ルイ・ヴィトンの鞄を切って財布を作ると 「商標権侵害」になる。
中央日報・日本語版,2023/11/13付けで次の記事がありました。
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「ルイ・ヴィトンのカバンを切って財布を作ったら…『1500万ウォン賠償を』=韓国」
ブランド品の「リメイク」は商標権の侵害にあたるという裁判所の判決が下された。
13日,韓国法曹界によると,ソウル中央地裁民事合議63部(部長パク・チャンソク)はルイ・ヴィトンがリメイク業者Aさんに対して起こした商標権侵害禁止など訴訟で,ルイ・ヴィトンに対して損害賠償金1500万ウォン(約171万円)を支払うよう命じる判決を下した。ルイ・ヴィトンの商標がプリントされたカバンの生地を使ってリメイク製品を製造してはいけないということだ。
Aさんは2017~2021年,客から預かったルイ・ヴィトンのカバンの生地を利用して大きさや形,用途が違うカバンと財布を製作した。リメイク製品1個あたり10万~70万ウォンの製作費を受け取った。
ルイ・ヴィトンはAさんが自社商標の出所表示および品質保証機能を損ない商標権を侵害したとし,昨年2月に訴訟を起こした。最高裁の判例上,他人の登録商標をその指定商品と類似の商品に使う場合,商標権を侵害する行為になるという根拠を挙げながらだ。
Aさんはリメイク製品が商標法上「商品」に該当しないと主張した。同じ形態の物品を繰り返して生産する「量産性」と生産者から消費者に到達するまでさまざまな段階で交換・分配される「流通性」を備えてこそ商品として評価できるが,リメイク製品はこのような属性がないという理由のためだ。
また,カバン所有者がリメイク製品をルイ・ヴィトンとして製作した原製品と混同する懸念がなく,商標法上「商標の使用」をしたともみられないと強調した。
だが,裁判部は「リメイク製品も商品に該当し,Aさんはルイ・ヴィトンの商標を使ったと見なければならない」としてルイ・ヴィトン勝訴の判決を出した。
裁判部はリメイク製品が交換価値があり独立した商取引の目的物になる以上,商標法上商品とみるべきだと判断した。続いて製品が現実的に流通せず量産性がないといっても,商標の出所表示機能は保護しなければなければならないと指摘した。
裁判部は「Aさんの客がリメイク製品の出所を誤認することはないと思うが,リメイク製品を見た第三者など一般消費者は出所を混同する懸念が明確にある」とし「Aさんはルイ・ヴィトンの商標を使ったことに間違いない」と説明した。
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これを読んで,かつて 伊丹十三が そのエッセイに書いていた 「ルイ・ヴィトンの鞄から作った(下駄の)爪皮」を思い出しました。
52年前の昭和47年(1972年),就職した年に買った,伊丹十三の 「ヨーロッパ退屈日記」,「女たちよ」に次ぐ三冊目のエッセイ集「再び女たちよ!」(文芸春秋社)に この話がありました。
このエッセイ集は 雑誌「ミセス」(文化出版局)に連載していたイラスト入りのエッセイ「のぞきめがね」(後に「私の博物図鑑」)を主にまとめたものでした。
この「再び女たちよ!」の中の 「キザ」の項に,自分のキザの話として 「ルイ・ヴィトンの鞄の新品をばらして,下駄の爪皮を作った。」と言う話があります。右は氏のイラスト。
50年前の日本には「ルイ・ヴィトン」の店は存在しませんでした。(日本進出は 1978年で 6店舗,銀座の直営店がオープンしたのは1981年。)
つまり,この頃,「ルイ・ヴィトン」のバッグ(の名前)は 日本ではポピュラーではありませんでした。
「再び女たちよ!」には 「鞄の値段は書かぬ。」 と書かれており,高価さが想像できます。
さらに 「この爪皮は死んでも雨の日には使わないつもりだ。」 と書かれているので,きっと残っているはずだと思っていました。
2007年,松山に 「伊丹十三記念館」ができ,関東に住んでいた私は すぐに JALのマイルを使って訪館しました。更に,毎年の開館記念日には 展示室に置ききれない品物をしまっている「収蔵庫」のツアー(参加は抽選)が行われることを知って,広島に転勤になった後,2009年と2010年に「ルイ・ヴィトンの爪皮」を探しに「収蔵庫ツアー」に参加しました。
「ルイ・ヴィトン」の鞄はありましたが 「爪皮」を見つけることはできませんでした。
開館記念日には 館長の宮本信子さんが出勤しているので,2010年の収蔵庫見学を終えて 宮本館長に 「ルイ・ヴィトンの爪皮」のその後を尋ねました。
そして「あれは 創作ですよ。作るのを引き受けてくれる人が見つからなかったんですよ。」と回答を戴きました。
伊丹十三は 「商標権侵害」の共犯(?)ではありませんでした。
「イラスト」は? 時効でしょう。
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