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2023年12月26日 (火)

2023年は 世界的に異常な気候の年だった。

WORLD METEOROLOGICAL ORGANIZATION’(WMO:世界気象機関)が 今年10月までの気象等の記録に基づき,30 November 2023 付けで “2023 shatters climate records, with major impacts” (2023年は気候記録を破り,大きな影響を与えた)の見出しの発表をしています。

下記,拙訳・転載します。
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ジュネーブ/ドバイ (WMO) - 世界気象機関 (WMO) によると,2023年は異常気象(extreme weather)を伴って,気候記録を破り,荒廃(devastation)と絶望(despair)の痕跡を残した。

Key messages/要点

2023 set to be warmest year on record
   2023年は記録上最も暖かい年となる見通し

Greenhouse gas levels continue to increase
   温室効果ガスは増加し続ける

Record sea surface temperatures and sea level rise
   海面水温と海面上昇を記録

Record low Antarctic sea ice
   南極の海氷が記録的に少ない

Extreme weather causes death and devastation
   異常気象は死と惨状を引き起こす

WMOの暫定的な「地球気候情勢(State of the Global Climate)」報告書は,2023年が記録上最も暖かい年となることを裏付けている。 10月末までのデータによると,今年は産業革命以前の18501900年の基準線を約1.40℃ (許容誤差:±0.12℃)上回っていた。 以前,最も暖かい年としてランク付けされていた 2023年と 2016年および 2020年との差は非常に大きく,最後の 2ヶ月がランキングに影響を与える可能性は非常に低い。

2015年から 2023年までの過去9年間は,観測史上最も暖かかった。 温暖化するエルニーニョ現象は,2023年の北半球の春に発生し,夏の間に急速に発達したが,エルニーニョは通常,ピークに達した後に地球の気温に最大の影響を与えるため,2024年の暑さはさらに加速する可能性がある。

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「温室効果ガスのレベルは記録的に高い。 地球の気温は記録的な高さである。 海面上昇は記録的な高さとなっている。 南極の海氷は記録的な少なさとなっている。 それは壊れたレコードの耳をつんざくような(deafening)不協和音(cacophony)だ。」 と WMO事務総長のペテリ・ターラス(Petteri Taalas)教授は語った。
「これらは単なる統計ではない。 我々は氷河(glaciers)を守り,海面上昇を抑制する(rein)競争に負ける危険を冒している。20世紀の気候に戻ることはできないが,今世紀と今後数世紀にますます住みにくくなる(inhospitable)気候のリスクを制限するために今 行動しなければならない。」 と彼は述べた。
「異常気象は日常的に生命と暮らしを破壊しており,早期警報サービスによってすべての人が確実に守られるようにすることが緊急に必要であることを強調しておく。」 とターラス教授は述べた。

二酸化炭素レベルは産業革命以前よりも 50% 高く,大気中に熱が閉じ込められている。 CO2 の寿命が長いということは,今後何年にもわたって気温が上昇し続けることを意味する。

海洋温暖化と氷河と氷床の融解が続いているため,2013年から 2022年までの海面上昇率は,衛星記録の最初の 10年間 (19932002) 2倍以上である。
今年の南極海氷の最大面積は観測史上最低で,南半球の冬の終わりに記録された過去最低よりも100万㎢(フランスとドイツを合わせた面積よりも大きい)も減少した。 北米とヨーロッパの氷河は再び極端な融解期に見舞われた。 WMOの報告書によると,スイスの氷河は過去2年間で残存量の約10%を失った。

この報告書は,気候変動の世界的な影響を示している。 これは,食糧安全保障や人口移動などの社会経済的影響のスナップショットを提供する。「今年,我々は世界中の地域社会が火災,洪水,灼熱の(searing)気温に見舞われた。 記録的な世界的暑さは世界の指導者たちの背筋を震わせただろう。」 と国連事務総長アントニオ・グテーレス(António Guterres)は述べた。

WMOの気候報告書に添えられたビデオ・メッセージの中で,グテーレス氏は各国首脳に対し,国連気候変動交渉(the UN Climate Change negotiationsCOP28で緊急行動を約束するよう促した。 まだ希望はある,と彼は言った。
「我々は地球の気温上昇を1.5℃に抑え,最悪の気候混乱を回避するロードマップを持っている。しかし,COP281.5℃の制限を維持する競争に向けてスタートの号砲を鳴らすリーダーたちが必要だ。次期気候変動対策計画への明確な期待を設定し,それを可能にするためのパートナーシップと資金提供にコミットすることによってだ; 再生可能エネルギーを 3倍にし,エネルギー効率を 2倍にすることを約束する; そして,1.5度の限界に合わせた明確な時間枠を設けて,化石燃料を段階的に廃止することを約束する。」 と彼は述べた。

再生可能エネルギーの容量は,太陽光発電と風力発電によって牽引され,2022年に 10% 近く増加した。

WMO の暫定的な「地球気候情勢」報告書は,ドバイで開催される COP28 での交渉に情報を提供するために発行された。 これは,国立気象水文局(National Meteorological and Hydrological Services),地域気候センター,国連パートナー,主要な気候科学者からの意見を組み合わせたものである。 気温の数値は,6つの主要な国際データセットを統合したものである。
2023年の地球気候の最終報告書は,地域報告書とともに 2024年上半期に発行される予定だ。

Key messages/主要メセージ

Greenhouse Gases/温室効果ガス

二酸化炭素,メタン,亜酸化窒素という 3つの主要な温室効果ガスの観測濃度は,世界の統合値が入手可能な最新の年である 2022年に記録的な高レベルに達した。 特定の場所からのリアルタイム・データは,3つの温室効果ガスのレベルが 2023年も増加し続けていることを示している。

Global Temperatures/世界の気温

2023年(10月まで)の世界の平均地表近く温度は,18501900年の平均より約1.40 (± 0.12) 高かった。 10月までのデータに基づくと,2023年が過去174年間の観測記録の中で最も暖かい年となることはほぼ確実で,これまでの最も暖かかった年である2016年は18501900年の平均を1.29±0.12上回り,2020年は1.27 (±0.13) 上回った。

海洋では4月から10月まで,そして陸地では少し遅れて7月から10月まで,月間記録的な地球気温が観測されている。

2023年の 6月,7月,8月,9月,10月は それぞれ,WMO が気候報告書に使用したすべてのデータセットにおいて,それぞれの月の以前の記録を大幅に上回った。通常,世界中で 1年で最も暖かい月は 7月であり,20237月は記録上,最も暖かい月となった。

Sea surface temperatures/海面温度 

北半球の晩春から,世界の平均海面水温(SSTsea-surface temperatures)は,この時期としては観測史上最高値を記録した。 4月から 9 (データがある最新の月) はすべて記録的な暖かい最高値に達し,7月,8月,9月の記録はそれぞれ大幅に破られた ( 0.210.27℃)。 北大西洋東部,メキシコ湾とカリブ海,南極海の広範囲で異常な暖かさが記録され,海洋熱波(marine heatwaves)が広範囲に及んだ。

Ocean heat content/海洋熱量

海洋熱含有量は 2022年に最高レベルに達した。これは,65年間の観測記録の中で入手可能な最新の通年データである。

温暖化は今後も続くと予想されており,これは 100年から 1000年(centennial to millennial)単位の時間スケールでは不可逆的な(irreversible)変化である。すべてのデータセットは,海洋温暖化率が過去 20年間で特に強い増加を示していることに合致している。

Sea level rise/海面上昇

2023年,地球の平均海面は,継続的な海洋温暖化と氷河と氷床の融解を反映して,衛星記録 (1993年以降) で過去最高に達した。 過去 10年間(20132022)の世界の平均海面上昇率は,衛星記録の最初の 10年間(19932002)の海面上昇率の 2倍以上である。

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Cryosphere/寒冷圏

南極の海氷の面積は,2月に衛星時代(1979年から現在まで)としては絶対的な記録最小値に達した。 氷の面積は6月以降,年間で最小となった。 9月の年間最大値は1,696万㎢で,1991年から2020年の平均より約150万㎢下回り,1986年以降の過去最低の最大値よりも100万㎢ 下回った。

北極の海氷面積は平年を大幅に下回ったままで,年間最大海氷面積と最小海氷面積はそれぞれ記録上5番目と6番目に低かった。

北米西部とヨーロッパ・アルプスの氷河は極端な融解期を経験した。スイスでは,過去2年間で氷河が残存量の約10%を失った。

Extreme weather and climate events/異常気象と気象現象

異常気象と気候変動は,人の住むすべての大陸に大きな影響を与えた。 これらには,大規模な洪水,熱帯低気圧,猛暑と干ばつ,それに伴う山火事などが含まれる。

地中海のサイクロン 「ダニエル」 による極端な降雨に伴う洪水は,ギリシャ,ブルガリア,トゥルキエ,リビアに影響を及ぼし,特に9月にはリビアで多くの人命が失われた。

2月から 3月にかけて発生した熱帯低気圧フレディ(Freddy)は,世界で最長期間の熱帯低気圧の 1つで,マダガスカル,モザンビーク,マラウイに大きな影響を与えた。 5月の熱帯低気圧モカ(Mocha)は,ベンガル湾でこれまでに観測された中で最も強烈なサイクロンの 1つだった。

猛暑は世界の多くの地域に影響を与えた。 最も顕著なもののいくつかは南ヨーロッパと北アフリカで発生し,特に7月後半に厳しく,例外的に持続する暑さが発生した。 イタリアの気温は48.2℃に達し,チュニス(チュニジア)49.0℃,アガディール(モロッコ)50.4℃,アルジェ(アルジェリア)49.2℃で記録的な最高気温が報告された。

カナダの山火事シーズンは,これまでの記録をはるかに超えていた。 1015日時点で全国的に焼失した総面積は1,850haで、10年間(20132022)の平均の6倍以上となった。 この火災はまた,特にカナダ東部と米国北東部の人口密集地域で深刻な煙汚染を引き起こした。 今年の単一の山火事で最も死者数が多いのはハワイで,少なくとも99人の死亡が報告されており,米国の過去100年以上で最も死者数が多い山火事となった。

アフリカ大角地域(the Greater Horn of Africa)では5シーズン連続の干ばつに続いて洪水が発生し,さらに多くの避難民が発生する原因となった。 干ばつは土壌の水を吸収する能力を低下させ,4月と5月に 強い雨が降ると洪水の危険が増大した。

中米と南米の多くの地域で長期の干ばつが激化した。 アルゼンチン北部とウルグアイでは,1月から8月の降雨量が平均を2050%下回り,作物の損失と貯水レベルの低下につながった。

Socio-economic impacts/社会経済的影響

天候と気候の危機により,食糧安全保障,人口移動,脆弱な人々への影響といった課題が悪化した。 これらは新たな長期にわたる二次避難を引き起こし続け,紛争と暴力の複雑な複数の原因が重なった状況によってすでに故郷を追われていた多くの人々の脆弱性を増大させた。

災害の影響を軽減するために不可欠な要素の 1つは,効果的な複数の危険を早期に警告するシステムを備えることである。 国際的な「すべての人のための早期警報(Early Warnings for All)」取り組みは,2027 年末までに早期警報システムによってすべての人が確実に守られるようにすることを目指している。「仙台防災枠組(the Sendai Framework for Disaster Risk Reduction)」の採択以来,地域の防災戦略の開発と実施が増加している。

(転載了)
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2024年は更に異常になるという説があり,もはや異常とは言えない時代に突入しているかも知れず,覚悟が必要なようです。
地球が人間の活動に悲鳴をあげている,あるいは警告しているのでは?

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