-Barring an Injury or Unforeseen Mega-slump
‘Forbes’ の July 31, 2023 で
“Shohei Ohtani May Become Major League Baseball’s First Two-Time Unanimous MVP”
「大谷翔平がメジャー・リーグ初の2度目の満場一致のMVPに輝く可能性」
と題する記事が掲載されました。
下記,拙訳・転載します。
**************************
2年前,大谷翔平は全米野球記者協会(BWAA:the Baseball Writers’ Association of America)の満場一致投票により最優秀選手賞(the Most Valuable Player)を受賞した19人目の選手となった。おそらく野球史上最高の打者と投手の組み合わせ(the best hitter-pitcher combination)である大谷にとって,これはかなりの成果だった。
今シーズン,大谷はさらに良くなった。ロサンゼルス・エンゼルスのスター選手は,複数回満場一致でMVPを獲得したメジャー・リーグ史上初の選手となる可能性がある。
現時点では、シーズン最後の9週間に怪我や予期せぬ大スランプがなければ,大谷がアメリカン・リーグのMVPを獲得することにほとんど疑いはない。
大谷は圧倒的な受賞候補(favorite)であり,彼に賭ける意味がほとんどないほどだ。人々は現金をオンライン普通預金口座または同様のリスクのない投資に預けるだけで,さらに多くのお金を稼ぐことができる。
‘RotoWire’ によると,大谷がMVPを獲得するオッズは -10,000で,これは彼に20ドル賭けた人が20セントを獲得することを意味する。‘RotoWire’ は,‘DraftKings’,‘FanDuel’,‘BetMGM’,‘PointsBet’ のベッティング・ラインを調査する。
次にテキサス・レンジャーズの遊撃手コーリー・シーガー(Corey Seager)とヒューストン・アストロズの外野手カイル・タッカー(Kyle Tucker)が +8,000のオッズで,これは20ドルの賭けで1,600ドルを獲得することを意味する。
大谷が最有力候補であるにもかかわらず,全会一致で勝つという保証はない。
この賞は,ア・リーグ の各都市から 2名ずつ,BBWAA のメンバー 30名によって投票される。そして,他の人々のグループと同様に,決断が容易である(no-brainer decision)と思われる状況でも,合意に達するのは困難だ。
大谷の MVP の状況(case)は,歴史上の誰よりも強力である。OPS(1.083),長打率( .680),出塁率( .403),本塁打(39),三塁打(7)でア・リーグのトップに立っている。打点も81打点で2位,打率では6位( .302)となっている。
もし大谷が単に指名打者(designated hitter)であれば,彼はMVPの本命になるだろう。結局,彼はポジション・プレーヤーの代替勝利数(WAR:Wins Above Replacement)4.9で,ア・リーグのトップに立っており,シーガーを0.3上回っている。これは ‘Baseball Reference’ の ‘WAR’ であり,‘Fangraphs’ の ‘WAR’ とは異なる。
大谷の投手力が加われば,彼は当確(shoo-in)だ。彼の 7.7 WAR は,大差を付けてリーグ 1位である。 ニューヨーク・ヤンキースの投手ゲリット・コール(Gerrit Cole)がWAR 4.8で2位となっている。
大谷は20試合に先発出場し,9勝5敗,防御率3.43という成績を残しており,リーグ10位となっている。彼は 被打率(opponents batting average)でア・リーグトップ( .185),9イニングあたりの奪三振数で2位(11.64),奪三振数で3位(156),投球イニングあたりの与四球数と安打数で8位(1.07)となっている。
大谷は先週木曜のデトロイト・タイガースとのダブルヘッダーで最高のパフォーマンスを見せた。
第一戦ではわずか1安打,8奪三振,3四球でキャリア初の完投を果たした。
そして第2戦で大谷は2本のホームランを放ち,ダブルヘッダーの前半で完封勝利を収め,もう一方の試合でホームランを打ったMLB史上初の選手となった。
それでも,あるプレイヤーが満場一致で MVP になると思われたにもかかわらず,1人以上の投票者が別のプレイヤーに 1位の票を入れたという例は他にもあった。
BBWAA は 1931年以来各リーグで MVP を表彰しており,アメリカン・リーガー 11名とナショナル・ リーガー 8名が満場一致の投票で受賞した。それ以来,ポジション・プレーヤーのシングル・シーズン最高WAR 31のうち,MVPを獲得した選手は20人だが,満場一致でMVPを獲得したのは2人だけだ。そして1956年のミッキー・マントルの WARは 11.2(1931年以来7番目に良かった)だった。
史上最高のシーズンを過ごした選手が,満場一致ではなく MVP を獲得した最近の例は?
2016年,エンゼルスの外野手マイク・トラウトのWARは10.5だったが,1位票30票中19票しか獲得できなかった。
当時 ボストン・レッド・ソックスでプレーし,WAR 9.5を獲得していたムーキー・ベッツ(Mookie Betts)は1位票を9票獲得し,レッド・ソックスの指名打者 デビッド・オルティス(David Ortiz )(WAR 5.2)とテキサス・レンジャーズの三塁手エイドリアン・ベルトレ(Adrian Beltre)(WAR 6.7)が 個々に1票を獲得した。
2018年,ベッツのWARは10.7で,過去43年間で4番目に良かったWARは,2001年と2002年のボンズと1991年のカル・リプケン・ジュニア(Cal Ripken Jr.)に次ぐものだった。しかし,ベッツが得た1位票はわずか28票で,トラウト(WAR 9.9)と当時レッド・ソックスのチーム・メイトJ.D.マルティネス(J.D. Martinez)(WAR 6.7)はそれぞれ1位票を獲得した。
そして昨年,ニューヨーク・ヤンキースの一塁手アーロン・ジャッジ(Aaron Judge)は,62本塁打,131打点,133得点(runs),111四球,出塁率 .425,長打率 .686,OPS 1.111で ア・リーグ トップの成績を残した。彼は WAR 10.6 でトップでもあったが,1位の MVP票は 28票しか獲得できなかった。大谷は残り2票を獲得した。
2000年以来,5人の選手が満場一致でMVPを獲得している:2002年のボンズ,2009年のアルバート・プホルス(Albert Pujols),2014年のトラウト,2015年のブライス・ハーパー(Bryce Harper),そして2021年の大谷。今シーズンを踏まえると,大谷は今年もなるはずである。それでも,歴史によれば,全員が同じように投票することは,思うよりも珍しいことである。
(転載了)
****************
8月2日(米国)時点の 打撃3部門の成績は次のとおり。(TV番組から)
| 固定リンク | 0
「ニュース」カテゴリの記事
- 大谷 45本塁打,あと5本に!(2024.09.08)
- U.S.Steel が警告: 日本製鉄の買収破談なら,一部施設閉鎖 そして 雇用にリスク(2024.09.07)
- ポール・ワトソンのグリーンランド拘留,10月2日まで延長。(2024.09.06)
コメント