野球の球種
野球知識に疎い者にとって,もっとも興味があって よく分らないのが球種です。
昔 聞いたのは 「ストレート」,「カーブ」,「シュート」,「ドロップ」でしたが,最近は「カーブ」を除いて聞くことはありません。
MLBの公式ホームページ(mlb.com)に “Pitch Types”(球種)という項があって 解説しています。
下記,拙訳・転載します。
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すべての野球の試合は,60 ft 6 in から数百の投球が行われ,それぞれが打者を倒すという 1つの明確な目的を果たす。もちろん,これらの投球を攻略する(conquer)ように意図された(designed)打者は,まったく異なる目標を念頭に置いている。
事実上(Virtually),メジャー・リーグの投手はすべて複数の球種を組み合わせて投げ,先発投手は 3球種以上の持ち球(arsenal)を持っていることがよくあります。救援投手は,試合中に同じ打者と何度も対戦することはほとんどないが,歴史的には,最大限の力を込めて投げられる 1つまたは 2つの球種の助けを借りて成功してきた。
このセクションでは,メジャーで投げられた球種の完全なリスト(球種の定義とGrip)を提示する。
(*解説中 ‘Definition’,‘Grip’の他に,‘Origin’ が示されるが 省略する。)
【Changeup (CH)】
Definition
チェンジアップは野球で投げられる球種の中で最も遅い球種の 1つであり,「ごまかし」(deception)の上に成り立つ(predicated)。
チェンジアップは一般的なオフ・スピード球種であり,ほぼすべての先発投手が武器の一部としてチェンジアップを持っている。(救援投手の多くは持ってない。なぜなら,彼らは通常,打者と一度しか対戦しないため,ごまかしの必要性が低いからである。)良いチェンジアップを使うと,打者は球が到着するかなり前にスイングを開始し,その結果,スイングして空振りするか,非常に弱いコンタクトになる。しかし,打者がチェンジアップを識別できた場合,その球種は低速度であるため,最も打ちやすいものになる。
Grip
投手がチェンジアップに使用するグリップにはいくつかの種類があるが,共通するテーマは,ボールが手の奥,場合によっては掌にあることだ。速球とほぼ同じ動きで投げられるため,意図したごまかしができる。
【Curveball (CU)/カーブボール】
Definition
カーブボールは,他のどの球種よりも動き(movement)のある変化球(breaking pitch)である。スライダーよりも球速が遅く全体的に急に変化する(break)するよう投げられ,打者のバランスを崩すために使用される。投手が正しく投げると,速球を期待していた打者はスイングが早すぎて,カーブボールの上を越えてしまう。
プロの投手のほとんどはカーブボールかスライダーのいずれかを持っており,両方の変化球を持っている投手もいる。カーブボールのような変化球を持つことは,プロの先発投手にとって不可欠な要素である。なぜなら,それによって打者のバランスが崩れ,速球専用の準備をすることができなくなるからである。
カーブボールは野球の歴史を通じて最も一般的に使用される球種の 1 つであり,キャッチャーが 2本の指を置くことはカーブボールのサインとして広く受け入れられている。
この球種は「カーブボールを投げる(throw a curveball)」というフレーズが慣用句(idiom:人の意表をつく)として登場するほど,米国文化ではよく知られている。投手が投球するときの目標と同じように,「カーブを投げる(to throw a curve)」という慣用句は,予想外のことで誰かをだますことを意味する。
Grip
カーブボールはさまざまなグリップで投げることができる。横に大きく伸びるカーブボールを持っている投手もいるが,真っ直ぐ下に落ちるカーブボールもある。 (これらは ‘12時から6時におちるカーブボール(12-to-6 curveballs)’として知られている。) スライダーとカーブボールは,一般に同じ目的,つまり回転と投手の腕側から離れる動きで打者を欺くという目的を持っているため,混同されることがある。(球がこの 2つの境界線に反するように見える場合,それを俗語で「スラーブ(slurve=slider+curve)」と呼ぶ。)
スライダーと同様に,カーブボールは手首のスナップとスピンを使って投手によって投げられる。投手が期待するほど変化しないカーブボールは「ハンギング・カーブ」または「ハンガー」と呼ばれ,その真っすぐな軌道(trajectory)と準速球(sub-fastball)の速度のため,打者にとって非常に打ちやすい。
【Cutter (FC)/カッター】
Definition
カッターは速球のバージョンで,ホーム・ベースに到達するときに投手の腕側からわずかに離れるように考えられている。メジャー・リーグの投手の多くはカッターを投げないが,カッターを持っている投手の一部にとっては,カッターは主な球種の1つである。
効果的なカッターを備えた投手は多くのバットを折ることができる。右投手から左打者へ,または左投手から右打者へ投げられると,カッターは素早く打者の手元に向かって動く。打者がスイングすると,バットの細い部分(smaller part),つまり握り部分にボールが当たり,バットが折れてしまうことがよくある。,スイッチ・ヒッターは,投手が主にカッターを投げるときに,投手の投げる腕と同じ側からバッティングすることが知られている。(通常,スイッチ・ヒッターは投手の投げる腕の反対側から打つ。) これは,カッターの独特の動きが,逆利きの投手と対峙したときに打者が詰まる(get jammed)原因となるためである。
Grip
カッターの鍵は「ごまかし(deception)」だ。 打者は真っすぐなフォー・シーム速球か,投手の腕側に折れるツー・シーム速球に対することに慣れている。カッターはツー・シーマーとは逆方向に変化し(breaks),ホーム・ベースに向かうかなり遅い段階で変化する。この動きは,打者が球を真正面(squarely)から打てないようにするために考えられている。
【Eephus (EP)/イーファス】(山なりのスローボール)
Definition
イーファスは野球で投げられる最も珍しい球種の 1 つであり,その並外れた低速と打者の不意を突く(off guard)能力で知られている。
通常、イーファスはスローピッチのソフトボールのピッチの軌道に似て,空中に非常に高く投げられる。打者は,イーファスの速度のほぼ 2倍の速球を期待しているため,あまりにも剥きになりすぎて,スイングが早すぎ強くなりすぎる可能性がある。しかし,体重を元に戻してピッチ上で通常のスイングを行うことができる打者にとって,それは野球で最も打ちやすい球,つまり予期せぬ動きや過剰な速度のない球種である。
【Forkball (FO)】
Definition
野球で最も珍しい球種の 1つであるフォークボールは,打席に近づくにつれて激しく下方向に変化することで知られている。フォークボールは投げるときにトルクがかかるため,投げるのに最も負担のかかる(more taxing)球種の 1つとなる。
Grip
フォークボールを投げるとき,投手は人差し指と中指の間に野球ボールを挟み,手首を下向きにスナップして球を放す。これにより,球がホーム・ベースに近づくにつれて,‘12-to-6 curveball’ と同様に,球が極端に下向きに動く。フォークボールは,同様の方法で握られるが,指先に近い握り方であるスプリッターよりもはるかに珍しい。また,対照的に,スプリッターは手首をスナップする動作を必要としない。
【Four-Seam Fastball (FA)】
Definition
フォー・シーム速球は,ほとんどの場合,投手が投げる最速かつ最も真っすぐな(straightest)球種である。また,一般に最も頻繁に使用される。
フォー・シーム速球は,球の動きが少ない(the lack of movement on the pitch)ため,通常,投手にとって最も簡単な球種の 1 つである。多くの場合,打者を圧倒する(overpower)ために使用され,そのゴールは,打者が処理できるよりも早く球がストライク・ゾーンに到達することであり,その結果,空振り(swing and miss),または振り遅れによる弱いコンタクトになる。この球は,リリースされると,回転するたびにボールにフォー・シームが現れることからその名前が付けられた。
Grip
フォー・シームの速球を投げるには,ピッチャーは 2本の指で縫い目の間の空いたスペースを横切ってボールを握り,指の端を縫い目の少し上に置く。これは,最も真っ直ぐな面(plane)生み出すため,野手が通常,ボールを投げるように指示される方法である。
【Knuckleball (KN)】
Definition
ナックルボールは非常に珍しい球種であり,試合中にそれを投げる投手はほぼ独占的に(exclusively)使用する傾向がある。ナックルボールの目的は,ボールの回転をほぼすべてなくし,ホーム・ベースに向かう途中でボールを予想できないほど揺れ(flutter)させることである。
ナックルボールは平均的な投球よりもはるかに遅い速度でホーム・ベースに到達するが,動きが非常に不規則である(erratically)ため,打つのが最も難しい球種の1つとなる。(これらは,捕手が捕球するのが最も難しく,審判がコールするのが最も難しい球の一つでもある。)
ナックルボールの明らかな欠点は,ボールが「踊って(dancing)ない」,つまり動いていない場合には,球速が遅いため非常に打ちやすくなってしまうことである。
投球を習得するのが非常に難しく,悪いナックルボールを投げるリスクが非常に大きいため,ナックルボールを投げる投手はほとんどいない - 通常,歴史上いつでも数人のメジャーリーガーがそれを投げてきた程度である。
Grip
ナックルボールの名前は,指の爪が表面に食い込みながら,指関節(knuckles)がボールの上にあるか,ボールのすぐ上に浮かんでいる,投球に使用される典型的なグリップに由来している。球は比較的簡単に投げられるため,ナックル投げる投手(knuckleballers)は通常,すべての投手の中で腕への負担が最も少ない。彼らは多くの場合,試合開始までの間の休息をあまりとらずに,より深く試合に投げ込むことができる。彼らは,典型的な投手(hurler)ほど大きなキャリアの低下なしに,40代になっても投げることが多い。
【Knuckle-curve (KC)】
Definition
カーブボールはスピンによって定義され,ナックルボールはスピンの欠如によって定義されることを考えると,ナックル・カーブは野球の最大の矛盾の 1つである。それでも,ナックル・カーブは 2つの球種の望ましい効果 - つまり,ナックルボールの予測不可能な揺れと混じり合った,ゆっくりとしたカーブボールの変化を生み出す。
ナックル・カーブをマスターしている投手はほとんどおらず,それを投げる投手は一般にそれほど頻繁には投げない。それは投手にとって騙しの(deceptive)武器であり,打者がそれに騙されると思うまで隠しておくことが多い。
Grip
ナックル・カーブを握り,投げるにはいくつかの異なる方法がある。
基本的な前提(premise)は,投手がカーブボールの代名詞である手首のスナップを維持しながら,ボールを保持している間,ナックルボールのように,投手の指の少なくとも 1本が曲がっていることである。
球種をナックルボールとカーブボールの間のスペクトルとして考えるといい。球種として カーブボールの特徴を強調する投手 (指の1本を曲げてナックルがボール上に来るようにする) にとって,ナックル・カーブは基本的に回転しながら,遅く移動する単なるカーブにすぎない。そして,球種としてナックルボールの特徴を強調する投手(手首を常に軽くスナップしながら,ナックルラーのようにボールを握る)にとって,ナックル・カーブは基本的に,より回転し,速く動く単なるナックルボールである。
【Screwball (SC)/スクリューボール】
Definition
スクリューボールは,他のほぼすべての変化球(breaking pitch)とは逆方向に動くように意図された変化球(breaking ball)である。これは野球で投げられる最も稀な球種の一つであり,その主な理由は投手の腕に負担(tax)がかかるためである。投手の腕側に向かって進むスクリューボールの動きは,極めて普通ではない(unorthodox)投球動作によって引き起こされる。
Grip
スクリューボールを投げる際,投手は手首をスナップして手のひらをグローブ側から外に向ける。これは,投手が手首をスナップして手のひらをグローブ側に向けるスライダーやカーブボールとはまったく対照的である。腕の動きにくさのため,スクリューボールはカーブボールよりも投げるのが非常に難しい。しかし,理論的には,カーブと同じ効果があり、反対方向に変化するだけである。
【Sinker (SI)】
Definition
シンカーは下方向への動きが激しく,ゴロを誘発することで知られる球種である。これは一般的に投げられる球種の中で最も速い球種の1つであり,効果的であれば,相手打者のバットから最も弱いコンタクトを引き起こす。
シンカーボーラー(Sinkerballers),つまりシンカーに依存する投手は,ゴロを誘発し,ホームランを制限することに長けている。 このようなことは,シンカーの急激な下向きの動きによって可能になることが多く,これが弱い接触を誘発するのに役立つ。
【Slider (SL)/スライダー】
Definition
スライダーは,カーブボールよりも速く,一般的に全体的な動きが少ない変化球である。他のほとんどの変化球よりも速い速度で鋭く変化する。スライダーとカーブボールは,一般に同じ目的,つまり回転と投手の腕側から離れる動きで打者を欺くという目的を持っているため,混同されることがある。(球種がこの 2つの境界線に反するように見える場合,それを俗語で「スラーブ(slurve=slider+curve)」と呼ぶ。)
プロの投手のほとんどはスライダーかカーブボールのいずれかを持っており,両方の変化球を持っている投手もいる。スライダーのような変化球を持つことは,プロの先発投手の持ち球として不可欠な要素である。なぜなら,それによって打者のバランスが少し崩れ,速球専用の準備をする(gearing up)ことができなくなるからである。
スライダーは,より強く投げられ,速球に近いスピンがかかるため,カーブボールよりもやや欺瞞的に(deceptive)なるが,全体的な動きはそれほど大きくない。パワー・リリーフ投手の多くは,武器として速球とスライダーしか持っていない - スライダーが後半に欺瞞を生み出すため,一方の球がお膳立てされてもう一方の球が台無しになってしまう。
Grip
カーブボールと同様に,スライダーは手首のスナップとスピンを使って投げられる。一般的には,カッターとカーブボールの間のようなものとして認識されている。投手が期待するほど変化しないスライダーは「ぶら下がりスライダー(hanging slider)」または「ハンガー」と呼ばれ,その真っすぐな軌道(trajectory)と準速球(sub-fastball)の速度のため,打者にとって非常に打ちやすい。
【Splitter (FS)/スプリッター】
Definition
投手は,ボールの向い合った(opposite)側を「分割して(split)」2本の指でボールを握り,スプリッターを投げる。速球を勢いよく投げると,ホーム・ベースに近づくにつれてスプリッターが急激に落ちる。
スプリッターは「スプリット・フィンガー・ファストボール」と呼ばれることがよくあるが,変化して速度が遅いため,一般的な速球との共通点はあまりない。通常,投手が変化球やオフ・スピードの球を投げるのと同じ状況で投げられる。スプリッターは通常,チェンジアップよりもわずかに速いだけである。
スプリッターは比較的珍しいオフ・スピード球種だが,依然として ある程度の普及率(prevalence)で使用されている。
Grip
上述のように,スプリッターは投手の2本の指でボールを挟んで投げられる。スプリッターは、見かけによらず(deceptively)遅い速度と急激な落下により,打者のバットを球より前に出し,弱いコンタクトを誘発するように意図されている。
【Two-Seam Fastball (FT)】
Definition
ツー・シーム速球は,フォー・シーム速球とまったく同じ速度ではないが,一般に投手の最速の投球の 1 つである。ツー・シーム速球は,野球で最も頻繁に投げられる球種の 1つである。
ツー・シーム速球はフォー・シーム速球よりも数ティック(few ticks)遅いことが多いが,動きはより大きい傾向がある。ツー・シーマーの場合,ボールはどちらの腕を使って投げても同じ方向に動く(つまり,右投げの投手はツー・シーマーでは右方向に動く。
Grip
投手がツー・シーム速球を投げるために使用するグリップにはさまざまなものがあるが,最も一般的なグリップは,投手がボールの縫い目が最も近い部分の上に 2 本の指を直接置く。同じ指の圧力で投げた場合,ツー・シームとフォー・シームの速球は似たものに見えることがある。ただし,ツー・シームの速球は通常,フォー・シーマーと同じ指の圧力で投げられるわけではない。指の圧力は球の動きを決定する上で大きな役割を果たす。ツー・シームの速球は,打者を圧倒するほどの初速が足りない投手にとって特に役立つ。球の動きとごまかしは,スピードと相まって,速度のわずかな低下を補うことができる。
(転載了)
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