米国ボルチモアで コンテナ船衝突により崩落した橋のその後
今年3月26日早朝,コンテナ船 ‘Dali’ が米国ボルチモア港を出航してすぐ,電力を喪失して操舵不能となり,フランシス・スコット・キー橋(the Francis Scott Key Bridge)の橋脚に衝突して,橋桁を崩落させ,人と車両が極寒のパタプスコ川(Patapsco River)に落下する事故が発生しました。
‘Dali’ は シンガポール船籍の船で,シナジー・マリン・グループ(Synergy Marine Group)が運航し,デンマークの海運大手マースク(Maersk)がチャーターして,スリランカに向かうところでした。
その後,事故現場がどうなっているのかの報道がありませんでしたが,今回,崩落した橋桁にで動きが取れなくなっていたコンテナ船を動かすため 工事が始まったとの報道がありました。
‘REUTERS’ が,May 14, 2024付けで
“Collapsed Baltimore bridge blasted into pieces in effort to clear wreckage”
「崩壊したボルチモア橋,残骸を小片にして撤去するために爆破」
の見出しで報じています。
下記,拙訳・転載します。
*********************
[5月13日 ロイター] - ボルチモアの米国クルーらは月曜日,3月にフランシス・スコット・キー橋を倒した巨大コンテナ船の船首から崩壊した橋の一部を取り除くため,制御された爆破を発生させた。
米陸軍工兵隊(the U.S. Army Corps of Engineers)によると,爆破(detonations)は橋のトラスを小さな部分に破壊し,引き揚げ作業員(salvage crews)がクレーンやはしけを使ってねじれた金属の残骸(wreckage)を運び出せるようにすることが目的だった。当初日曜日に予定されていた作業は,天候のため遅れた。
米陸軍工兵隊と州当局は 爆破の成功程度(how successful)についてのコメント要請にすぐには応じなかった。
3月26日の早朝,「ダリ」が電源を失い橋脚に衝突し,橋梁がパタプスコ川(Patapsco River)に落下し,その大部分が「ダリ」の船首を覆った(draped over)。 橋の建設作業員6人が死亡した。
メリーランド州によると,この事故によりボルチモア港は当初,自動車や軽トラック,農業機械や建設機械,輸入砂糖,輸入石膏など複数の貨物カテゴリーで米国第1位の港の機能を停止した。
橋の崩落以後,4つの一時的な運河が開設され,一部の出荷が再開できるようになった。同工兵隊は,5月末までに港へのアクセスをフル稼働に戻すことを目指していると述べた。
メリーランド州は橋の再建に17億ドルから19億ドルかかると見積もっており,2028年秋までに完成すると予想している。
4月にFBIは崩壊に関する刑事捜査を開始した。安全調査員らは船の「ブラック・ボックス」レコーダーを回収した。このレコーダーは,船の位置,速度,船首方位,レーダー,ブリッジの音声と無線通信,警報に関するデータを提供する。
(転載了)
*********************
当初,電源喪失の原因として 発電機エンジンに使用した燃料に異物が混入した可能性があるとのことでしたが,その後の調査の結果は?
写真を見ると 積載したコンテナは そのままで,「瀬取り」による移し替えを行ってないようです。
| 固定リンク | 0
「ニュース」カテゴリの記事
- テキサスに大洪水を発生させた大雨の強さ,量は?(2025.07.09)
- イーロン・マスク,新党結成(2025.07.08)
- 猛暑のヨーロッパに関連した 国連機関の動き(2025.07.07)
- トランプが文句を言った肖像画が 掛け替わった。(2025.07.06)
コメント