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2023年9月27日 (水)

ロシアのウクライナ侵攻の翌日,「インサイダー」に掲載されたプーチンの侵攻理由

ロシアが ウクライナに突然 侵攻を始めて,このような無法が 現代の世界で起こるのかと驚いてから 既に 1年半以上経ちます。
この侵攻の理由,目的は何か? プーチンの真の狙いは何か?

比較的 まとまった記述として-
Business INSIDER’ に 侵攻の翌日,Feb. 25, 2022 に掲載された
Why is Russia attacking Ukraine? Here are 5 reasons Putin and others have given for the invasion
なぜロシアはウクライナを攻撃するのか? プーチンらが侵略について挙げた5つの理由は-
の見出し記事を読んでみました。

下記,拙訳・転載します。
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ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は木曜(224日)早朝,ウクライナへの大規模な侵攻を開始した。

プーチンはNATOの拡大を懸念しており,ウクライナが大量虐殺(genocide)を行っていると虚偽の発言をしている。

ジョー・バイデン大統領は木曜日,プーチンがソ連を復元(restore)しようとしていると信じると述べた。

ロシア軍は木曜早朝にウクライナを攻撃し,数週間にわたって懸念されていた大規模かつ根拠のない(unprovoked)侵略を開始した。

ロシア軍は複数の方向からウクライナに侵入し,部隊を首都キ-フに向け,空爆と砲撃(shelling)で攻撃した。 ウクライナ当局は,戦闘中に双方の数十人の兵士と一部のウクライナ民間人が死亡したと発表した。

ジョー・バイデン大統領と他の西側指導者は,ロシアのウラジーミル・プーチン大統領を批判し,同国の行動は国際法違反であると述べた。木曜日午後,バイデン氏は新たなより厳しい対ロシア制裁(harsher sanctions)を発表し,その制裁は「ロシアへの長期的な影響を最大化し,米国と同盟国への影響を最小限に抑えることを目的とした」と述べた。

ここでは,プーチンが述べたロシアがウクライナを侵略したいくつかの理由(その一部は虚偽に基づいている)と,プーチン大統領の動機について米国とNATOが述べたことを紹介する。

Concern over NATO's eastward expansion
NATOの東方拡大への懸念

プーチンは,北大西洋条約機構(the North Atlantic Treaty Organization)であるNATOの東ヨーロッパや旧ソ連諸国,特にウクライナへの拡大に懸念を表明している。

NATO 1949年に設立された政治・軍事同盟で,米国,カナダ,英国,フランス,ベルギー,その他多くのヨーロッパ諸国を含む 30の加盟国で構成されている。NATO加盟国は,基準を満たすヨーロッパ諸国であればどの国でも参加できる。同同盟は,ウクライナも加盟を目指している3ヶ国の中に含まれていると発表した。

プーチンは,1991年のソ連崩壊以来,NATOが東方に拡大していることを批判してきた。NATOは防衛同盟であり,ロシアへの脅威ではないと主張しているが,プーチンはロシア国境にある諸国を参加させることは挑発(provocation)であると述べた。
木曜日朝の演説でプーチンは,ウクライナ侵攻はNATO拡大に対する自衛行為だと述べた。

Putin baselessly claims Ukraine is committing genocide against ethnic Russians
プーチンは,ウクライナがロシア系住民に対して大量虐殺を行っていると根拠なく主張

プーチンはまた,ウクライナが大量虐殺を行っていると非難し,同政府をナチス政権(Nazi regime)と呼んだが,その主張には証拠がない。
今月初め,プーチンは,ウクライナ東部,特に2014年以来クレムリン支援の反政府勢力(Kremlin-backed rebels)がウクライナ軍と戦闘を続けているドンバス地域でロシア系住民に対する大量虐殺が行われていると主張した。

プーチンは月曜日,ドンバス諸島の2つの分離独立地域であるドネツクとルハンシクを独立国家として承認し,「平和維持」作戦へのロシア軍投入を命じたが,この動きは戦争の口実(pretext)と広くみなされていた。

侵略を発表した木曜日の演説で,プーチンは再び大量虐殺の主張を繰り返し,民主的に選出された指導者ヴォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領がユダヤ人である国のウクライナの「非ナチス化(denazification)」を求めていると述べた。

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Putin falsely says Ukraine isn't a real country
プーチンは,ウクライナは本物の国ではないと虚偽発言

月曜の長い演説でプーチンは,ウクライナは本物の国(real country)ではないと主張し,「ウクライナはこれまでに独自の真正な国家(authentic statehood)を持ったことがない。ウクライナに持続可能な国家が存在したことはない」と語った。
プーチンは,ソ連以前のウクライナの文化と歴史の圧倒的な証拠にもかかわらず,ウクライナは初代指導者ウラジーミル・レーニンの下,ソ連によって創設され,ウクライナはロシアの一部であると主張した。
「我々にとってウクライナは単なる隣国ではないことをもう一度強調したい。ウクライナは我々自身の歴史,文化,精神的空間(spiritual space)の不可欠な部分だ」と述べた。

プーチンはまた,実際には1991年の国民投票(referendum)でウクライナ国民が圧倒的多数で独立に投票したのに,ロシアがウクライナに離脱の権利を与えたと誤って述べたとワシントン・ポスト紙が報じた。 国民投票では有権者(eligible voters)の 84が投票に行き,90以上が独立に賛成票を投じた。

Dubious concerns over nuclear weapons
核兵器に対する疑わしい懸念

ソ連崩壊後,ウクライナは米国,英国,ロシアによる安全の保証と引き換えに自国領土内の核兵器を自発的に放棄した。
しかし,プーチンは,ウクライナが核兵器を入手する知識と願望を持っており,それがモスクワにとって脅威となっているとの懸念を表明した。 ウクライナが核兵器を取得(acquire)しようとしているという証拠はないが,ニューヨーク・タイムズ紙は,プーチンがその脅威を語り,それを侵略の正当化(justify an invasion)に利用するために陰謀論(conspiracy theories)を吐き出した(spewed)と報じた。

プーチンは火曜日,「ウクライナが大量破壊兵器を取得すれば,世界と欧州の状況は,特に我々にとって,ロシアにとって,劇的に変化するだろう。」と述べた。「我々はこの現実の危険に反応せざるを得ない。繰り返すが,ウクライナの後援者である西側諸国が,ウクライナに新たな脅威をもたらすためにこれらの兵器の入手を支援する可能性があるため,なおさらである。」

米国当局者とNATOはウクライナに核兵器を装備する計画はないと繰り返し述べてきた。

Putin may want to build back a Russian empire
プーチンはロシア帝国の再建を望んでいるのかもしれない

ロシアがウクライナに侵攻していると一部で言われているもう一つの理由は,プーチンが公言したことはないが,帝国を再建し,冷戦時代にロシア,つまりソ連がヨーロッパとアジアに対して持っていた支配力を回復するためだ。

バイデンは木曜,プーチンのウクライナ侵攻に関するコメントの中で述べた:「彼はウクライナよりもはるかに大きな野心を持っている。実際,彼は旧ソ連を再建したいと考えている。それが今回のこれだ。」
「彼の野心は,世界の他の国々が到達した場所とは完全に相反するものだと思う。」と彼は付け加えた。

米国の国連大使も今週初めに同様のコメントを出し,プーチンはソ連以前のロシア帝国の時代に戻りたがっていると述べた。

「これにはウクライナ全土が含まれる。フィンランドも含まれる。ベラルーシ,ジョージア,モルドバも含まれる。カザフスタン,キルギスタン,タジキスタンも含まれる。トルクメニスタン,ウズベキスタン,リトアニアも含まれる。ラトビアとエストニアも含まれる。ポーランドとトルコの一部も含まれる」とリンダ・トーマス=グリーンフィールド(Linda Thomas-Greenfield)大使は国連安全保障理事会の会合で述べた。
「本質的にプーチンは,世界が国連以前の時代,帝国が世界を支配していた時代にタイム・スリップすることを望んでいる。しかし,世界の残りの部分は前進している。今は1919年ではなく,2022年だ。」 彼女は付け加えた。

(転載了)
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よくまとまった記事です。

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