ウクライナに侵攻したロシアを支持する国とその理由は?
現在 理解できないのは 世界に ロシアを支持する国が存在することです。
どのような 理由付けで支持するのか 聞いてみたいものです。
やや前の記事ですが-
英国 ‘Daily Mail’ の ‘Mail Online’ のサイト,8 May 2023付けに-
“Which nations are siding with Putin? Graphic shows which countries backed Russia a year ago despite the war in Ukraine… and whose opinions have changed”
「プーチン大統領の側に立っているのはどの国か? 1年前,ウクライナ戦争にもかかわらずロシアを支持した国とその意見を変えた国を示す図」
と題する記事がありました。
下記,拙訳・転載します。
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・報告書によると,ロシアのウクライナ侵略を非難する国の数は昨年の131ヶ国から122ヶ国に減少した
・これは,多くの国が経済関係の維持を求めるロシアに対して同情的になっていることを示している。
14ヶ月以上前,ウラジーミル・プーチン大統領の衝撃的なウクライナ侵攻は国際社会の恐怖と怒りを引き起こし,多くの指導者がモスクワの行動を非難する(condemn)ために列をなした。
NATO,EU,その他の西側同盟諸国は,ロシアに制裁を課す一方で,ウクライナに膨大な数の武器や軍需品を提供している。
ウクライナがロシアに対して抵抗するだけでなく軍隊を押し返す能力を示すにつれ,多くの国からの支持は高まっているが,他の多くの国は依然として数千人の命を奪った軍事行動を非難することを拒否している。自国の歴史やロシアとの貿易関係を維持しながら公の場では中立を保つと決めた国もあれば,ウクライナと西側がモスクワの侵略に責任があるというクレムリンの嘘をオウム返しにする国もある。
ウクライナの西側同盟国は,ロシアの侵略は違法で帝国主義的な土地強奪に他ならないと世界舞台でこれに反論しているにもかかわらず,世界舞台でロシアを積極的に非難する国の数は昨年減少した。
2023年:EIUの報告書によると,どの国がロシアを非難しているか,西側に傾いているか,中立か,プーチン大統領のウクライナ侵攻の条件下でロシア寄りかロシアを支持しているかを示す地図
2022年:昨年,モスクワによるウクライナ侵攻の初期段階で,プーチンを支持していた国,中立か無宣言だった国,あるいはプーチンに反対していた国を示す地図
EIU(the Economist Intelligence Unit)の2023年3月の報告書によると,ロシアを非難する国の数は前年の131ヶ国から122ヶ国に減少した。それは,発展途上国でロシアへの支持が広がっていることを示しており,南アフリカ,ウガンダ,ボツワナなどの国々は,わずか1年前には中立だったが,現在ではロシアに傾いている。
一方,報告書によれば,イラン,マリ,ブルキナ・ファソ(Burkina Faso)など他の国々は,ロシア志向からプーチン大統領の行動を全面的に支持する姿勢を示しているという。例えば,イランはモスクワ軍に武器を提供している。
西側諸国の指導者らは,インドやブラジルなど,西側同盟以外の世界最大国の一部に対し,ロシアに対して厳しい姿勢を取るよう求めてきたが,無駄だった。代わりに,彼らは中立を保つことを選択する。これは,国際刑事裁判所(the International Criminal Court)がプーチン大統領を戦争犯罪で告発し,昨年,国連が圧倒的多数でロシアを非難する決議を行ったにもかかわらずである。
同時に,ロシアは東半球最大の実力国(kingmaker)である中国との関係強化に努めており,3月にはクレムリンへのプロパガンダ作戦(propaganda coup)として 習近平国家主席がモスクワを訪問している。
ここで,‘MailOnline’ はロシアと公に連携している国々と,これまでロシアの野蛮な行為を非難していない国々を取り上げる。
Putin's backers / プーチン大統領の支持国
Belarus / ベラルーシ
ベラルーシとロシアの隣国同士は,単なる陸の国境以上のものを共有している。
旧ソ連諸国は経済的・政治的に重要な関係があり,2021年のベラルーシの対外貿易の 48%をロシアが占めている。
両国はまた,同様の考えを持った有力者が実権(helm)を握っており,アレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)はプーチン大統領の戦争を挑発する相棒(war-mongering sidekick)としての役割を楽しんでいる。
2020年5月から2021年3月にかけての抗議活動でプーチン大統領が権力の座から追放されそうになった際,当時窮地に陥っていた(then-beleaguered)ベラルーシ指導者をプーチン大統領が支持して以来、同氏に忠誠を誓っている。ルカシェンコ大統領はそれ以来,ロシア軍が侵攻に先立って自国の領土内で戦争ゲームに参加することや,ウクライナ国境に兵力を集結させながら共同軍事演習に参加することを許可した。
その後,自国をロシア軍が北からウクライナに侵攻するための発射台(launchpad)として利用することを許可した。 ベラルーシからなだれ込んだ軍隊はキーフに到着し,首都周辺の地域を1カ月以上占領した。
ベラルーシが紛争そのものに関与し,苦戦するプーチン大統領勢力を支援するためにウクライナに軍隊を派遣するのではないかとの懸念が高まっている。ルカシェンコはウクライナに対し,万が一ウクライナが攻撃した場合,それは挑発行為とみなされ,「我々も対応する」と繰り返し警告してきた。
つい最近では,今年3月にベラルーシは,長年にわたる西側の圧力の結果であるとして,自国の領土内にロシアの戦術核兵器を配備すると発表した。
Syria / シリア
バシャール・アル・アサド(Bashar al-Assad)はプーチン大統領の致命的な侵略を称賛する一方,この作戦に対する西側の「ヒステリー」を非難した。
自身も化学兵器使用による戦争犯罪で告発されているシリアの指導者は,ウクライナでの出来事は「歴史の修正と,ソ連崩壊後に世界で失われたバランスの回復」であると述べた。
さらに,「シリアは自国の立場が正しいという信念に基づき,またNATOの拡張主義に立ち向かうのはロシアの権利であるため,ロシア連邦を支持する」と付け加えた。
ロシアとシリアは,以前はシリアの独立を支持していたソ連と強い関係を築いてきた。
プーチン大統領が政府軍を支援してシリア内戦に参戦したことで,両首脳の同盟は強化された。戦争への参加の決定は,連邦崩壊以来,旧ソ連国外でのロシア初の軍事行動となった。
それはアサド政権を救い,戦争の流れをアサドに有利に変え,シリア指導者がシリアの大部分に対する支配を残酷に再主張することを可能にした。
ロシアの空爆はしばしば病院,学校,市場を無差別に襲う。
戦争で荒廃したこの国は,ロシアの兵器と戦術の実験場となり,それが現在ウクライナでも実践できるようになっている。シリア国内では,ロシアがソフト・パワー キャンペーンを追加した。
一部の地域では,ロシア文化を広めるために祭りが開催され,シリアのテレビでロシアの国歌が流れ,利己的なプロパガンダが大量に流れ、民間人に温かい食事が提供された。
アサド大統領はプーチン大統領の介入に多大な恩義があり,プーチン大統領は今,ロシアに恩返しをしている。 シリアは定期的に,ベラルーシ,北朝鮮,ニカラグアを含むプーチン大統領の他の同盟国に加わり、国連でのロシア非難動議に反対票を投じている。
アサド大統領はロシアの戦争努力に数百人のシリア軍を提供したと理解されており,これがウクライナで戦っているプーチン軍にとって大きな恩恵(boon)となるのではないかと観測筋は懸念していたが,アサド大統領の介入による成果はほとんどなかった。
Iran / イラン
米国によると,2022年半ば以降,イランはロシアの最大の軍事支援者(military backer)となっている。
ウクライナ戦争でロシアを支援するというイラン政府の決定は,両国間の戦略的同盟(strategic alliance)の成長に反映されている。
イランは,自爆用ドローン・シャヘド(Shahed)136や偵察・攻撃用ドローン・モハジャー(Mohajer )6を含む数百機のドローンを供給しており,これらは約6ヶ月間,ウクライナの民間人に大損害(havoc)をもたらす(wreak)ために使用されてきた。
ドローンによる建物攻撃で数人が死亡した。
11月にはイランがロシアに向けて大砲や戦車を輸送した。 ウォール・ストリート・ジャーナルによると,イランは2022年10月から2023年4月までにカスピ海経由で砲弾30万発と弾薬100万発を輸送した。
米国家安全保障会議のジョン・カービー(John Kirby)は,「ロシアは大量の武器供給と引き換えに,ミサイル,電子機器,防空分野を含む前例のない防衛協力をイランに提供してきた。」と述べた。
報道によると,イラン政府はロシア製戦闘機の購入も検討しており,イラン人パイロットは2022年春に戦闘機を操縦するための訓練を開始しているという。
North Korea / 北朝鮮
北朝鮮は戦争の初期段階でロシア側について ロシアのウクライナ侵攻を支持し,米国と西側諸国の「覇権政策(hegemonic policy)」と「横暴(high-handedness)」を非難した。ロシアの攻撃に関する最初の公式声明 ― 侵略からわずか数日後 ― 外務省は,西側諸国は「権力乱用(abuse of power)」の罪を犯していると述べた。
北朝鮮国営のKCNA通信は,匿名の外務省広報担当者の話として,「ウクライナ危機の根本原因は完全に,他国に対する横暴と権力乱用を強行する米国と西側諸国の覇権政策にある」と述べた。
北朝鮮は,法的裏付けのある安全保障を保証するための「ロシアの合理的かつ正当な要求を無視している」として米国とその同盟国を非難した。
KCNAは,「彼らは 露骨な(blatantly)攻撃兵器システムの配備(deploying)を含め、北大西洋条約機構(the North Atlantic Treaty Organisation)の東方への拡大を追求することで,組織的に欧州の安全保障環境を破壊している(undercut)。」と述べた。
「主権国家(sovereign country)の平和と安全を脅かす米国の,一方的(unilateral)かつ二重の政策が存在する限り,世界に平和は決して存在しないことを現実が改めて証明している。」 長さ11マイルの国境を共有するソ連時代の同盟国は,どちらも反西側感情と反NATO感情によって動機づけられており,核能力を持っている。
9月にプーチン大統領がドネツク,ヘルソン,ルハンシク,ザポリージャのウクライナ4地域の併合(annexation)を命令したとき,北朝鮮はこの動きを承認した数少ない国の一つだった。
また,ロシアの弾薬(ammunition)や武器の供給が減少する(dwindling)中,北朝鮮がロシアに武器を供給しているとの報道もある。一方,北朝鮮は米国と他の西側諸国が主力戦車をウクライナに送ったことを非難した。
Venezuela / ヴェネズエラ
クレムリンによると,ベネズエラの指導者ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)は戦争初期にプーチン大統領に「強力な支援(strong support)」を申し出た。マドゥロ大統領が「ロシアを軍事的かつ戦略的に包囲しようとする邪悪な(perverse)計画」を非難した後,権威主義的な二人(the authoritarian pair)は電話会談で,西側の拡張主義に関するクレムリンの発言をオウム返し(parroting)にして,戦略的パートナーシップの強化について話し合った。
ベネズエラ外務省も,プーチン大統領が侵攻を開始した後にロシアが行った暴力に対して米国を非難した。(管理者 *?)
彼らは声明で「ベネズエラ・ボリバル共和国(The Bolivarian Republic of Venezuela)は,ウクライナ危機の悪化に懸念を表明し,米国の奨励を受けたNATO側の無駄な努力(mockery)とミンスク合意違反を遺憾に思う(laments)。」と述べた。これらの協定の破綻(derailment)は国際法に違反し,ロシア連邦,その領土一体性(territorial integrity)と主権に対する強い脅威を生み出し,近隣諸国間の良好な関係を妨げた(impeded)。」
ベネズエラは反米左翼国家(anti-US left-wing state)として,ロシアにとってラテン・アメリカにおける最も重要な貿易同盟国である。ソビエト連邦時代に両国間に関係が確立され,同盟国から数十億ポンド相当の武器を購入したウゴ・チャベス(Hugo Chavez)政権下で関係が続いた。
現在のベネズエラ大統領危機において,プーチン大統領はマドゥロへの支持を誓約し,他の人が不正(fraudulent)とみなした選挙における彼の勝利を認めた。
両国は共同軍事演習を実施しており,西側諸国に対する対立を共有しているが,マドゥロ大統領の不法(illegitimate)政府に対して課せられた制裁(sanctions)によってさらに悪化している。
Cuba / キューバ
ベネズエラと同様,キューバはロシアに忠誠(allegiance)を誓い,戦争勃発時の責任を米国と西側に押し付けた。
同国は,米国が「ロシア連邦国境に向けたNATOの漸進的拡大」を押し付けていることを批判し,紛争の外交的解決(diplomatic solution)を求めたが,ロシアの立場からすれば,それはウクライナが領土を放棄することを意味する。
キューバとロシアは,ソ連時代に ニキータ・フルシチョフ(Nikita Khrushchev)によって弾道ミサイルが設置され,キューバ危機(the Cuban Missile Crisis)を引き起こして以来,緊密な関係にある。
フィデル・カストロ(Fidel Castro)率いる1959年のキューバ革命後,マルクス・レーニン主義の新政権はソ連との緊密な同盟を模索した。その結果として生じた米国からの制裁と禁輸措置(embargoes)により,キューバはさらにソ連圏に移行し,超大国の崩壊後も両国は強い関係を維持した。
キューバも2014年の併合時にクリミアをロシアの一部として承認した。:::
Myanmar / ミャンマー
ミャンマー軍事政権もプーチン大統領と彼のウクライナにおける領土的野望への支持を表明している。
軍事政権評議会(the junta's council)の報道官,ゾー・ミン・トゥン(Zaw Min Tun)将軍は,「第一に,ロシアが主権の強化(consolidate)に努めてきたことだ。これは 行うに正しいことだと思う。 2番目は,ロシアが世界強国であることを世界に示すことだ。」と述べた。
一方,亡命政府(the government in exile)はウクライナを支持し,ツイッターの声明でロシアの行動を非難した。
軍事政権(junta)からの支援は,ロシアと中国の軍事支援の結果として実現した。報道によると,二大国はミャンマーの軍事政権(military junta)に戦闘機を提供し,民間人虐殺(slaughter)に使用されているという。
国連の報告書によると,ロシアはドローン,2種類の戦闘機,2種類の装甲車両(armoured vehicles,うち1つは防空システムを搭載)を提供したという。
政府打倒後,西側諸国が将軍を孤立させようとする中,ロシアは将軍にとって最も近い国際同盟国となっている。
Sitting on the fence / 中立国
(原文にある各国ごとの解説を省略し,国名のみ示す。)
China / 中国
India / インド
South Africa and other African nations / 南アフリカ,他アフリカ諸国
Brazil / ブラジル
Turkey, Colombia & Qatar / トルコ,コロンビア,カタール
(転載了)
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よく 覚えておきましょう。
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