英国に 9月の熱波は来たか?
‘The Guardian’,Sept.5, 2023付けで
“UK weather: heat health warning upgraded as heatwave forecast”
「英国の天気:熱中症の健康被害警告が熱波予報としてアップグレード」
の見出し記事がありました。
副題は-
“UK upgrades heat health warning from yellow to amber as hottest day of year predicted”
「英国,一年で最も暑い日が予想されるため,熱中症への健康被害警告を黄色からアンバー(黄褐色)にアップグレード」です。
下記,拙訳・転載します。
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今週,イングランド南部が本格的な熱波に見舞われるとして,英国の保健当局は暑さの激化(escalating)に対する警戒を強化したと予報官が確認した。
英国の大半の地域で気温が上昇しており,おそらく水曜と木曜が最高気温となり,南部と南東部の一部の地域では32℃が予想されると気象庁が発表した。
また,今週はこれまでの今年 最高気温である6月10日の32.2℃を超える可能性があり,イングランド南東部では1ヶ所か2ヶ所で33℃ に達する可能性が高いと予報官は述べた。
英国の医療・社会保障部門に警報を発する英国保健安全庁(the UK Health Security Agency:UKHSA)は,熱に弱い(vulnerable)人々のリスク増大を強調するアンバー熱健康警報(amber heat health alert)を発令した。
公衆衛生機関は当初,北東部を除くイングランド全土に「『黄色』熱中症健康警報」(yellow heat health alert)を発令していた。 しかし,火曜日(9月5日)の正午から日曜日の午後9時までに対し 「アンバー」に変更された。
米国の研究グループである「クライメート・セントラル」(Climate Central)の分析では,人為的な(human-caused)気候変動により,英国の大部分で熱波が発生する可能性が少なくとも5倍になっていることが判明した。
分析の結果,ロンドン,レスター,コベントリー,リーズ,シェフィールド,バーミンガムの6主要都市では,年間平均気温を10℃以上上回る気温が続くと予測されていることが判明した。
グランサム研究所(the Grantham Institute)の気候科学・上級講師フリーデリケ・オットー(Friederike Otto)氏は,「今週の英国の暑さは,石炭やその他の化石燃料の燃焼といった人間活動の結果である気候変動によってさらに暑くなっている。これは現在,世界中のあらゆる場所の,あらゆる熱波に当てはまる。温室効果ガスの純排出がなくなるまで,英国やその他の地域の熱波はさらに厳しくなり,より危険になり続けるだろう。」
気象庁(the Met Office)の首席気象学者(chief meteorologist) ニール・アームストロング(Neil Armstrong)氏は,「英国の南東に高気圧が位置しており,この時期の天候はより安定しており,気温は平均を大きく上回っている」と述べた。
「南部では最高気温が予想されているが,特にイングランドとウェールズの大部分で熱波が発生する可能性があり,スコットランドと北アイルランドの一部でも季節外れの(unseasonably)高温になる可能性がある。北大西洋の活発な熱帯低気圧の季節により,北大西洋全体のパターンが増幅され,ジェット気流が英国のかなり北に押し出され,非常に暖かい空気が北に引き寄せられるようになる。
これは,英国がジェット気流の北側にあり,空気が冷たくて天候が不安定な気象学の夏の典型とは著しく対照的だ。」
気象庁によると,日中の気温が高く,一部の地域では早ければ火曜日から本格的な熱波が発生する可能性があるほか,特に南部では夜間も不快な暖かさが続き,夜間の気温が20℃を超える状態に留まる「熱帯夜(tropical nights)」が発生する可能性がある。9月の夜の最低気温の史上最高値は21.7℃で,特に水曜と木曜の夜にはこの記録が脅かされる可能性がある。
暑さのピークはおそらく水曜と木曜だが,南部の多くの地域では週末にかけて気温と湿度が高い状態が続き,おそらく西部で雷を伴う(thundery)激しい豪雨(downpours)が降る可能性が高まっている。
気象庁の副首席気象学者スティーブン・キーツ(Steven Keates)氏は、「週末に向けて寒冷前線が北西部から影響を及ぼし始めるだろうが、南部では依然として非常に暖かいか暑い状態が続くだろう」と述べた。「金曜日以降,西部地域に雷雨の危険があり,警報対応が必要になる可能性があるが,これらの豪雨がどのような位置で発生する可能性があるかについての正確な詳細はまだ分かってない。」
UKHSA(英国保健安全庁)は,人口全体で「死亡率が増加(increased mortality)」する可能性が高く,特に65歳以上の人や健康状態に問題がある人の間でそうだと述べた。
また,医療環境(care settings)での気温が臨床リスク評価(clinical risk assessment)の推奨閾値(the recommended threshold)を超える可能性があるとも述べた。
(転載了)
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英国は 真夏の8月でも フランネルのブレザーを着ている人,時にはツィードのジャケットを着ている人がいるくらいで,かつて(「クールビズ」前),日本のサラリーマンの夏の服装を英国に倣うなど非常識だと思っていました。
英国で 30℃を超えることなど ほとんど考えられなかったのです。
下は ロンドンの 1週間の気温(最高,最低)予報です。
土曜日の 最高気温は 34℃ です。
しかし,来週の水曜日は 最高:21℃,最低:12℃ !
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