有効な気候変動対策がなければ-
日本もそうですが,米国,中国,南ヨーロッパを 去年に続き 記録的熱波が襲っています。
‘CNN’ 電子版 July 25, 2023付けで
“Heat waves in US and Europe would have been ‘virtually impossible’ without climate change, new report finds”
「米国とヨーロッパの熱波は気候変動がなければ『事実上あり得ない』との新しい報告書」
の見出し記事がありました。
下記,拙訳・転載します。
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北半球(the Northern Hemisphere)の一部地域では依然として猛暑が続いており,火曜日(7月25日)に発表された新たな分析によると,今月3大陸で猛暑が発生する可能性は人為的気候危機によって大幅に高まっていることが明らかになった。
世界気象アトリビューション・イニシアチブ(WWA:the World Weather Attribution initiative)による緊急要因分析(rapid attribution analysis)によると,米国と南ヨーロッパの一部を焼き尽くす「熱地獄(heat hell)」は気候変動がなければ「事実上あり得ない」だっただろうが,気候変動により中国の熱波の可能性は少なくとも50倍になったという。
異常気象における気候変動の役割を評価する国際科学者のグループであるWWAは,7月に北半球を襲い,農作物や家畜を破壊し,山火事を引き起こし,水ストレスを悪化させ,三大陸にわたって死者を出した危険な熱波を1週間かけて分析した。
デスバレーの気温は今月,128℉(53.3℃)に達し,フェニックス市では25日連続で 110℉(43.3℃)を超える記録的な気温が続いている。
中国は今月初め,52.2℃(126℉)という全国最高気温を記録した。
そしてヨーロッパでは,気温がヨーロッパの史上最高記録となる48.8℃(119.8℉)に近づき,スペインとイタリアの一部で地域記録が破られた。
気候危機(the climate crisis)が今年7月の猛暑の可能性と激しさにどの程度影響を与えたかを理解するために,WWAチームは気象データとコンピューター・モデルを調査し,現在の世界の気候(産業革命以前より約1.2℃ 暖かい)を過去の気候と比較した。
インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)のグランサム気候変動・環境研究所(the Grantham Institute for Climate Change and the Environment)の気候科学上級講師(senior lecturer)フリーデリケ・オットー(Friederike Otto)氏は,「気候変動の影響(役割)は絶対的に圧倒的である(overwhelming)」と研究者らは発見したと述べた。もし人類が石油,石炭,ガスを燃やして地球を暖めていなかったなら,このような猛烈な(blistering)熱波は極めてまれだっただろう,とオットー氏は月曜日(7月24日)に記者団に語った。しかし,世界が化石燃料の燃焼を続けているため,それはもはや珍しいことではなくなっている,と彼女は言う。
現在の気候では,現在世界が経験しているような異常な熱波は,米国とメキシコでは15年に1回,南ヨーロッパでは10年に1回,中国では5年に1回発生すると予想されることが分析で判明した。
科学者らは,気候変動がこうした熱波が発生する可能性を大幅に高めただけでなく,熱波をさらに暑くしていることを発見した。報告書によると,地球温暖化による公害(Planet-heating pollution)により,ヨーロッパの熱波は2.5℃,北米の熱波は2℃,中国の熱波は1℃ 高くなったという。
さらに悪いことが起こる可能性がある。 報告書によると,地球の平均気温が産業革命以前より2℃上昇した場合,2~5年ごとに極度の熱波が予想されるという。
オットー氏は,「化石燃料の燃焼を急速に止めなければ,将来,現在が涼しい夏になる可能性が十分にある」と述べた。
科学者らは,エルニーニョ現象(温暖化に影響を与える自然な気候パターン)の進行が気温の上昇に少し貢献した可能性があるが,化石燃料の燃焼による地球温暖化が熱波がこれほど厳しい主な理由だと述べた。
「この帰属調査の結果は驚くべきことではない。世界は化石燃料の燃焼を止めておらず,気候は温暖化し続け,熱波はさらに極端になり続けている。それはとても単純である。」とオットー氏は声明で述べた。
しかし,この研究は「暴走温暖化(runaway warming)」や「気候崩壊(climate collapse)」の証拠として解釈されるべきではないと彼女は付け加えた。「安全で健全な未来を確保する時間はまだあるが,化石燃料の燃焼を早急に止め,脆弱性(vulnerability)を軽減するために投資する必要がある。そうしなければ,毎年何万人もの人々が熱関連の原因で亡くなり続けることになるだろう。」
熱波は最も致命的な(deadliest)自然災害の 1 つである。最近の研究によると,昨年 ヨーロッパで記録的な熱波が発生した際,熱関連で61,000人以上が死亡した。
メキシコでは3月以来,暑さが原因で100人以上が死亡しており,米国からイタリアに至る国々では,人々が気温の上昇に対処するのに苦労しており,入院者数が急増していると報告されている。
社会は地球温暖化による公害(pollution)を迅速に削減する必要がある,と報告書の著者らは述べた。 しかし,同時に,各国や都市に対し,健康,都市計画,エネルギー・システムを適応させるとともに,気候危機がすでに閉じ込めている猛暑への備えを強化するための熱対策計画(heat action plans)の展開を加速するよう求めた。
この研究には関与していない英国レディング大学(the University of Reading)の気候科学教授リチャード・アラン(Richard Allan)は,変動する気象パターン(fluctuating weather patterns)がこれらの熱波の場所とタイミングを決定したと述べた。
「しかし,気候の温暖化により,この部類の極度の暑さの頂点となる適度な熱波が促進されており,化石燃料による温室効果ガスの排出による暖房効果がなければ,本来なら一連の最高レベルの熱波の発生が起こりえない出来事となっている。」
(転載了)
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