英国の今年の暑さに BBC が対処法を－

‘BBC NEWS’，Sept.5，2023付けに
“Heatwave: How to keep your home cool”
「熱波：家を涼しく保つ方法」
の見出し記事がありました。

今夏の英国としては異常な暑さに対する特別記事でしょう。
以下，拙訳・転載します。
*******************

英国が気温上昇に直面している中，家を涼しく保つために何ができるだろうか?：

１．冷たい空気を入れて空気の流れを促進する

家の反対側の窓を開けて空気の流れを促進し，閉じ込められた暖かい空気を放出し，冷たい空気を取り込む。

これは，屋外の気温が屋内よりも低いときに行うことが重要で，夜間または早朝の数時間になる傾向がある。
片側にしか窓がないアパートの場合は，ドアを開け，扇風機を使用して空気の流れを促す。防火対策のため，廊下につながる開いたドアに支柱をしないこと。

家の中で熱気が上昇すると，熱気が滞留することがよくある。ロフトに通気口や窓がある場合は，それらを開けて熱の一部を逃がすことをお勧めする。そうしないと，就寝中の 2 階に熱気がこもってしまう可能性がある。ロフトのハッチを開けると，空気が上昇して寝室から遠ざけることができる。

「投資ができれば，家に追加の断熱材を設置すると，夏は熱を遮断できるだけでなく，冬は光熱費を削減できる」と，エネルギー・セービング・トラスト（the Energy Saving Trust）のジョアンナ・オローン氏は言う。

２．日中の暖かい空気を遮断する。

日中の暑いときは，窓を閉め，ブラインドやカーテンを閉めたままにしておくのが最善である－特に太陽の光が当たる家の側で。

地中海に建つ家は通常，熱を遮断するように建てられている。 土瓦（clay roof tiles）から白壁へ。
また，特に家の東側と西側では，人々ができるだけ直射日光を避けようとするため，窓が小さいのも珍しいことではない。

３．扇風機を使って風を起こす

扇風機は「比較的安価でエネルギー効率が高く，空気を動かし続ける方法」であり，涼しさを保つのに役立つとオローンさんは言う。

‘Energy Saving Trust’ によると，自立型ファンを使用すると，24時間連続使用すると約20ペンスから 40 ペンスの費用で済む。
外が涼しい場合，開いた窓の前に扇風機を置くと，外からの新鮮な空気が部屋中に吹き込まれるようになる。

ファンの前に角氷を置いて，自分の方向に吹き付けられる空気を冷やすこともできる。また，複数のファンを使用して横流を発生させることもできる。

人体の専門家であるマイク・ティプトン教授は，体を涼しく保つ最善の方法を見つけるには，体の仕組みを理解することが重要であると述べている。
「顔をあおぐと熱的快適性が最も向上するが，体全体をあおぐとさらに体温を下げることができる」と彼は言う。しかし，気温が 35℃度を超えるときに扇風機を使用すると，最終的にはヘアドライヤーのような熱風を体に当てていることになり，実際に体内の熱増加が増加する可能性があると同氏は警告している。

エアコンは贅沢品ではなく誰もが買えるが，大量のエネルギーを消費する。2021年の政府報告書によると，米国の世帯では90%近くが備えているのに対し，英国の住宅では5%未満しか備えていない。

4. 熱が発生する活動の制限

オーブンや調理器は，使用中および使用後に大量の熱を家庭内に放出する。特に一日の中で最も暑い時間帯に，サンドイッチやサラダなどの冷たい食べ物を食べるようにすると，不必要な熱の発生を防ぎ，光熱費を節約できる。

洗濯機や食器洗い機などの他の家電製品も熱を発生する可能性があるため，最も暑いときは使用しないようにすること。家電製品のプラグを壁に差し込んでいるだけでも熱が発生する可能性があるため，使用していない場合は必ずコンセントの電源を切ること。

5. 自身のクールダウン

ぬるめの（tepid）シャワーは体温を下げるのに役立ち，お金とエネルギーの両方を節約する。しかし，ティプトン教授は，冷やしすぎないよう警告する：「秘訣は，皮膚への血流を最大限に維持しながら，皮膚をできるだけ冷やすことだ。
「寒すぎると，体は皮膚への血液を遮断し，体内の熱を閉じ込めて外に出すのが難しくなる。」
アイス・パックや冷水筒を体の上に置くと，すぐに安心感を得ることができる。

着るものは体温に大きく影響する。綿の天然繊維は体温の調節に役立ち，ゆったりとした服を着ると風が入って涼しくなる。部屋に熱気が充満しているときに，綿のベッド・シーツで寝ると眠りやすくなるのもこれが理由である。

6. 代替スペースを見つける

図書館，レジャー・センター，ショッピング・センターなどの公共の建物にはエアコンが設置されており，家が暑すぎる場合にも安心を提供する。
地方自治体が一般の人が立ち入ることができるスペースを特定しているかどうかを確認できる。
ロンドンでは、市長室が「クール・スペース」のマップを作成した。

（転載了）
********************

英国（ヨーロッパ）の家屋は 寒さ対策を主に考えて建てられているでしょうから 熱波に対しては 日本以上に厳しい状況と思われます。
さて エアコンの普及率が5%から 伸びるでしょうか？

因みに ヨーロッパを除く世界のエアコン普及率（2016年）は下図です。
北海道は 10年前は20%に届きませんでしたが 現在は 40%だそうです。