ウクライナとロシア,そして台湾と中国に対して,こうしたゼロ・サムの意見を持っている可能性が高い。教育レベルの高い人でも,教育レベルの低い人でも同じことが当てはまる。
ただし,そのパターンは政党によって多少異なる。
民主党員と共和党員は,台湾に対して肯定的な見方をする傾向と,中国に対して否定的な見方をする傾向がほぼ同じである (56% 対 56%)。しかし,民主党員は共和党員よりもウクライナに対して好意的な見方をし,ロシアに対して否定的な見方をする可能性がはるかに高い(73%対48%)。
(転載了)
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少ないとはいえ,ロシアや中国を好意的に捉えている米国民が存在することが不思議です。
両国からの移民の子孫の数は そんなにいないでしょう。
ニュースを全く見たことがない人でしょうか?
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