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2023年8月25日 (金)

英国誌も大谷を無視できない。

メジャー・トップタイの43本塁打を放つなど躍動している大谷選手,その活躍に,1828年に英国で創刊された権威ある週刊誌「スペクテーター」誌の世界版で,米国の政治・文化・社会などを取り上げる「スぺクテーター・ワールド」が「大谷は本当にGOAT(史上最高)か?」のタイトルで米国の専門家3人にインタビューした記事を掲載しました。

下記,拙訳・転載します。
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The SpectatorAugust 17, 2023
Is Shohei Ohtani the GOAT?
「大谷翔平は GOATGreatest Of All Time)か?」

野球がこのような二重の脅威を持ってから1世紀以上が経った

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大谷翔平はどのくらいすごいか?

「もし彼がヤンキースだったら,テイラー・スウィフトのように有名(Taylor Swift-famous)になっていただろう」と友人は言う。
これは,ロサンゼルス・エンゼルスの投手兼指名打者である,あらゆる誇大広告を必要とする,活気に満ちた古い娯楽の中で唯一の超新星を過剰に販売する稀なケースかもしれない。

野球にこのような二重の脅威があったのは1世紀以上前のことだ。
ベーブ・ルースは かつてはこのゲームで最高の投手の一人だった。1919年にヤンキースがボストンから彼を獲得してから打撃に専念した彼でさえ,29歳の大谷のようにマウンドでも打席でも支配力を発揮したことはなかった。2018年にエンゼルスに入団するために日本を離れて以来のことだ。
今シーズン,オールスター投手の大谷は,エンゼルスをプレーオフ出場権獲得に追い込んでおり,オールスター打者の大谷は本塁打,四球,さらには三塁打でもメジャー・トップとなっている。

現代の比較として,パトリック・マホームズ(Patrick Mahomes)がオール・プロのラインバッカーだったらどれほど優れていただろうかと尋ねる必要があるかもしれない。あるいは,もしメリル・ストリープがブリトニー・グライナー(Brittney Griner)にダンクできたらどうなるだろうか?

トレード期限前夜,エンゼルスが現金を手に入れる準備ができているのではないかという噂が飛び交う中,球界の優秀な頭脳の一部が重要な疑問に答えた:それは,大谷はすでにゲームの ‘GOAT’ なのか?というものだった。

「これだけは言わせてください:彼の双方向の存在は,専門化(specialization)がすべての種において不可逆的な傾向(irreversible trend)であると推論した(reasoned)ダーウィンの外側に飛んでいる。」とジョン・ソーン(John Thorn)は私に語った。メジャー・リーグ・ベースボールの公式歴史家であるソーン氏は,「大谷は,たとえルースであっても,歴史上の他の選手と直接比較することはできないかもしれない。彼が二刀流のスターと比較されるのは,ゲームが新しくなった南北戦争前の頃だけかもしれない。」

ティム・クルジャン(Tim Kurkjian)氏は納得していない。「大谷は史上最高の選手というわけではないまだだ。」と,半世紀にわたって野球を取材してきたESPNのクルジャン氏は言う。
「彼は史上最も注目に値する選手であり,史上最も才能のある選手だが,史上最高になるまでには十分な期間を過ごしていない。ベーブ・ルースはアメリカン・リーグで最高の左投手であり,生涯完封数はペドロ・マルティネスよりも多い。ルースが外野手専門になったとき,彼は史上最高の打者になった。これについては 私は圧倒的に少数派だが,1920年にヤンキースにDH制があったなら,ルースは50本のホームランを打ち,20勝していただろうと思う。」

ジム・ボーデン(Jim Bowden)はこれに同意しない。「大谷はメジャー・リーグ史上最も才能のある選手であり,これまでの試合で最高のシングル・シーズン・パフォーマンスを享受している。」と元シンシナティ・レッズとワシントン・ナショナルズのGMMLB評論家(pundit)のボーデンは言う。
「もしベーブ・ルースが1919年以降に投げていたとしても,大谷に匹敵することはなかっただろう。なぜなら,彼には大谷のようなレパートリーや才能(repertoire)がなかったからである。大谷はまさにユニコーンだ。」

MLB歴史家のソーン氏はボーデン氏を支持し,「1918年以降,ルースの投手成績は低下し始めた。私の見方では,彼は投手として全盛期の力強さ(vigor)を取り戻すことはできなかった。」

しかし,クルジャンですら,大谷は現代の奇跡だと考えている。 「ルースが時速160マイルを投げたり,大谷と同じくらい速く走ったり,ルースの並外れた(prodigious)パワーにもかかわらず,大谷が打った場所にボールを打ったりすることができたなどとは 私は主張しない。」

大谷の例は 二刀流選手の新世代をもたらすだろうか?
「これほどの規模ではない。」とボーデン氏は言う。
「今日の,選手の健康維持重視とは違う。」とクルジャン氏は言う。
「我々は先発投手を100球投げた後に降ろす。野手には必要のない休日を与える。若い投手に週6日打たせることで彼の将来を危険にさらすチームとは思わない。投げていないときにDHができる若い投手もいると思うが,重要なのは両方をやめないことだ。」
メジャー・リーグ組織は投手と打者を育成するが,ハイブリッドは育成しない。投手と遊撃手としてプレーする大学選手は,大リーグ・クラブと契約した後,どちらかを選ぶように言われる。
「そして,マイナー・リーグで打つことから2年離れると,メジャーで打とうとするのは,非常に(exceptionally)難しいことだ。これができるのは大谷だけだ。だからこそ彼はユニークであり,ゲーム界最大のスターであり,ゲーム界最高のプレイヤーであり,一生に一度の才能があるのだ。」

ボーデンは,「我々が生きている間に,彼ほどの二刀流選手に出会う可能性は非常に低い。」と述べている。

大谷はユニコーンであると同時にGOATでもある。彼はここからどこへ行くのだろうか? それは,ボストンがルースをヤンキースに売却して以来,野球界が直面する最も重要な問題だ。

(転載了)
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