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2024年3月14日 (木)

山崎監督,VFXチームの Overwork を否定。

ゴジラ-1.0』がアカデミー賞の視覚効果賞を受賞し,米国映画に比較して,その制作コストの安さ(円安を考慮しても -),VFXチームスタッフ数の少なさ,制作期間の短さが話題になっています。

IGN.com’,Mar.12,2024付けに
Godzilla Minus One Has the Lowest Budget of Any Oscar VFX Winner in Nearly a Decade
「『ゴジラ-1.0』は,ここ10年近くのオスカー VFX 受賞者の中で最も低予算」
の見出し記事がありました。

下記,拙訳・転載します。
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2000年代の受賞作品で同様の予算だったのは,2015年の『エクス・マキナ(Ex Machina)』だけである。

ゴジラ-1.0』の予算 1,500万ドルについては,さまざまな話題が飛び交っているが,この予算は驚異的なVFXを含みながら 9桁を大きく下回り,ハリウッドのトレンドに反している。

昨晩、『ゴジラ-1.0』が『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3Guardians of the Galaxy Vol. 3)』,『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONEMission Impossible: Dead Reckoning Part 1)』などの大ヒット作を破り,アカデミー視覚効果賞を受賞したとき,その話題はさらに激化した。ゴジラ映画として初めてオスカー賞を受賞しただけでなく,日本映画として同部門で初の受賞となっただけでなく,その予算は過去の同部門受賞作と比較するとかなり驚くべきものだ。

山崎貴監督は『ゴジラ-1.0』の具体的な予算を明らかにしていないが,35人のアーティストからなるVFXチームを擁し,1,000万ドルから1,500万ドル(‘Vulture’ によれば)の間であることを認めた。

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ゴジラ-1.0』というカテゴリーが実際にどれだけ異常であるかを完全に文脈で説明する(contextualize)ために,2000年代の他のすべての VFX オスカー受賞作の制作予算を調べて,この作品と他のほぼすべての映画との格差がわかるようにした,かなり驚くべき結果である。VFXオスカーを受賞した最新の映画『ゴジラ-1.0』と同程度の予算は,同じく1500万ドルの予算だった2015年のアレックス・ガーランド(Alex Garland)監督の『エクス・マキナ』である。

しかし、それでも『ゴジラ-1.0』の偉業は正当なものではない,なぜなら,『エクス・マキナ』もまた異常なものだからだ。この部門の他の受賞作はすべて,これらの映画の少なくとも 4倍の費用がかかり,次に最も安価な受賞作は 2018年のオスカー賞の『ファースト・マン(First Man)』だった。税制上の優遇措置を考慮すると,その額は約6,000万ドル (税制上の優遇措置を除くと 7,000万ドル) になる。

『ロード・オブ・ザ・リング』三部作も,皆さんが思っているよりも少し倹約しており(frugal),各シリーズ作の製作費は約9,400万ドルだが,残りの受賞作の金額は数億ドルに達する。その中には、『ゴジラ-1.0』以前の最後の受賞作『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(Avatar: The Way of Water』も含まれており,その製作費は驚くべきことに(at a jaw-dropping35,000万ドルから4億ドルだったと言われている。

さらに詳しく説明するため,2000年代のすべての VFX オスカー受賞作品の報告された予算を以下に示す:

2023: ゴジラ-1.0Godzilla Minus One: $10 million-$15 million
2022: アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(Avatar: The Way of Water: $350 million-$400 million (Source: The Hollywood Reporter)
2021: DUNE/デューン 砂の惑星(Dune: $165 million (Deadline Hollywood)
2020: TENET テネット(Tenet: $205 million (Variety)
2019: 1917 命をかけた伝令(1917: $100 million (The Hollywood Reporter)
2018: ファースト・マン(First Man: $60 million (Variety)
2017: ブレードランナー 2049Blade Runner 2049: $150 million-$185 million (The Hollywood Reporter)
2016: ジャングル・ブック(The Jungle Book: $175 million (Box Office Mojo)
2015: エクス・マキナ(Ex Machina: $15 million (Consequence)
2014: インターステラー(Interstellar: $165 million (Box Office Mojo)
2013: ゼロ・グラビティ(Gravity: $100 million (Variety)
2012: ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日(Life of Pi: $120 million (LA Times)
2011: ヒューゴの不思議な発明(Hugo: $170 million (LA Times)
2010: インセプション(Inception: $160 million (Box Office Mojo)
2009: アバター(Avatar: $237 million (The Wrap)
2008: ベンジャミン・バトン 数奇な人生(The Curious Case of Benjamin Button: $167 million (New York Times)
2007: ライラの冒険 黄金の羅針盤(The Golden Compass: $180 million (Variety)
2006: パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト(Pirates of the Caribbean: Dead Man's Chest: $225 million (Box Office Mojo)
2005: キング・コング(King Kong: $207 million (BBC)
2004: スパイダーマン2Spider-Man 2: $200 million (Box Office Mojo)
2003: ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還(The Lord of the Rings: The Return of the King: $94 million (Box Office Mojo)
2002: ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔(The Lord of the Rings: The Two Towers: $94 million (Box Office Mojo)
2001: ロード・オブ・ザ・リング(The Lord of the Rings: The Fellowship of the Ring: $93 million (Box Office Mojo)
2000: グラディエーター(Gladiator: $103 million (Box Office Mojo)

So How Did Godzilla Minus One Do It?
では,『ゴジラ-1.0』は 如何にしてそれを実現したのか?

特に『ゴジラ-1.0』の VFX の素晴らしさを考えると,それが大きな疑問だった。ファンは,VFX が,通常 15,000万ドルから 3億ドルの経費がかかる昨年の多くのマーベル映画や DC映画と比べて (それ以上ではないにしても) 同等に(on par)見えると指摘している。

ただし,1,500万ドルの経費が明らかになると,『ゴジラ-1.0』のVFXチームが過重労働で低賃金だった可能性があるという懸念もあったことは注目に値する。VFX 業界の劣悪な労働条件が徐々に公になり,組合の結成活動が活発になるにつれて,こうした懸念は高まるばかりである。

しかし,山崎監督は過重労働の疑惑を否定し,8ヶ月にわたるに『ゴジラ-1.0』制作期間の効率化されたアプローチに焦点を当てた。

「夜更かしはそれほど多くなかった」と山崎監督は最近のインタビューでIGNに語った。「誰もが週末休みをとり,チームにとっては異常な労働状況ではなかった。むしろ,多くの負担がかかっていたのはコンピューターだったと思う。」

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山崎監督は ‘Vulture’ のインタビューでさらに詳しく述べ,日本映画の予算は米国の予算よりも低い傾向にあると指摘した(『ゴジラ-1.0』は数十年ぶりに米国以外のスタジオからVFXオスカーを受賞した作品である)。 「つまり,私たちは VFX に関しては,少ない予算の制約の中で作業するように教育されてきた。」と彼は語った。

監督はまた,マーベルのような米国のスタジオはVFXをサード・パーティ・ベンダーに外注する傾向があり,一部のVFX作業員が不満を漏らしているように,重複(redundancies)で時間が浪費され,作業をやり直さなければならない状況が生じていると指摘した。

「サード・パーティにアウトソーシングするのは時間も費用もかかる。私たちはそれを社内に留める傾向がある。」と山崎氏は ‘Vulture’ に語った。 「それが最も効率的かつ効果的な仕事の方法だ。しかし,だからといって外部リソースを利用しないわけではない。」

Variety’ との別のインタビューで,山崎監督は「場面の数に基づいてチームを拡大することはなかった。 物事を別々に分割しただけで,アーティストたちは通常の 3倍の場面を撮ることができた。」

ゴジラ-1.0』の驚くほど少ない予算をめぐる議論(discourse)は,特にハリウッドの予算が膨張し続ける中,この会話がどこにも進まないことを証明しているだけだ。詳細については,『デューン 砂の惑星 PART2Dune: Part 2)』の内訳と,それがハリウッドの予算が制御不能であることをどのように証明しているかをご覧ください。(Dune: Part 2 Proves That Movie Budgets Have Gotten Out of Control

(転載了)
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かつての 糸で吊った飛行機,プールに浮かべた船,ミニチュアの街などを思うと 隔世の感があります。
よく ここまできました。 

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