ドジャースの大谷翔平選手が4月21日,メッツ戦で8試合ぶりに本塁打を打ち,メジアー・リーグ通算の数を176本として,日本選手の最多記録を更新しました。
これに関連して 大谷選手のメジャー・リーグでの 記念となる本塁打に関する記事を読みました。
メジャー・リーグ公式サイト,‘MLB.com’,Apr.22, 2024付けの
“Ohtani's top 10 home runs in MLB”
「大谷の MLBにおける本塁打 トップ10」
下記,拙訳・転載します。
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当然のことながら,エンゼルスでアメリカン・リーグ最優秀選手賞を2回受賞し,ドジャースで好調なスタートを切った大谷翔平は,メジャー・リーグで記憶に残るホームランを数多く残している。二刀流スーパースターのこれまでのMLBキャリアにおけるホームランのトップ10を紹介しよう。
1) April 4, 2021, vs. White Sox (off Dylan Cease)
大谷を決定づけるホームラン。 これは,大谷の MVP 2021 シーズンにおけるすべての始まりとなった試合だった - 彼は初めて同じ試合で打者と投手をし,投手として 1回表に時速 100マイルを 3回投げ,そして 1回裏に打者として立って これをやった。ディラン・シーズの時速97マイルの速球から時速115.2マイル,451フィートのモンスター・ホームラン。 大谷はスタットキャスト(Statcast)史上,同じ試合で,ましてや同じイニングで時速100マイルの球を投げ,時速115マイルの打球を打った唯一の選手である。
2) April 3, 2018, vs. Guardians (off Josh Tomlin)
最初のホームラン以外にない。初めてのメジャーリーグ・シーズンを迎えた大谷が,無名の存在であったことを忘れてしまいがちかもしれない。彼の伝説は日本からメジャーに飛び移る以前にあったが,スプリング・トレーニングでの苦戦により,彼がここでスターになれるかどうかという疑問が生じた。 大谷はそれらの質問にすぐに答え始めた。 4月1日に投手デビューを飾ってから2日後,大谷はエンゼル・スタジアムでのホーム第1打席で打者として初本塁打を放った。それが彼のルーキー・オブ・ザ・イヤー・キャンペーンの始まりとなった。
3) June 30, 2023, vs. D-backs (off Tommy Henry)
大谷は,エンゼル・スタジアムの外野観覧席の中段にあるLEDリボンの近くに着地した493フィートの打球で,2023年のメジャー最長となる本塁打を打ち,灼熱の6月を締めくくった。 これはこれまでの彼の最長本塁打であり,2015年にスタットキャストが導入されて以来,13番目に大きい本塁打に並んだ。この壮大な(epic)本塁打は,2022年10月5日にマイク・トラウトが記録した490フィートを超え,エンゼルスの最長本塁打となった。
4) April 21, 2024, vs. Mets (off Adrian Houser)
大谷の通算本塁打176本目は,この強打者が松井秀喜を抜き,日本生まれの選手によるMLB最多本塁打の記録を達成するという意味で重要だった。 大谷が29歳のシーズンにこれを達成したことを考えると,彼は間違いなく(assuredly)この数字をはるかに超えて(blow way past),楽にリストのトップに立つことになるだろう。 ドジャースのユニフォームを着た大谷の5本目の本塁打は,バットから時速110マイルで飛び,ドジャー・スタジアムの右翼パビリオンに423フィート飛んだ。
5) June 25, 2022, vs. Mariners (off Logan Gilbert)
スタットキャストが2015年に記録を開始して以来,エンゼルスは1,600本以上の本塁打を放っているが,大谷はその中で最も強烈な(hardest)本塁打を打った。 大谷はこの時速118マイルの本塁打をエンゼル・スタジアムの右翼席(the right-field bleachers)の奥深く― 正確には462フィートの深さ―に叩き込み(ripped),本塁打の打球速度(exit velocity)におけるエンゼルスの新記録を樹立した。 実際,大谷は前年の夏にヤンキー・スタジアムで時速117.2マイルの本塁打を打っていたため,彼が破った記録は彼自身のものだった。 トラウトやアルバート・プホルスでさえ,エンゼルスでの大谷の最も強烈な本塁打に匹敵することはできない。
6) July 27, 2023, vs. Tigers (off Matt Manning)
マルチ・ホームランを放った試合だけでも十分印象深いが,大谷がダブルヘッダーの第一試合で1安打完封勝利を収め,その後 第二試合(nightcap)で2本塁打を放ったことを考えると,この二刀流の驚異は,1日で MLB選手史上最高のパフォーマンスを見せたと主張する人もいるだろう。彼の最初のロング・ボールは,最後の投球から1時間余り後に放たれた2回裏の383フィートの逆フィールドへのショットだった。 彼の2本目の本塁打は,間違いなく435フィートの記録であり,4回に時速116.9マイルのレーザーを放ち,彼の一日を永遠に決定づけた。
7) July 7, 2021, vs. Red Sox (off Eduardo Rodriguez)
2004年の松井秀喜の31本塁打は,16年間にわたりMLBにおける日本人選手の単シーズン記録となった。2021年,大谷はそれを打ち破った。 記録樹立となる32号本塁打は,オールスター中断直前にエンゼル・スタジアムでレッド・ソックス戦で放たれたもので,打席から時速114.5マイル,右翼席まで433フィートというロケット弾だった。 日本生まれの野球選手の中での松井の象徴的な名声(stature)を考慮すると,大谷がゴジラ(Godzilla)を超えたことは大きな成果だった。
8) May 16, 2021, vs. Red Sox (off Matt Barnes)
大谷のこれまでの最も大きい逆転本塁打(clutch home run)。 彼はメジャー・リーグでサヨナラ本塁打(walk-off home run)を打っていない …まだ… しかし,この本塁打も同じくらい大きかった。エンゼルスはフェンウェイ・パーク(Fenway Park)で最後のアウトまで追い込まれ,5-4とリードされていた9回表,大谷がクローザーのマット・バーンズから時速97マイルの速球を捉え(turned on),それを右翼線のペスキー・ポール(Pesky's Pole)内側にきっちりと引っ掛け,勝ち越し(go-ahead)ツー・ラン本塁打とした。 エンゼルスは6-5で逆転勝利(comeback win)を収めた。
9) June 27, 2023, vs. White Sox (off Michael Kopech and Touki Toussaint)
野球はチーム・スポーツである・・・チームに大谷がいない限り。おそらく試合でこれほどのインパクトを残せる選手はいないだろうが,6回1/3のイニングでホワイト・ソックスから10個の三振を奪い,打者として2本の本塁打を含んで3打数3安打3打点を挙げ,彼のポテンシャルを最大限に発揮した。大谷は初回に調子を整える418フィートのショットで試合を開始した後(その後,エネルギーを節約するために全員でハイタッチをした),7回に404フィートの本塁打を放ち、エンゼルスのリードを広げてその夜を締めくくった(capped)。
10) Sept. 5, 2018, vs. Rangers (off Austin Bibens-Dirkx)
この本塁打は,大谷がいかにユニークな選手であるかを完璧に表現している。それは,エンゼルスが大谷にトミー・ジョン手術が必要で,ルーキー・イヤーの残り期間は投手としての活動を停止することを発表したまさにその日のことだった。 他の選手なら,それはシーズンの終わりだっただろう。 しかし,大谷は唯一無二の(one of a kind)選手だ。 彼にとって,それは数時間後にDHとして試合に出場し,本塁打を1本ではなく2本打てる(crush)ということを意味するだけだった。 この最初の1本は,時速167.3マイル,45度のムーンショットで,大谷がメジャー・リーグでのキャリアの中で打った最も高い打球の本塁打となった。この試合では2本塁打を含む4安打を放った。
Honorable mention:
番外
April 3, 2024, vs. Giants (off Taylor Rogers)
大谷がドジャース初本塁打を記録するまでに9試合かかったが,彼はそれを記憶に残るものにした。 ドジャー・スタジアムでの地区ライバルのジャイアンツ戦で,大谷はドジャース初となる430フィートの本塁打を放ち,右翼席の中段まで(halfway up)到達した。これにより,大谷がその後の数週間で自慢の(vaunted)スラッガーのとしての成績を収める激しい(torrid)展開(stretch)が始まった。
Aug. 18, 2021, vs. Tigers (off José Cisnero)
大谷が40本塁打のマイルストーンに到達したことは,2021年に彼が達成した他のすべての数字(40本塁打,25盗塁,100打点,150奪三振)と組み合わせると,信じられないほどの成果だった。 野球史上,これほどのシーズンはかつてなかった。 コメリカ・パーク(Comerica Park)で放った40号本塁打は,時速110.1マイル,430フィートの右翼席深くに届く打球だった。
May 9, 2022, vs. Rays (off Calvin Faucher)
2021年のMVPシーズンと同じくらい素晴らしかったし,2018年のルーキー・オブ・ザイヤー・シーズンと同じくらい素晴らしかったし,日本での彼と同じくらい素晴らしかったのに,大谷はプロ野球キャリアの中で一度も成し遂げたことはなかった。それはグランド・スラムだった。彼は2022年,ビッグAでのレイズ戦で流し打ちの本塁打(opposite-field slam)を放ち,ついにその枠にチェックを入れた。北海道日本ハム・ファイターズでの5シーズンで一度も打ったことがなかったため,これがMLBでも日本プロ野球でも初のグランド・スラムとなった。
March 14, 2022 vs. A's (off Adam Oller)
メジャー・キャリア初の本塁打マイルストーンは100号で,大谷はオークランド・コロシアムでエンゼルスがアスレチックスを破った試合で達成した。メジャー・リーグで100本塁打を達成した日本人選手は松井選手(175本),イチロー選手(117本)に次いで3人目であり,打者として100本塁打,投手として250奪三振を達成したメジャー・リーグ史上,ベーブ・ルースと共に,2人目の選手となった。 大谷は試合後,「100本は大きな数字であり,誇りに思う」と語ったが,「もっと打つつもりだ(I'm planning on hitting more.)。」とも付け加えた。
(転載了)
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10本では 足りなかったようです。
尚,4月23日,ワシントンで行われたナショナルズ戦の九回に2試合連続本塁打となる6号ソロを放ちました。
Launch Angle(打球角度)25°,Exit Velocity(打球速度)118.7mph≒191km/h,Distance 450ft≒137.2m で,打球速度は今シーズン・メジャー最速であるだけでなく 彼のキャリア最速でした。
打った瞬間に本塁打と分かる打球で,興味深いのは 上図 Statcast分析図に ランナーと同様に示される守備選手の位置(通常,動きが見られる)が 全く動かないことです。
下図は この飛球が メジャー・リーグの他30球場の全てで 本塁打になることを示しています。
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