「インディー・ジョーンズ」最終作の評判はどうだろうか?
‘GQ UK’ の ‘Culture’,22 May 2023付け
“Uh oh, Indiana Jones and the Dial of Destiny only received a five-minute ovation at Cannes”
「ああ,『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』がカンヌで賞賛を受けたのはわずか5分間だった」
“…which is to say, reactions to the news Indy sequel have been tepid”
(…つまり、インディ続編のニュースに対する反応は鈍い)
のタイトル記事を 下記,拙訳・転載します。
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前作『インディ・ジョーンズ』の反応が平凡だった(mediocre)ことを考えると,新作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』が,特にスティーヴン・スピルバーグ以外の監督のシリーズ初の映画として,状況を立て直せる(right the ship)かどうかに注目が集まっている。ジェームズ・マンゴールド(James Mangold)監督(『LOGAN/ローガン(Logan)』,『フォードvsフェラーリ(Ford Vs. Ferrari)』)のこの映画は,木曜(5月18日)夜,カンヌ映画祭のアウト・オブ・コンペティション上映で初公開されたが,早期の反応は … またもや,かなり意見が分かれている。初演に出席していた(on hand for)タイトル・ロールを演じたハリソン・フォードに,ファンが感情的な別れを告げる中でさえも。
フォードは上映前にサプライズでパルム・ドールを受賞した後,カンヌの観衆に「これにはとても感動している」と語った。「死が近づくと,自分の命が目の前で点滅するのが見えると言われるが,私もまさに自分の命が目の前で点滅するのを見たばかりだ。私の人生の大部分だが,人生のすべてではない。」
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』は2016年からプリ・プロダクションが行われており,当初はスピルバーグが監督の座に戻ったが,最終的には最終章の監督を若い映画監督に任せるために監督の座を放棄した(relinquished)。映画の大部分は 1969 年に起こった,米国とソ連の間の宇宙開発競争を背景にしている。多くのインディ・ジョーンズの作品と同様に,第二次世界大戦の後遺症(aftermath)が大きく迫っており,マッツ・ミケルセン(Mads Mikkelsen)は NASA と協力し主要な敵対者として機能する元ナチスを演じている。フィービー・ウォーラー=ブリッジ(Phoebe Waller-Bridge)は,インディの名付け娘(goddaughter),ヘレナ・ショーを演じ,彼と一緒にアルキメデスの文字盤を探す。
しかし ‘Variety’ よれば,この映画自体に対する反応は冷たかった(tepid)という。最近ではカンヌ国際映画祭のオベーションがNBAの得点数よりも大きくなっており,‘Variety’ 紙は5分間のスタンディング・オベーションを「静か(muted)」で「より礼儀正しい形式(more of a polite formality)」だと評した。
‘RogerEbert.com’ にレビューを書いたベン・ケニグスバーグ(Ben Kenigsberg)は,インディとバジル・ショーが列車の上でナチスと戦う冒頭シーンは,マンゴールドが「スティーヴン・スピルバーグではない」ことを強調している(underscored)が,名ばかりのマクガフィン(macguffin:筋の展開に効果を発揮する一工夫)で作られたいくつかのプロットの穴にもかかわらず,映画はそこから改善されていると述べた。同紙はウォーラー・ブリッジの貢献を称賛し,彼女を「この映画で最も信頼できる楽しみとウィット(repartee)の源」と呼び,彼女が「フォードから番組を盗むところまで来ている」と書いた。リチャード・ローソン(Richard Lawson)は ‘Vanity Fair’ 誌で,マンゴールド,ジェズ・バターワース(Jez Butterworth),ジョン=ヘンリー・バターワース(John-Henry Butterworth),デヴィッド・コープ(David Koepp)という脚本家4人組の緊張感を視聴者は感じることができ,最終的に『運命のダイヤル』は「単独の冒険映画としては,他の,鞭に値するものではないキャラクターを主演させても全く問題ないはずだ。」と書いた。ローソン氏はフォードの状態は「上出来(in good form)」だったと記したが,従来の続編ではオリジナルの登場人物が悲しげで不機嫌になる(sullen)傾向があり,これは『スター・ウォーズ』や『スクリーム(Scream)』のようなシリーズで問題となっていると批判した。また,視聴者は「契約の箱(the Ark of the Covenant)」のようなものほどアルキメデスに馴染みがないかもしれないが,このインディ・ジョーンズ映画には「おそらくシリーズにこれまでに存在したよりも多くの魔法が追加されている」とも述べた。
‘The Guardian’ 紙の三つ星レビューで,ピーター・ブラッドショー(Peter Bradshaw)は実際,オープニング・シーンの「デジタルによる若返り効果(digital youthification effects)」を賞賛し,このシリーズには「ある種の保守的なクラス(a certain old-school class)」が残っていると述べたが,『運命のダイヤル』には同じような要素はなかったと認めた 『フォースの覚醒(The Force Awakens)』が『スター・ウォーズ』シリーズにもたらした,一種の生き返らせる(reinvigorating)火花だ。
いずれも批判的な反応はまちまちで,報道されている3億ドルの予算を回収する(recoup)には映画が観客に大ヒットする必要があるということになる。一方で,『運命のダイヤル』を心から(wholeheartedly)愛している重要な人物が少なくとも一人いる:それはスピルバーグ自身であり,彼はこう言った。「本当に,本当に素晴らしいインディ・ジョーンズ映画だ。ジムがそれを成し遂げたことを本当に誇りに思っている。」と ‘Variety’ 紙は報じた。
「運命のダイヤル」は 6月30日に公開される。
(転載了)
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さて 観るのは どうしましょうかー。
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