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2023年9月18日 (月)

今年の夏は 1880年以来,地球規模で最も暑かった-NASAが発表。

今年の夏の暑さと世界各地の洪水発生は異常でした。

NASA’ も,Sep. 15, 2023付け
NASA Announces Summer 2023 Hottest on Record
NASA2023年の夏は記録上最も暑かったと発表」
のタイトルで伝えています。

下記,拙訳・転載します。
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ニューヨークにあるNASAのゴダード宇宙研究所(GISSGoddard Institute of Space Studies)の科学者らによると,2023年の夏は1880年に世界での記録が始まって以来,地球上で最も暑かった。

6月,7月,8月を合計すると,NASAの記録にあるどの夏よりも0.41 (0.23) 暖かく,1951年から 1980年の平均的な夏よりも 2.1℉ (1.2) 暖かかった。8月だけでも平均より 2.2(1.2) 暖かかった。北半球では,6月から 8月が気象上の夏とみなされる。

この新記録は,異常な暑さが世界の多くの地域を襲い,カナダとハワイで致命的な山火事を悪化させ(exacerbating),南米,日本,ヨーロッパ,米国で灼熱の熱波が発生する一方,イタリア,ギリシャ,中央ヨーロッパでは豪雨が発生した。

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2023年夏の記録的な(record-setting)気温は単なる数字ではなく,現実世界に悲惨な(dire)結果をもたらしている。
アリゾナ州や全米各地でのうだるような(sweltering)気温から,カナダ全土の山火事,ヨーロッパやアジアでの極端な洪水まで,異常気象は世界中で命と暮らしを脅かしている」とNASA長官ビル・ネルソン(Bill Nelson)は述べた。「気候変動の影響は我々の地球と将来の世代に対する脅威であり,NASAとバイデン-ハリス政権が正面から取り組んでいる(tackling head on)脅威である。」

NASA は,数万の気象観測所(meteorological stations)によって取得された地表気温データと,船やブイに設置された計器からの海面温度データから,GISTEMPGoddard Institute for Space Studies Temperature)として知られる温度記録を収集している。この生データは,世界中の温度観測所のさまざまな間隔と,計算を歪める(skew)可能性がある都市の暖房効果を考慮した方法を使用して分析される。

分析では、絶対温度ではなく温度の異常(anomalies)が計算される。気温の異常(anomaly)は,気温が 1951年から 1980年の基本平均からどれだけ離れているかを示す。

南カリフォルニアにあるNASAジェット推進研究所の気候科学者で海洋学者(oceanographer)のジョシュ・ウィリス(Josh Willis)は,「エル・ニーニョ現象の再発が一因となって 海面温度が異常に高かったことが,この夏の記録的な暖かさの主な原因だった。」と述べた。

エル・ニーニョは,中部および東部の熱帯太平洋における海面水温が通常よりも高い(および海面が高い)ことを特徴とする自然気候現象である。

記録的な記録を更新した 2023年の夏は,長期的な温暖化傾向が続く。
NASA,米国海洋大気局(NOAANational Oceanic and Atmospheric Administration),その他の国際機関が数十年にわたって行った科学的観察と分析は,この温暖化が主に人為的な温室効果ガス排出によって引き起こされていると示している。同時に,太平洋での自然のエル・ニーニョ現象は地球の大気に余分な暖かさをもたらし,多くの場合,記録上の最も暖かい年と相関している。

「背景温暖化(background warming)と何十年も我々に忍び寄っている海洋熱波(marine heat waves)により,このエル・ニーニョは我々をあらゆる種類の記録を樹立するという困難を乗り越えさせた。」
ウィリスは言った。「我々が現在経験している熱波は,より長く,より暑く,より厳しいものになっている。 大気中にはより多くの水分が含まれるようになり,高温多湿になると,人体が体温を調節する(regulate)ことがさらに難しくなる。」

ウィリス氏と他の科学者らは,エル・ニーニョの最大の影響は20242月,3月,4月に見られると予想している。エル・ニーニョは,東からの貿易風の弱まり,西太平洋からアメリカ大陸の西海岸への温水の移動と関連している。この現象は広範囲に影響を与える可能性があり,多くの場合,米国南西部に涼しく多湿な状況をもたらし,インドネシアやオーストラリアなどの西太平洋諸国に干ばつをもたらす。

「残念ながら、気候変動が起きている(happening)。私たちが現実化すると言っていたことは現実になりつつある。」と気候科学者でGISS所長のギャビン・シュミット氏は語った。「そして,二酸化炭素やその他の温室効果ガスを大気中に排出し続ければ、状況はさらに悪化するだろう。」

NASA の完全な温度データ・セット,温度計算とその不確かさに使用される完全な方法論(methodology)はオンラインで入手できる。

GISS は,NASA の研究所(the Earth Sciences Division)で,メリーランド州グリーンベルトにある NASA ゴダード宇宙飛行センターの地球科学部門によって管理されている。この研究室は,コロンビア大学地球研究所(Columbia University’s Earth Institute)およびニューヨークの工学応用科学部(School of Engineering and Applied Science)と提携している。

(転載了)
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来年(2024年),今年より もっと暑くなれば,間違いなく,取り返しがつかない段階にあると,断言できるでしょう。
ここで示している「夏」はあくまで 北半球の季節ですが,気温データは当然 南半球も含まれています。

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