世界の人々は バイデンと トランプ,そして米国をどう見ているか。
‘Pew Research Center’,JUNE 11, 2024付け
“Globally, Biden Receives Higher Ratings Than Trump”
「世界的にバイデンの支持率はトランプを上回る」
のタイトルの調査報告を 下記,拙訳・転載します。
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Still, most disapprove of how Biden has dealt with the Israel-Hamas war
それでも,ほとんどは バイデンのイスラエル・ハマス戦争への対応を認めてない
ジョー・バイデン米大統領とドナルド・トランプ前大統領の激しい再戦を世界中の多くの人が注視する中,ピュー研究所の新しい調査によると,国際的にはバイデンがライバルよりも好意的に見られている。
調査対象となった34ヶ国では,バイデンが世界情勢に関して正しい対応をすると信頼している人は中央値で43%,トランプを信頼している人はわずか28%だった。評価の差は多くの国,特にヨーロッパでかなり大きい。ドイツ,オランダ,ポーランド,スウェーデンでは,バイデンの信頼度はトランプより少なくとも 40パーセンテージ・ポイント高い。
しかし,例外もある。調査した8ヶ国では,バイデンとトランプの評価に統計的に有意な差はない。ハンガリーとチュニジアでは,どちらのリーダーも特に高い評価を得ていないものの,トランプの方がバイデン氏よりも好意的に評価されている。(この調査は,ニューヨーク州の刑事裁判でトランプが有罪判決を受ける前に実施された。)
バイデンは世界的にトランプよりも良い評価を得ているものの,現在の米国大統領の評価は,傾向がわかる21ヶ国のうち14ヶ国で昨年より下がっており,オーストラリア,イスラエル,日本,ポーランド,南アフリカ,スペイン,スウェーデン,英国では2桁の下落となっている。
調査には,バイデンが主要な国際問題にどう対処しているかについての一連の質問が含まれていた。全体的に,気候変動と世界経済の問題への対応については意見が分かれている。
調査対象となった34ヶ国では,バイデンが中国やロシアとウクライナの戦争にどう対処しているかについて,平均で10人に4人(それぞれ39%)が支持している。
大統領は,イスラエルとハマスの戦争への対応について,最も否定的な評価を受けている。大統領の紛争への対応方法を支持する人は中央値でわずか 31% で,反対は 57% である。(この調査は,バイデンが紛争終結案を発表する前に実施された。)
イスラエル人の 10人中6人が,バイデンの戦争への対応方法を支持していない。これには,ユダヤ系イスラエル人の 53%,アラブ系イスラエル人の 86% が含まれる。
調査対象となったイスラム教徒が多数を占める国のうち,マレーシア,チュニジア,トルコでも大多数がバイデンのイスラエル・ハマス戦争への対応に不満を抱いている。バングラデシュではこの問題について意見が分かれている。
今回の調査では,米国に対する全体的な態度は概して肯定的であることがわかった。調査対象国全体の中央値で54%が米国に対して好意的な見方をしており,31%が否定的な意見を持っている。
しかし,米国の民主主義に対する批判は多くの国で一般的である。我々は回答者に,米国の民主主義は他の国が従うべき良い例であるか,以前は良い例であったが近年はそうではないか,それとも一度も良い例ではなかったかを尋ねた。
ほとんどの国で,米国はかつては良いモデルだったが,最近はそうではないという見方が主流である。全体として,中央値で 21% が米国は現在良いモデルであると考えているが,22% は米国が他の国にとって良いモデルになったことは一度もないと答えている。
傾向がわかる 13 ヶ国のうち 8ヶ国では,米国の民主主義が良いモデルであると答えた人が,この質問を最後に行った 2021年春よりも少なくなっている。
このレポートでは,2024年1月5日から 5月21日まで,米国を除く 34ヶ国で 40,566人を対象に調査を行った。
レポートの主な調査結果の一部を以下 参照されたい。
Views of the U.S.
米国への見方
調査対象となったほとんどの国では,少なくとも半数が米国に対して好意的な意見を表明している。最も好意的なのはポーランド人で,86%が好意的である。調査対象となったヨーロッパ諸国のうち,イタリア,ハンガリー,英国でも評価は好意的傾向にある。しかし,ヨーロッパの他の地域では,意見は僅差で分かれる傾向がある。
調査対象となったアジア太平洋諸国,特に日本,フィリピン,韓国,タイでは,米国に対する態度は概ね好意的である。しかし,オーストラリア人とマレーシア人の大半は米国に低い評価を与えている。
中東・北アフリカ地域では,イスラエル人の77%が米国に好意的だが,これは昨年の87%より減少している。チュニジアとトルコでは大多数が米国に好意的ではない意見を示している。
調査対象のサハラ以南のアフリカ諸国とラテン・アメリカ諸国では,米国に対する評価はおおむね肯定的である。コロンビア,ガーナ,ケニア,ナイジェリア,ペルーでは,3分の2以上が米国に好意的である。
Confidence in Biden, Trump and other world leaders
バイデン,トランプ,その他の世界の指導者への信頼
ピュー研究所は20年以上にわたり米国大統領に対する態度を調査し,長年にわたって意見が大きく変化していることを発見した。我々が一貫して調査してきたフランス,ドイツ,スペイン,英国の西ヨーロッパ4ヶ国のデータは,最近の大統領に対する見方の長期的な傾向を示している。
ジョージ・W・ブッシュは低い評価を受け,ホワイト・ハウス在任中にさらに低下しているのに対し,バラク・オバマは概ね高い評価を受けた。ドナルド・トランプに対する態度は,大統領在任中ずっと圧倒的に(overwhelmingly)否定的だった。バイデンは前任者よりも一貫して肯定的な評価を受けているが,在任中,これら4ヶ国での評価は低下している。
今年の調査では、成人の10人に6人以上がバイデン氏に信頼を寄せている国が9カ国ある。そのうち4カ国はヨーロッパ(ドイツ、オランダ、ポーランド、スウェーデン)、2カ国はアジア太平洋地域(フィリピン、タイ)、3カ国はサハラ以南アフリカ(ガーナ、ケニア、ナイジェリア)である。
昨年以来,バイデンへの信頼は14ヶ国で大幅に低下している。ヨーロッパ7ヶ国,オーストラリア,カナダ,イスラエル,日本,メキシコ,南アフリカ,韓国である。バイデンへの信頼度が最も低いのはトルコとチュニジアで,信頼しているのは10人に1人程度に過ぎない。
少なくとも10人に6人の成人がトランプに信頼を寄せている2ヶ国は,ナイジェリアとフィリピンである。バイデン同様,トルコではトランプに対する評価は最低で,好意的に見ているのはわずか10%。
トランプに対する信頼は,2020年に最後に質問して以来,ヨーロッパのいくつかの国でわずかに上昇しているが,ヨーロッパでのトランプの評価は依然かなり低い。
対照的に,ポーランドではトランプに対する評価は,2019年以降,より否定的になっている。2019年は,ポーランドでトランプについて質問した最後の年である。イスラエルの元大統領に対する見方も,過去5年間でより否定的になっている。
この調査では,バイデンとトランプへの信頼度を調査するほか,フランスのエマニュエル・マクロン大統領,ロシアのウラジーミル・プーチン大統領,中国の習近平国家主席への信頼度についても尋ねた。
全体として,マクロン氏は調査対象国全体で最も高い評価を受けており,バイデンが僅差でそれに続いている。フランス大統領は,調査対象となったヨーロッパ諸国の多くで米国の大統領よりも高い評価を受けている。習とプーチンは,調査対象国全体でほとんど低い評価を受けている。
Differences by ideology, age and gender
イデオロギー,年齢,性別による違い
Ideology/イデオロギー
・政治思想が明確化されている28ヶ国のうち17ヶ国では,右派の人の方が左派の人よりも米国に対して肯定的な意見を持っている傾向にある。例えば,スペインでは右派の人の65%が米国を好意的に見ているのに対し,左派の人は26%である。
・18ヶ国では,右派の人の方が左派の人よりもトランプに信頼を寄せている傾向にある。この差はイスラエルで特に大きく,右派の75%がトランプに信頼を寄せているのに対し,左派のイスラエル人ではわずか23%である。
・バイデンのイスラエル・ハマス戦争への対応に関する見解にも,かなり大きなイデオロギーの違いがある。調査対象となった欧州諸国の約半数を含むいくつかの国では,バイデンの紛争への対応を承認する傾向は,右派の人の方が左派の人よりも強い。
Age/年齢
・カナダ,調査対象となったラテン・アメリカ諸国すべて,アジア太平洋地域のいくつかの国を含むいくつかの国では,35歳未満の成人は50歳以上の成人に比べて米国に対して肯定的な意見を持つ傾向が高い。オーストラリア,イスラエル,スウェーデンは,若年成人が米国に対して好意的な見方をしていない数少ない国である。
・カナダ,オーストラリア,調査対象となったヨーロッパ10ヶ国のうち7ヶ国では,若年成人は,バイデンのイスラエル・ハマス戦争への対応を年配の成人よりも支持する傾向が低い。
Gender/性別
・調査対象となった多くの国では,男性の方が女性よりもトランプを信頼している。最も大きな違いは英国で,同国では男性が女性の約2倍,元米国大統領を信頼している。調査対象となった多くの国では,女性がこの質問にYesと答える可能性は男性よりも低い。
(転載了)
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予想外に 米国に好意的な割合が少ないと感じます。
トランプが再選されれば さらに少なくなりそうです。
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