大谷選手の結婚発表,一般の米国人には奇妙に感じられた
大谷選手の結婚発表を 米国人はどう捉えているのかー
‘Los Angeles Times’,MARCH 1, 2024付け
“Column: Shohei Ohtani’s marriage announcement felt strange, but not if you know Japanese culture”
「コラム:大谷翔平の結婚発表は奇妙に感じられたが,日本文化を知っていればそうでもない」
の見出し記事を 拙訳・転載します。
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大谷翔平が日本で最も人気のあるアスリートになる前,その称号はフィギュアスケーターの羽生結弦のものだった。
大谷と同じく羽生も29歳。
大谷と同様,羽生も日本の本州の北部である東北地方で生まれ育った。
昨年,引退した羽生はソーシャル・メディアで結婚したことを発表し,その3ヶ月後,彼は同じプラットフォームに戻って 別の発表を行った。
彼は離婚していた。
2度のオリンピック金メダリストは,家族が嫌がらせを受け,メディアの取材や報道の望まない対象になったと語った。羽生が秘密にしていた妻の身元がタブロイド週刊誌によって暴露された。
羽生は「自分の将来について考えたとき,配偶者に幸せになってもらいたい,無限の幸せを願ったので,離婚を決意した」と日本語で書いた。
羽生の話は,今週 大谷が自身の結婚(nuptials)を明らかにした奇妙な(bizarre)やり方を理解するのに役立つ。
インスタグラムで結婚を発表し,その件について記者会見を開きながら配偶者の名前を明かさないのは,米国人にとって奇妙に(peculiar)感じるかもしれない。しかし,日本文化,特に日本のセレブ文化の基準からすれば,これは何も異常なことではない。
そもそも,日本では米国に比べて,個人の仕事と私生活が明確に区別されている。たとえば,ロマンチックなパートナーが仕事関連の社交行事に招待されることはめったにない。一人同伴可(plus-ones)は結婚式の招待状の標準的な形ではない。
スポーツ選手は結婚するまで交際を非公開にするのが一般的で,そのため交際のニュースはどこからともなく突然出てきたように感じることが多い。大谷は昨年婚約したと言っていたにもかかわらず,大谷の結婚は日本のメディアによって「衝撃の結婚(shock wedding)」と評された。
鈴木イチロー,菊池雄星,前田健太など,日本の野球選手の中には著名なスポーツキャスターと結婚した人もいる。ダルビッシュ有は世界チャンピオンのグレコ・ローマン レスラーと結婚した。 彼らの妻たちは結婚前にすでに公開プロフィールを持っており,それを維持し続けた。しかし,プレイヤーが一般人(ippanjin) - もしくは 民間人(civilian)-と結婚した場合,配偶者は匿名(anonymous)のままだった。 松井秀喜は史上最も人気のある日本人選手の一人だったが,彼の「イッパンジン」の妻については今日に至るまであまり知られていない。
大谷は「普通の(normal)」日本人女性と結婚したと述べているため,彼女が影の中に留まるだろうと予想されている。
結婚は大谷が自身のインスタグラム・アカウントに日本語で投稿したメッセージで発表された。投稿のコメント・セクションには別のメッセージが投稿され,これは英語だった。2つのメッセージの内容は似ていたが,同じではなかった。
日本語版では,大谷は翌日 記者団に話すと述べ,記者らに自分と妻の家族との接触を控えるよう求めた。 結局のところ,これが大谷が伝えたかったことだった。彼の関係についての詳細を共有する代わりに,彼はプライバシーを要求した。
大谷はドジャースのスプリング・トレーニング施設で記者団に話した際に,間接的に自分の要求を繰り返した。発表した理由を尋ねられると,彼は日本語で冗談めかして「もし私が発表しなかったら(そしてあなたが知ったら)大騒ぎする(fuss)でしょう」と語った。 その意味は,彼がこの状況を説明しているのだから,日本の記者は大騒ぎするべきではないということだった。
もし大谷が他の選手だったら,おそらく記者たちは彼に従うだろう。しかし,大谷は他の選手ではない。 彼に匹敵する米国人はいない。彼は日本にとって,アルゼンチンにとってのディエゴ・マラドーナ,あるいはメキシコにとってのフリオ・セサール・チャベスのような存在であり,日本の文化の価値を世界に投影するアスリートだ。 日本の親は息子たちが彼のように育ってほしいと願っている。女性たちは彼との結婚を夢見ていた。(彼が結婚した(taken)ことを知りショックを受けた(devastated)女性たちが仕事をさぼったという報告もあった。)
大谷は有名なだけではない。セレブリティへのスポットライトが特に強いこの国での,彼は有名人だ。 日本には米国に比べてテレビ局が少なく,娯楽の選択肢も少ない。スポーツ選手や芸能人が有名になると,彼らはユビキタス(ubiquitous)になる。事実上,誰もが彼らを知っている。
この力学(dynamic)により,大谷の結婚はあたかもロイヤル・ウエディングであるかのように扱われる結果となり,日本のテレビ局は放送中の番組を中断してニュースを中継した。大谷との関係,特に妻の身元についての情報への欲求(appetite)は高まるだろうし,攻撃的で悪名高いこの国のタブロイド誌はその飢えを満たすためにあらゆる手を尽くしてくるに間違いない。(the country’s notoriously aggressive tabloid magazines are certain to do everything in their power to satisfy that hunger.)
昨年,大谷は広告キャンペーンの一環としてインタビューを実施し,家庭生活のビジョンについて語った。
「結婚や子供も含めて - どう言えばいいのだろう?- 平和に暮らしたい。」と大谷は語った。「平和な魂を持つことは何よりも良いことだと思う。私生活もそうありたいと思っている。」
羽生はそのような経験を奪われてしまった。
羽生の警告的な(cautionary)話は,日本国民を大谷選手のプライバシー要求に共感させるはずだが,それだけでそれが保証されるわけではない。大谷もそれを知っていたはずで,だからこそ追加の措置が取られたのだ。彼の結婚発表の仕方は米国の聴衆には理解(made sense)できなかったかもしれないが,彼の文化に詳しい人なら理解できただろう。
(転載了)
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さて,日本のタブロイド誌は いつまで 大人しくしているでしょうか?
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