韓国のジャンボリーを米英 数千人が脱出した理由は熱波だけではない-
世界各地からボーイスカウトやガールスカウトら約43,000人が集まり,韓国南西部の全羅北道 セマングムで(8/2~12)開催中のキャンプの祭典「世界スカウト・ジャンボリー」で,熱中症の症状を訴える参加者が数百人に上り,英国や米国の参加者が大挙撤収する事態となっています。
熱中症にとどまらず トイレやシャワー施設の貧弱さも問題になっており,英国や米国は参加者を既に移動させているようです。
‘BBC News’ は Aug.6, 2023付けで
“Thousands at Scout camp move into hotels after S Korea heatwave”
「韓国の熱波を受け,スカウト・キャンプの数千人がホテルに移動」
の見出しで伝えています。
下記,拙訳・転載します。
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韓国で国際イベントが猛暑に見舞われたことを受け,英国のスカウトらはソウルのホテルに移動している。35℃(95℉)の暑さの中,世界中から4万人以上の若者が参加する屋外の世界スカウト・ジャンボリーで,数百人が体調を崩している。
参加者としては最大の英国人グループ4,500人がセマングムのキャンプ地からソウルに移動中であるとスカウト協会が認めた。
米国とシンガポールのチームもメンバーを大会から撤退させている。
韓国政府は,トイレとシャワーの維持のためにさらに60人の医療従事者と700人のサービス従事者を派遣し,多くの国が来週も現場に滞在すると発表した。
世界最大の青少年キャンプと言われるこのジャンボリーには,4年ごとに毎回異なる国に世界中からスカウトが集まる。参加者のほとんどは14歳から18歳で,韓国には155ヶ国の代表が参加している。
これはパンデミック以来初のジャンボリーで,8月12日まで開催される予定だ。
イギリスの十代の若者たちのコーチがキャンプ場から約197km離れたソウルに戻り始めており,彼らは来週ホテルで過ごすことになる。
英国スカウト協会は,若者と成人ボランティアが「宿泊施設に落ち着き」始めており,ジャンボリー体験は予定通り8月13日に英国に戻るまで市内で継続されると述べた。
BBCは,一部のスカウトは1部屋に5人をシェアしている一方,宿泊施設が不足しているため,最大250人がソウルのあるホテルの宴会場で寝ていると伝えた。
英国チームの一人は,BBCのソウル特派員ジーン・マッケンジーに対し,撤退の決定は猛暑だけではなく,施設や食料も考慮したと語った。彼らはキャンプ場のトイレを「健康上のリスク(health risk)」と表現し,子どもたちの食事のニーズが満たされていないと述べた。
英国チームは数日間状況を監視し,主催者に状況を改善する機会を与えたが,主催者は全員の安全を守る自信を失っていたと彼らは述べた。
BBCが話を聞いた保護者の多くは,子どもたちがイベントに参加するために何年もかけて準備し,そのために数千ポンドに達したことも多いと語った。
‘AccuWeather’ によると,この天気が発生している地域では雷雨が予想されており,湿度が高いため気温は40度以上に暑く感じるだろうという。
国際スカウト最大の組織である「世界スカウト運動機構(WOSM:the World Organization of the Scout Movement)」は,大会を主催する韓国スカウト協会に対し,早期終了を検討するよう要請したと発表した。
同機構は,主催者が「イベントの続行(go ahead)を決定した」と述べ,参加者に対し「熱波によって引き起こされる問題に対処するために可能な限りのあらゆる措置を講じている」と保証したと述べた。
国内最大のスカウト組織である「UKスカウト」は,ボランティアらが会員に「十分な食料と水…異常な暑さからの避難所…そしてこの規模のイベントにふさわしいトイレや洗濯施設」を提供するために尽力したと述べた。
英国と米国のチームには,急遽(short notice)何千人もの人々を移転させる資金とリソースがあるが,イベントにはそれができない国もたくさんある。
米国は安全上の懸念を理由に,参加者を平沢のキャンプ・ハンフリーズ(Camp Humphreys)陸軍基地に連れて行っている。キャンプ場にいた子どもたちの保護者らはBBCに対し,暑さのため活動は行われていないと語った。
他の人たちは,自分たちの子供たちが立ち去らなければならなかったことに失望したと言って,このイベントを擁護した。
(転載了)
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