世界の異常気象実態
日本では 今年の7月の平均気温が気象観測を始めた1898年 以来,最高だったと報じられました。
世界的にも-
‘WMO:World Meteorological Organizatio’(世界気象機関)が 31 July 2023付けで
“Heatwaves, wildfires mark summer of extremes”
「熱波と山火事が異常事態の夏を特徴づける」
と題する報告を発表しました。
下記,拙訳・転載します。
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この異常な夏は北半球の大部分を猛暑が襲い,人々の健康と環境に大きな被害をもたらしている。
中国は 毎日,全国で気温の新記録を樹立し,多くの観測所の気温の新記録が破られている。
アルジェリア,ギリシャ,イタリア,スペインを含む地中海の一部地域では,山火事により甚大な被害(devastation)と数十人の死傷者が発生し,数千人が避難を余儀なくされている。
コペルニクス大気監視サービス(CAMS:The Copernicus Atmosphere Monitoring Service)は,7月後半に地中海東部,特にギリシャでの山火事の強度と排出量の大幅な増加を記録した。
GFAS(Global Flood Alert. System) データセットによると,これらの山火事による排出量は,ギリシャのこの期間において過去 21年間で最高となっている。カナダでは記録上最悪の山火事シーズンを迎え,北米の何百万人もの人々の大気質(air quality)に悪影響を及ぼしている。
地中海やフロリダ沖では激しい海洋熱波(marine heatwaves)が発生し,海面水温が新記録を更新した。
「地球温暖化の影響でますます頻繁に発生する異常気象は,人間の健康,生態系,経済,農業,エネルギー,水の供給に大きな影響を与えている。これは温室効果ガス排出量を可能な限り迅速かつ徹底的に削減することが緊急性を増していることを浮き彫りにしている」とWMO事務総長のペテリ・ターラス(Petteri Taalas)教授は述べた。
「さらに,残念なことだが,新しい常態になりつつあるものに社会が適応できるよう,我々は努力を強化しなければならない。WMOコミュニティは,すべての人に早期警報(Early Warnings for All)を提供するという目標を達成するために,命と暮らしを守るための予測と警告を提供している」とターラス教授は述べた。
‘World Weather Attribution’ ネットワークの気候科学者らによる迅速な研究では,熱波は気候変動の明らかな足跡を残していると述べています。
「人為的な気候変動がなければ,このような暑さ(heat events)は非常にまれだっただろう。中国では,これは約250年に1度の出来事だっただろうが,人間が化石燃料を燃やして地球を温暖化させていなければ,2023年7月のような最高気温が米国/メキシコ地域や南ヨーロッパで発生することは事実上不可能だったであろう。」と7月25日に発表された帰属研究は述べた。
Heatwaves
熱波
熱波は最も致命的な自然災害の一つであり,毎年数千人が熱関連の原因で死亡している。WMOの専門家らは7月18日の記者会見で,熱波の全体の影響は数週間から数ヶ月後まで分からないことが多いと語った。フランス,ギリシャ,イタリア,スペイン,アルジェリア,チュニジアは,日中および夜間の観測所最高気温の新たな記録を報告した。
たとえば,フィゲラス(Figueres )(カタルーニャ) は,7月18日に 45.4℃ という新たな気温記録を報告した (暫定的な史上最高値)。 イタリアのサルデーニャ(Sardinia)島の観測所は7月24日に48.2℃を記録した。
アルジェリアとチュニジアでは,7月23日に最高気温がそれぞれ48.7℃(ダル・エル・ベイダ/アルジェル:Dar El Beïda/Argel)と49.0℃(チュニスとケルアン:Tunis and Kairouan)だった。
地中海の一部の地域では,8月まで猛暑がさらに続く可能性があると,ドイツ気象局(DWD:the Deutscher Wetterdienst)が運営するWMOヨーロッパ地域気候センターの気候監視ノード(the Climate Monitoring node)が発行した気候監視勧告(Climate Watch Advisory)は述べている。これは,自国の領域での予報と警報を担当する国立気象水文局(National Meteorological and Hydrological Services)のためのガイダンスとして設計されている。
「急速な温暖化と,ジェット気流などの大気力学を含む北極および中緯度の気象パターンとの関連性を実証する研究が増えている。暖かい空気が北に運ばれ,冷たい空気が南に運ばれると、ジェット気流は弱くなり,うねり(wavier)やすくなる。こうした状況では,ほぼ定常的な気象パターンが確立され,一部の地域では長期にわたる熱波と干ばつが発生し,他の地域では大雨が発生する」とWMO気候サービス部門の専門家アルバロ・シルバ(Alvaro Silva)氏は述べた。
中国気象局の報告によると,中国新疆ウイグル自治区トルファン市の三宝測候所(Sanbao weather station)では7月16日に気温52.2℃を記録し,全国気温の新記録を樹立した。
North America
北米
米国国立気象局(the US National Weather Service)によると,米国の大部分も大規模な熱波に見舞われ,多くの場所で最高気温が記録され,いくつかの場所では最高気温記録を記録する可能性さえあるという。
米国国立気象局は度重なる過度の暑さに関する警告や勧告を発令し,その対象は多くの場合1億人以上だった。7月31日に発行された最新の更新では,影響を受けた地域の危険な暑さは8月5日まで続くと警告した。
米国中南部および南東部では,最大暑さ指数値(heat index values)が 110℉ (43 ℃) に近いかそれを超える可能性がある。マイアミ市を含むフロリダ州の多くの地域が,長期にわたる記録的な熱波に見舞われている。
アリゾナ州フェニックスでは,7月30日現在,日中の気温が110℉(43.3℃)を超える日が31日間記録された。米国立気象局によると,夜間の最低気温は繰り返し90℉(32.2℃)を超えた。
WMOの猛暑上級顧問(extreme heat senior advisor)ジョン・ネアン(John Nairn)氏は,「最低気温が健康と重要なインフラにとって最も重要であるため,最高気温以外にも焦点を広げる必要がある」と述べた。
カリフォルニア州デスバレー国立公園内のファーネス・クリーク(Furnace Creek)の温度センサーは,7月16日に128℉(53.3℃)を記録した。
WMO の極端気象気候アーカイブ(Archive of Weather and Climate Extremes)によると,これまでに記録された最高気温は、1913年7月10 日にカリフォルニア州デスバレーのファーネス・クリークで記録された 56.7℃ だった。
Wildfires
山火事
7月17日以来,山火事によりギリシャのロードス島,エヴィア島,コルフ島で数百人の住民と観光客が避難を余儀なくされた。コペルニクス大気監視サービスによると,これらの山火事の排出量は記録的なレベルに達しており,7月1日から7月25日までの二酸化炭素排出量は推定合計1メガトンで,数日間にわたる激しい火災の後、2007年7月の記録のほぼ2倍となった。
アルジェリアでは数十人の死傷者が出たと報告されている。
暑くて乾燥した状況により,カナダでは(春以来)激しい山火事シーズンの初期に拍車がかかっている。 この火災により,北米全土で12万人以上が自宅からの避難を余儀なくされ,数百万人に対する大気を汚染した。
カナダでは,記録的な山火事が大規模な森林地帯を焼き続けている。7月24日の時点で650件以上の山火事が制御不能だった。カナダ省庁間森林消防センター(the Canadian Interagency Forest Fire Centre)によると,2023年にはすでに 1,100 万ヘクタール以上が焼失したが,これに対し 10年間の平均は約80万ヘクタールだった。
5月と6月にカナダ全土で発生した激しい山火事によって記録的なレベルの排出ガスが発生し,カナダ国内とさらに遠方の地域の大気質に大きな影響を与えた。
CAMS データによると,6月最初の 3週間の国全体の火災放射電力 (FRP:fire radiative power) は 2003 ~ 2022 年の平均を大幅に上回り,同月の二酸化炭素排出量は 100メガトンを超えると推定されている。
年初から 5 月の第 1 週までの排出レベルは 2003年から 2022年の平均に近い水準を維持していたが,その後すぐに CAMS 記録の前年を大幅に上回る水準に上昇した。
火災は7月末になっても猛威を振るい続け,カナダの北極圏で多数の火災が発生した。
Marine Heatwaves
海洋熱波
地中海の海面水温(SST:Sea surface temperature)は,今後数日から数週間にわたって異常に高く,一部の地域では30℃を超え,地中海西部の大部分では平均より4℃以上高くなっている。
未確認の報告によると,フロリダ州マナティー湾(Manatee Bay)では,海面温度 101.1℉ (38.4℃) を記録した。これは,熱いお風呂よりも暖かい。
海洋熱波の影響には,種の移動や絶滅(extinctions),漁業や水産養殖に影響を及ぼす外来種の到来などが含まれる。
Heavy rains and floods
大雨と洪水
大雨と洪水は,世界のいくつかの地域で深刻な被害と人命の損失を引き起こした。
7月14日に韓国を豪雨と鉄砲水が襲い,40人が死亡したと報告された。
中国北西部の洪水では15人が死亡したと報告されており,習近平国家主席は異常気象から国民を守るためのさらなる努力を促している。
インド北部では,モンスーンの大雨と洪水で川が氾濫し,道路や橋が崩壊し,家屋が流され,数十人が死亡した。
山岳地帯のヒマーチャル・プラデーシュ(Himachal Pradesh)州は,パンジャーブ州,ラジャスタン州,ウッタル・プラデーシュ州の地域と同様に大きな被害を受けた。
ニューデリーでは,7月としては過去40年間で最も雨が降った日を記録し,1日に153mm(6 in)の雨が降ったと伝えられている。
日本の気象庁(JMA:the Japanese Meteorological Agency)は月曜日,日本で3番目に大きな島である九州の福岡県と大分県に大雨特別警報を発令した。7月10日には九州地方の耳納山で376.0mm,英彦山で361.5mmという一日雨量の新記録を記録した。
米国北東部では,7月初旬に深刻な洪水が発生した後,ニュー・イングランドの一部で飽和土壌にさらなる集中豪雨が発生した。 ニューヨーク州は鉄砲水非常事態(flash flood emergency)を発令し,7月11日には400万人以上が洪水警報下に置かれた。
「地球の温暖化に伴い,ますます激しく,より頻繁に,より深刻な降雨現象が発生し,より深刻な洪水が起こることが予想される」とWMOの水文・水・雪氷圏ディレクター(Director of hydrology, water and cryosphere),ステファン・ウーレンブルック(Stefan Uhlenbrook)氏は述べた。
(転載了)
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より 深刻な状況になることは間違いないような気がします。
悪化の進展度合いを鈍化させることが可能なのか?
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