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2024年2月28日 (水)

ロシアのウクライナ侵攻が スウェーデンのNATO加盟のきっかけとなる

独自の強力な軍事力を持ちつつ,200年近く 「中立」,「非同盟」 を保ってきたスウェーデンがNATOに加盟するようです。ウクライナに侵攻したロシアへの不信・脅威から政策転換なのでしょう。

REUTERS’,Feb.27.2024付け
Sweden clears final hurdle to join NATO as Hungary approves accession
「ハンガリーが承認,スウェーデンがNATO加盟への最後のハードルをクリア」
の見出し記事を 以下,拙訳・転載します。

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概要

Sweden to join NATO after Hungary ratification
   スウェーデン,ハンガリーの承認を受けてNATOに加盟へ

NATO membership will end long military non-alignment
   NATO加盟により長期にわたる軍事的非同盟に終止符が打たれる

NATO accession spurred by Russia's invasion of Ukraine
   ロシアのウクライナ侵攻でNATO加盟が加速

Finland already joined NATO last year
   フィンランドは昨年NATOに加盟済み

ブダペスト/ストックホルム,226日 ロイター - ハンガリー議会は月曜日(226日),スウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟(accession)を承認し,二度の世界大戦とくすぶる(simmering conflict)冷戦紛争を通じて中立を保った北欧の国による歴史的な一歩の前の最後のハードルをクリアした。
ハンガリーの投票は,スウェーデンの安全保障政策の転換を完了させるための数カ月の遅れに終止符を打ち,金曜のスウェーデン首相ウルフ・クリスターソン(Ulf Kristersson)の訪問を受けて行われ,その間に両国は武器協定(arms deal)に署名した。

クリスターソン氏は記者会見で「スウェーデンは200年にわたる中立と軍事的非同盟から別れようとしている(leaving)。」と語った。「我々は,我々が何であるか,そして我々が信じているすべてのものをより良く守るためにNATOに参加する。我々は他国と共に,我々の自由,我々の民主主義,そして我々の価値観を守っていく。」
ハンガリーのヴィクトール・オルバン(Viktor Orban)首相の政府は,NATO同盟諸国から,同調してスウェーデンの同盟への加盟を確実にするよう圧力を受けてきた。

ホワイト・ハウス報道官のカリーヌ・ジャンピエール(Karine Jean-Pierre)は「我々はフィンランドとともにスウェーデンをすぐにNATO同盟に歓迎したい。」と述べた。
同氏はハンガリー政府に対し,スウェーデンのNATO加盟を認める手続きを迅速に完了するよう奨励していた。
NATOのイェンス・ストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長はXで,「スウェーデンの加盟は我々全員をより強く,より安全にするだろう。」と語った。
ストックホルムは2022年のロシアのウクライナ侵攻後,北大西洋条約機構(the North Atlantic Treaty Organization)内の安全性向上を目的のため非同盟政策(non-alignment policy)を放棄した。

スウェーデンがフィンランドに続いてNATOに加盟したことで,ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が,ウクライナ戦争を開始したときに回避しようとしたまさにそのこと,つまり同盟の拡大を事実上達成させたことになる,と西側諸国の指導者らは述べた。
「ロシアに関して言えば,我々が予想できる唯一のことは,スウェーデンがNATO加盟国になることは,彼らは気に入らないだろうということだ。」とクリスターソン氏は語った。 「彼らがそれに加えて何をするのか,我々には分からない。我々はあらゆる種類のことに備えている。」
1814年以来戦争をしていないスウェーデンとフィンランドの加盟は,1991年のソ連崩壊後に東ヨーロッパから加盟国を受け入れて以来,最も重要な同盟の拡大となる。

スウェーデンはここ数十年でNATOとの協力を強化し,アフガニスタンなどでの作戦に貢献しているが,その加盟により同盟の北側(northern flank)での防衛計画と協力が簡素化されることになる。
政府系シンクタンク,スウェーデン国防調査庁の上級アナリスト,ロバート・ダルショー氏は「NATOは真剣で有能な加盟国を獲得し,北欧における不確実要素が取り除かれた。」と述べた。
「スウェーデンは集団の中で安全を獲得する … 米国の核抑止力(nuclear deterrence)に支えられている。スウェーデンはまた,バルト海の状況に合わせて調整された最新鋭の(cutting-edge)潜水艦や国産(domestically produced)グリペン戦闘機(Gripen fighter jets)の大規模な航空部隊などの資源を同盟に導入する。 軍事支出は増加しており,今年はNATOの基準であるGDP2%に達するはずだ。」

LONG ROAD TO RATIFICATION
批准までの長い道のり

ロシアのウクライナ侵攻は,特に隣国フィンランドが急速に加盟に動いたため,スウェーデンでのNATO加盟への支持が高まった
fuelled)。
「長い旅だった」と政治学の学生,ホセフィーネ・ウォールボム(23)はストックホルムで語った。 「最初は私も他の人も少し懐疑的(sceptical)だったかもしれないが,今ではそれが正しい決断だったと感じている。」

フィンランドは昨年NATOに加盟した。 米国主導の同盟の他の加盟国よりもロシアと良好な関係を維持しているトルコとハンガリーが反対を表明したため,スウェーデンは待たされた。
トルコはスウェーデンに拠点を置いていると主張するクルディスタン労働者党(PKKthe Kurdistan Workers' party)の武装勢力に対するより厳しい措置を要求し,スウェーデンの加盟承認を遅らせた。
スウェーデンはトルコを安心させるために法律を改正し,武器売却に関する規則を緩和した。タイイップ・エルドアン(Tayyip Erdogan)大統領はまた,批准を米国によるトルコへのF-16戦闘機販売承認と関連付けており,トルコ政府は現在,米国が米国議会の支持を確保する努力することを期待している。

ハンガリーによる足を引っ張る動きは本質的にはそれほど明確ではなく,ブダペストは主に,具体的な要求よりも,民族主義者のオルバン首相の下での民主主義の方向性に対するスウェーデンの批判に対するいらだち(annoyance)のはけ口(venting)だった。
ハンガリーの承認は大多数の議員の支持を得て,数日以内に同国の議会議長と大統領によって署名される予定だ。その後,ワシントンへの加盟書類の寄託など残りの手続きは速やかに完了するとみられる。

(転載了)
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35年ほど前,仕事で ノルウェーの海岸線をオスロから北に向かう飛行機に乗った時,離陸前の CAの注意を真面目に聞いておらず,眼下のフィヨルドの写真を撮ろうとして CAに止められたことがありました。(当時は ‘Google Map/Earth’ はなかった。)
北欧諸国は平和そうですが ロシアの脅威は常に存在し,警戒感を持っていることを感じました。

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