« 見出しに見る勘違い(その952) | トップページ | 見出しに見る勘違い(その953) »

2024年1月 6日 (土)

JAL機の衝突,炎上,脱出を伝える海外の報道

映像で見る激しい機体の火災の中,乗客,乗員全員が脱出できたことを海外の報道が称賛しています。
ここでは 英国 ‘The Guardian’,Jan.3,2024付け
Japan/Miracle at Haneda: how cabin crew pulled off great escape from Japan plane fire
「日本/羽田の奇跡: 客室乗務員はいかにして日本航空機火災から大脱出を成功させたか」
の見出し記事を 拙訳・転載します。

*******************
炎上する飛行機を安全に停止させたパイロット,訓練に忠実な乗組員,荷物を置いたままにした乗客は教科書通りの避難を行った。

000_20240105103501

火曜日(12日)に東京の羽田空港に着陸した日本航空の旅客機が別の飛行機と衝突し,消防士が消火するまでに6時間以上かかった。それまでに,12人の乗組員が数百人の乗客を安全な場所に導くのにわずか数分しかかかっていなかった。

炎が窓をなめ,機内が煙で充満するのを呆然とした(petrified)乗客が見つめる中,JALの客室乗務員は不安を隠しながら、安全訓練を隅々まで徹底した。航空会社によると,乗客367名と乗務員12名全員が18分以内に降機したが,乗客をスライダーで降ろすのに物理的にどれだけの時間が費やされたのかはすぐには明らかではない。

日本と世界の航空専門家が,海上保安庁のデ・ハビランド・ダッシュ8号機(De Havilland Dash-8:ボンバルディア・エアロスペース社に買収前の名前)-乗員6人のうち5人が死亡 -が 何故 エアバスA350の進路上に停まっていたのかを解明しようとしている中,大惨事を回避した男性と女性たちの行動が明らかになった。 その重要な瞬間は,その冷静さ(composure)とプロフェッショナリズムが称賛されている。

横滑りし(skidding),今や火の玉のようになってしまった飛行機を機首で停止させたパイロット;破損したPAPublic Address)システムを使用することができず,冷静にメガホンで指示を出した乗務員;脱出スライダーに向かう前,座席に留まり,機内持ち込み手荷物を炎の中に残したままにした乗客。

首都にサービスを提供する2つの国際空港のうちの1つである羽田のターミナルビルから撮影されたリアルタイム画像には,滑走路を滑走する飛行機が炎上する様子が映っており,奇跡の脱出という主張が誇張(hyperbolic)ではないことを示唆している。

日本最北の島,北海道の新千歳空港からの夕方の飛行終了後,飛行機が着陸して数秒後にエンジンから出火したことに乗客が気づき,機内では混乱がすぐに恐怖に変わった。
「(エンジンから)火花が出ているのが見えたとき,最初は少し笑っていたが,火災が始まると,それだけではないことに気づいた」と東京在住の澤田翼さんは語った。「本当に死ぬかと思った。」

広く共有されているビデオ映像には,客室乗務員が暗い客室の前で乗客に着席を続けるよう身振りで示し,協力に感謝している様子が映っている。ある時点で,カメラがパンして,オレンジ色の光で満たされた窓枠を表示する。
動画の中で一人の女性が「ここから出してください」と叫んでいる。子どもが「どうしてドアを開けないんですか?」と尋ねるのが聞こえる。

乗務員と乗客の行動が悲劇を回避した(averting)と評価されている。 信じられないことに,誰も重傷を負わなかった。消防士が消火活動を開始するために到着したとき,乗務員はすでに避難シュートを展開しており,数人の幼児を含むほぼ400人が滑り降りて安全な場所へ避難する合図となった。

001_20240105103501

決定的なことに,誰も頭上のロッカーから手荷物を取り出すために立ち止まった様子はなく,非常口への明確なルートを確保していた。 2時間も経たない前に,乗客たちはまさにそのように促すJALの安全ビデオを見ていた。 ビデオでは,客室乗務員が「避難するときは荷物を置いてください!」と警告し,両手を広げて強調している。次に,アニメーション・シーケンスで,バッグやハイヒールの靴が膨張式避難スライドに引き起こす可能性のある損傷を示す。

航空専門家らは,客室乗務員が示した揺るぎない冷静さと乗客間の高いレベルの協力が,おそらく非常に不安な体験が大惨事になることを回避したのではないかと述べた。

「客室乗務員は素晴らしい仕事をしたに違いない。 いかなる混乱もなかったようだ。乗客全員が降りたのは奇跡だった」と英国に本拠を置く航空コンサルタント会社アセンド・バイ・シリウムの航空安全ディレクター,ポール・ヘイズ氏は語った。

元航空管制官のミシェル・ロブソン氏は,乗組員は「非常に困難な状況下でよく避難を実行した」と述べた。彼女はチャンネル 4 ニュースに語った。「乗客が炎を見てパニックになり始めるのは自然なことで,明らかに何らかの衝突があったと思う,乗っていた人たちにとっては非常に心配したはずだ。」

パイロットで米国に本拠を置く航空安全コンサルティング会社の創設者であるジョン・コックス氏は,客室乗務員が乗客を素早く飛行機から降ろすのに「非常に素晴らしい仕事をした」と語った。 「それは良いトレーニングを示している」と彼は言った。「そしてビデオを見ると,人々はオーバーヘッドから物を取り出そうとしてない。彼らは飛行機から降りることに集中している。」

002_20240105103501

避難中の安全性に対する厳格なこだわり(rigorous insistence)は,航空機設計の改善と業界全体の基準の厳格化に根ざしているだけでなく,単一航空機が関与する航空史上最も死者を出した事故にJALが関与したことにも根ざしている。

1985年812日,日航ジャンボ機が東京から大阪に向かう途中で山に墜落し,乗客乗員524名のうち520名が死亡した。
原因はパイロットのミスではなく,ボーイング社のエンジニアによる不完全な修理によるものであることが判明したが,墜落とその余波は,引き裂かれた機体(fuselage)や,残骸から回収された損傷した座席を含め,航空会社の安全文化に消えない(indelible)痕跡を残し,JAL社員の安全意識の向上につながった。

あれから約40年が経ち,この航空会社はウェブサイトの ‘airlineratings.com’ によって世界で最も安全な航空会社の 1 つとして定期的に挙げられている。

003_20240105103501

英国クランフィールド大学(Cranfield University)の輸送システム部長グラハム・ブレイスウェイト教授はBBCに対し,「日本は輸送の安全に関して驚異的な(phenomenal)実績を持っている」と述べ,JALを安全性における「世界的リーダー」と評した。
「避難は成功し,客室乗務員の訓練にどれだけの労力が費やされたかを思い起こさせる。」と彼は付け加えた。「彼らが焦点を当てているのは安全性だ。彼らは飛行機から最後に脱出し,額面通りに(on face value)信じられない仕事をしたように見える。」

他の乗客と同じように,ガールフレンドとの休暇から北海道から戻っていた沢田さんも,もし避難にもっと時間がかかったらどうなっていたかという考えを抑えようとした。
降機から約10分後,飛行機で爆発が起きた。「奇跡としか言えません遅かったら死んでいたかもしれない。」

(転載了)
**************
海保機との衝突原因の究明が待たれます。

それにしても 不思議なのは 管制官の指示は 副操縦士も聞いていたはずで,二人が誤った解釈をしていたとは考え難い。
もし,副操縦士が正しい解釈(誘導路上で待機)をしていたとして―
想像するに 機長が滑走路まで出るとは 副操縦士は考えておらず,滑走路前で停止しなかった時点で 声を挙げたが間に合わず,飛行機はバックできないのでターンしようとしていた・・・(?)
しかし,40秒以上 その場(滑走路)に留まっていたらしいので そうでもない?
海保機のブラック・ボックスが活きておれば解明できるかも知れません。

| |

« 見出しに見る勘違い(その952) | トップページ | 見出しに見る勘違い(その953) »

ニュース」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 見出しに見る勘違い(その952) | トップページ | 見出しに見る勘違い(その953) »