バイデンと米国を 世界はどう見ているか?
‘Pew Research Center’,JUNE 27, 2023付け
“International Views of Biden and U.S. Largely Positive”
「バイデンと米国に対する国際的な見方はおおむね好意的」
と題する調査報告がありました。
下記,拙訳・転載します。
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Most say U.S. interferes in affairs of other countries, but also contributes to peace and stability
大半は,米国は他国の問題に干渉するが,平和と安定にも貢献していると言う
大統領就任3年目,ジョー・バイデン米国大統領は世界中の国民からおおむね肯定的な評価を受けている。ピュー研究所の新たな調査では,23ヶ国の中央値で54%がバイデンに信頼を表明し,39%がバイデン氏を信頼してないと回答した。
同様に,米国に対する全体的な見方はおおむね肯定的である:ポーランド,イスラエル,韓国,ナイジェリア,日本,ケニアでは約10人中7人以上が米国に好意的な評価を与えており,中央値は59%となっている。ハンガリーは 米国を好意的に見ている人が半数にも満たない,調査対象の唯一の国である。
世界舞台での米国の行動はしばしばその世界的なイメージを形成しており,調査が浮き彫りにしているように,米国の外交政策に関する世論はしばしば複雑であり,人々は米国の力に対してプラス面とマイナス面の両方を見ている。圧倒的に人々は,米国が他国の問題に干渉していると信じており,中央値の82%が,米国が他国の問題にかなりの程度 干渉していると答えているが,大多数は米国が世界中の平和と安定に貢献しているとも信じている。
米国が外交政策を決定する際に他国の利益をどの程度考慮するかについて,国際世論は基本的に二分されている。しかし,調査対象国の約半数では,米国が他国を考慮していると考える国民の割合は,ピュー研究所が20年以上前にこの質問をし始めて以来,かつてないほど高くなっている。
この調査では,米国のソフト・パワーの要素など,米国の力の他の側面も調査している。米国の生活水準については賛否両論あるものの,他の裕福な国と比較すると,米国のテクノロジー,大学,軍事,エンターテイメントはすべて最高か平均以上とみなされている。
ここ数年,いくつかの国で米国の経済力に対する認識が高まっており,回答者は世界をリードする経済大国として中国ではなく米国を挙げる傾向にある。しかし,オーストラリアと同様に多くのヨーロッパ諸国では,中国は世界経済のトップとみなされている。
これらの調査結果は,2023年2月20日から5月22日まで 多くは米国の主要同盟国である23ヶ国の27,285人を対象に実施されたピュー研究所の新たな調査から得られたものである。以下は,米国の全体的なイメージ,バイデンの評価,米国の外交政策への見解,米国のソフト・パワー,米国の経済力に関するその他の調査結果の一部である。
Overall ratings for the U.S.
米国への総合評価
調査対象国の中で,ロシアのウクライナ侵攻以来,米国に対する肯定的な見方が大幅に増加したポーランドは,米国に対して最高の評価を与えており,ポーランド人の93%が好意的な意見を表明している。米国の評価が最も低いのは別の中欧諸国であるハンガリーで,肯定的な見方をしている成人はわずか44%で,2022年の55%から低下した。
他の地域では,米国に対する評価は昨年以来ほぼ安定しているが,スウェーデン,韓国,カナダ,ドイツでは好感度が若干低下している。
現在の調査には、ピュー研究所がパンデミック下で対面インタビューを実施することが困難であるため,新型コロナウイルス感染症の発生前の2019年以来調査を行っていない8つの中所得国が含まれている。8ヶ国すべてで,2019年以降,米国に対する好感度が大幅に上昇した。これは,過去数年間のピュー研究所の調査で見つかったパターンと似ており,ドナルド・トランプ大統領の任期中に低下した米国の世界的イメージが,ジョー・バイデンの当選後に米国の評価が回復したことが実証されている。
バイデンに対する評価
米国全体の評価と同様に,バイデンはポーランドで最高の評価を得ており,83%が世界情勢におけるバイデンのリーダーシップに信頼を寄せている。スウェーデン,ケニア,ナイジェリア,イスラエル,オランダ,ドイツでも,およそ10人中7人以上がバイデンへの信頼を表明している。調査対象国の約半数では大多数がバイデンに肯定的な評価を与えているが,NATO同盟国のイタリア,ギリシャ,フランス,スペインではバイデンの評価は全体的に肯定的なものよりも否定的なものの方が多い。そしてハンガリーでは最低の評価を獲得した。
ラテン・アメリカ,アフリカ,アジアの中所得国では,バイデン氏は前任者よりも大幅に高い評価を受けている。たとえば,ブラジル人は2019年のトランプ大統領への信頼は28%だったが,現在は 44%がバイデンを信頼している。 また,トランプ大統領の人気が比較的高かった一部の国では,バイデン大統領の評価が高い。例えば,ナイジェリア人の71%はバイデンを信頼していると答えており,4年前のトランプ大統領の58%から増加している。また,インド人の64%がバイデンに肯定的な評価を与えているのに対し,2019年にはトランプに信頼を表明したのは56%だった。
America’s role on the world stage
世界舞台における米国の役割
2002年以来,我々は定期的に,米国が外交政策を決定する際に 他国の利益を考慮していると信じるかどうかを回答者に尋ねる質問を含めてきた。そして一般的に,人々は米国が他国の利益を考慮していないと考えていることがわかった。
今回の調査では見解が分かれており,23ヶ国の中央値は49%が米国は他国の利益をかなり考慮していると回答し,50%は米国が他国の利益をあまり考慮していないか,まったく考慮していないと回答した。
しかし,多くの国で,米国が他国の意見に耳を傾けていると考える人々の割合は増加しており,12ヶ国ではこれまでの調査で最高となっている。たえば,米国の主要なNATO同盟国であるポーランド,ドイツ,英国の3ヶ国では,米国が他国の利益を考慮していると考える割合は現在,過去20年間のどの時点よりも大きくなっている。
この調査には,米国が他国の利益を考慮しているかどうかという質問に加えて,世界政治における米国の役割に関する他の2つの質問が含まれていた。まず,米国が他国の問題にどの程度干渉しているかについて尋ねた。第二に,米国が世界の平和と安定にどれだけ貢献しているかについて尋ねた。
2つの質問を一緒に見ると,人々が米国についてしばしば抱いている複雑な見方と,世界の舞台で米国が果たす役割に対して人々が肯定的な側面と否定的な側面の両方をどのように見ているかが浮き彫りになる。
調査対象となった23ヶ国の中央値は50%で,米国は他国の問題に多大またはかなりの量の干渉を行っており,また米国は世界中の平和と安定に多大またはかなりの量の貢献をしていると回答している。
約3人に1人は,米国は世界の平和と安定に干渉しているが貢献していないと考えている。ギリシャ,ハンガリー,イタリアでは半数以上がこの見解である。
米国が他国の政治に干渉(meddle)していないと考える人は比較的少ない。
American soft power
米国のソフト・パワー
この調査には,米国のイメージの社会的,政治的,経済的側面、つまり米国の「ソフト・パワー」の一部と考えられることに関する多くの質問が含まれていた。
例えば、米国がどの程度政治的に安定しているか,危険か,民主的か,宗教的か,寛容かという質問に対して,回答者は一般的に他の裕福な国とほぼ同じだと答える。しかし,ポーランド,ナイジェリア,イスラエルも半数以上が米国のほうが政治的に安定していると考えている人はかなりの数に上る。 それでも、10人中4人以上が、オーストラリア、スウェーデン、オランダでは米国の安定性が低いと見ている。
マイナス面ではあるが,他の裕福な国に比べて寛容さが低く,住むには危険な場所だと多くの人が考えている。オーストラリア人の3分の2近くは,米国は住むにはより危険な場所であると信じており,英国,スペイン,ドイツでも少なくとも半数がこの考えを持っている。
回答者は一般的に,他の裕福な国と比較した場合,米国のテクノロジー,エンターテイメント,大学,軍事は最高か平均以上であると考えている。
米国の生活水準は低いが,51% が最高か平均より優れていると答えている。
別の分析が示すように,米国の生活水準が最高または平均以上であると考えているのは米国人のわずか 44% である。また,米国人は世界の他の国に比べて,自らの技術的成果や大学を称賛する傾向が低い。
若い成人は特に米国の大衆文化を受け入れる傾向がある。18ヶ国では,18歳から39歳までの成人が,それより上の成人よりも米国の映画,音楽,テレビが最高か平均以上であると答える傾向が高い。
例えば,40歳未満のギリシャ人の84%は,米国のエンターテインメントが最高か平均よりも優れていると答えているのに対し,40歳以上のギリシャ人で米国のエンターテインメントが最高か平均よりも優れていると答えているのは62%である。
若者は高齢者よりも米国のエンターテイメントに対して好意的だが,米国の安全性についてはより大きな懸念を表明している。
12ヶ国の中で,特に40歳未満の人は,米国が他の裕福な国に比べて住むのに危険な場所であると回答する可能性が高い。例えばオランダでは,18~39歳の61%が米国の方が危険だと答えているのに対し,40歳以上では34%にとどまっている。
U.S. economic power
米国の経済力
世界経済は近年,深刻なショックを何度も経験しており,多くの国が新型コロナウイルス感染症の発生後に不況に見舞われ,その後,世界がパンデミックから脱却するにつれて高インフレが続いた。過去数年間で世界の経済力に対する認識にも変化があった。 いくつかの国では,人々が世界トップの経済国として中国ではなく米国を挙げる可能性が高まっている。
全体として,調査対象となった 23ヶ国の中央値は 41% で,米国が世界をリードする経済大国であると考えており,33% が中国を挙げている。米国が世界をリードする経済大国であると考える割合は,2020年以降,ドイツ,スウェーデン,日本,フランス,カナダ,オランダで大幅に増加した。
インドネシア,ハンガリー,ポーランド,ナイジェリアでも,これらの国で最後に質問が行われた2019年以降,増加している。
この調査には,中所得国に対する米国の,自国への投資に関する質問も含まれている。8ヶ国中,中央値68%が,米国の投資が自国の経済に多大またはかなりの利益をもたらしたと回答した。ナイジェリア,ケニア,インド,メキシコでは特に肯定的な評価があり,10人中 7人以上がこの考えを持っている。アルゼンチンは,米国の投資が自国に悪影響を及ぼしたと大多数が考えている唯一の国である。
Spotlight: America’s image improves in Mexico
スポットライト: メキシコで米国のイメージが向上
2019年にメキシコを最後に調査して以来,米国に対するメキシコ人の態度は急激に好転してきた。トランプ大統領の任期中,米国に対する評価はメキシコを含む世界中の多くの国で大幅に低下した。トランプ大統領とその政策,特にトランプ大統領の政策が影響した。メキシコとの国境に壁を建設することは非常に不人気だった。2017年,2018年,2019年にトランプ大統領への信頼を表明したメキシコ国民の割合は一桁台で,我々の年次国際調査でトランプ大統領に対する評価が最も低かったのはメキシコだった。
現在,メキシコでのバイデン氏の評価は特別に高いわけではなく,43%がバイデンに信頼を寄せているが,トランプよりもかなり高く,バラク・オバマがホワイトハウスにいたときに受けた評価と一致している。同様に,米国に対する全体的な評価も,オバマ大統領の二期目のときとほぼ同じ水準まで回復した。
Spotlight: Differing views of the U.S. in central Europe
スポットライト: 中央ヨーロッパにおける米国に対する異なる見解
近年,ヨーロッパにおけるポピュリズムの台頭に関する議論ではポーランドとハンガリーが目立って取り上げられている。
「民主主義・選挙支援国際研究所(International IDEA)」,‘Economist Intelligence Unit’,‘Freedom House’ などの研究機関によれば,両国ともポーランドの「法と正義(PiS)」とハンガリーの「フィデス」という右翼ポピュリスト政党が政府を支配しているが,両国とも国内政策を巡って欧州連合と緊張を抱えており,両国とも民主主義の質の低下(deterioration)を経験しているという。
しかし,米国に対する見方を含め,国際情勢に関する世論に関しては,両国は大きく異なっているように見える。過去20年間の我々の調査では,ポーランド人は概して米国に対して比較的好意的な態度を示してきたが,ロシアのウクライナ侵攻以来,ポーランド人は米国に対して 更に好意的な態度を示している。 そして今回の調査では,米国について肯定的な意見を表明しているという点で,ポーランド人は常にリストのトップかそれに近い位置にある。
対照的に,ハンガリー人は常に最下位にある。彼らはバイデンに最低の評価を与えており,米国に好意的な意見を持っている人が半数未満となっている唯一の国である。彼らは,米国が外交政策を決定する際に自国の利益を考慮していると考える可能性が最も低く,米国が世界中の平和と安定に貢献していないと考える可能性が最も高い。多くの場合,これらの否定的な見解は,特にヴィクトル・オルバン(Viktor Orbán)首相率いるフィデス(Fidesz)党の支持者の間でよく見られる。
(転載了)
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トランプ時代より 改善されていることは 間違いありません。
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