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2024年6月19日 (水)

捕鯨母船「関鯨丸」完成に関連し 日本の捕鯨政策を警戒(?)

ことし3月に 73年ぶりに完成した,共同船舶の捕鯨母船「関鯨丸」が 5月に出港しました。
捕鯨の対象に新たに大型のナガスクジラを加えることが水産庁の水産政策審議会で了承され,捕獲対象は ミンククジラ,ニタリクジラ,イワシクジラの3種類に,今回の大型のナガスクジラを加えられ,十分な資源量が確認されたとして今年の漁獲枠を59頭としています。
そして,「関鯨丸」の完成に合わせて CNNが 日本の捕鯨に関連して辛口の記事を掲載しています。

CNN’,June 4, 2024付け
Japan is determined to keep hunting whales. And now it has a brand new ‘mothership’
「日本は捕鯨を続ける決意だ。そして今,新たな『母船』を手に入れた」
の見出し記事を 下記,拙訳・転載します。

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おもちゃの鯨の帽子,鯨のネクタイ,鯨のモチーフのシャツを着た所英樹は,世界最大の哺乳類について考えることに多くの日々を費やしている。しかし,彼は彼らを保護したいのではなく,彼らを狩り(hunt)たいのである。
そのために,彼の会社である共同船舶は,4,800万ドルをかけて真新しい捕鯨「母船」である関鯨丸を建造し,進水させた。

「我々は鯨を捕獲することを誇りに思っているし,今年から沖合母船式捕鯨(offshore mothership-style whaling)を始めることができるこの船をとても誇りに思っている。」と,先週土曜日に8ヶ月間の北の海域の航海に出航した全長370フィート,9,300トンの捕鯨船を案内しながら,所は記者らに語った。

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この新しい船は,活動家から「浮かぶ屠殺場(floating slaughterhouse)」と呼ばれた悪名高い(infamous)捕鯨工場船である日新丸の代わりとなる。日新丸は30年以上の就航期間を経て2020年に退役し,その間,反捕鯨活動家と頻繁に衝突した。

同社によれば,関鯨丸は前身の船よりも大きくて速く,最新鋭(state-of-the-art)のドローンを搭載しており,100km62mile)を移動できると報告されており,小型船の乗組員が鯨を素早く見つけて殺すことができる。
しかし,一部の活動家は,13,000km8,000mile以上)の航続距離や最長60日間の航行能力など,この船の強力な特徴は,日本が北の海域をはるかに越えた場所で鯨を捕獲する可能性があることを示唆していると述べている。
「日本は捕鯨の野望(whaling ambitions)を決して諦めていない。」とベテラン反捕鯨活動家ポール・ワトソンはCNNに語った。「このような船の唯一の目的は,南極海まで長距離を航海して捕鯨することであり,捕鯨者たちが今やっていることは単なるテスト航海にすぎない。彼らは自国の海域で新しい船をテストしているのだ。」

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We need to cull whales’
「我々は鯨を間引く必要がある」

関鯨丸は,体長85フィートの鯨を海から引き上げるのに十分な大きさのスリップウエイを誇り,バスケットボール・コート2面分の屋内解体デッキ(flensing deck)につながっている。
そこで作業員は,巨大なカッティング・ボードの上で鯨肉を切り分ける前に脂肪(blubber)を剥ぎ取り,真空パックして40台の業務用冷凍庫に保管し,販売の準備を整える。

「鯨は食物連鎖の頂点にいる。他の魚の餌になるはずの海洋生物を食べることで,人間と競争している。」と所はツアー中に語った。
「生態系(the ecosystem)のバランスを保つために鯨を間引く(cull)必要がある-未来のために海を守るのが我々の仕事であり使命だ。」と彼はCNNに語った。また,船の捕獲物の大半は海上で大砲によって「ほぼ瞬時に(almost instantly)」殺されるだろうとも語った。「我々は完璧を目指しているが,中には苦しむ鯨もいるかもしれない。そのような場合には,ライフルを使って仕事を終わらせることになる。」

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海洋保護団体(marine conservation groups)や科学者らは,海で最も堂々とした(majestic)生物の1つである鯨の虐殺(slaughter)に反対するだけでなく,地球温暖化の原因となる炭素排出物を隔離・貯蔵する(sequestering and storing)ことで気候危機の解決に貢献するクジラの重要な役割を強調している。
「鯨は海洋生態系の単なる消費者ではない。大量の栄養素を環境にリサイクルし,植物の成長を刺激する。」と海洋生態学者のアリ・フリードランダー(Ari Friedlaender)は述べ,商業捕鯨は「持続可能」で在り得るとする捕鯨擁護派の主張(pro-whaling arguments)も否定した。

「人類は長い間クジラを殺してきたが,動物を持続可能な形で捕獲する良い方法をとってきたわけではない。」と彼は語った。「このような野生動物を持続可能な形で捕獲する(sustainably harvest)方法はない。」

Why is Japan so determined to keep whaling?
日本はなぜ捕鯨を続けることにこだわっているのか?

商業捕鯨は,人間によってクジラの個体数が絶滅(extinction)寸前になった後,国際捕鯨委員会(IWCthe International Whaling Commission)のモラトリアムにより1986年に禁止された。
日本は,ノルウェーとアイスランドとともに捕鯨を続けている3ヶ国のうちの1国であり,当局は捕鯨産業が日本の文化と歴史の重要な一部であり,食糧安全保障にも寄与していると主張している。

商業捕鯨を強く擁護してきたアイスランドは,鯨肉の需要低下と「操業コストの大きさと経済的利点の証明がほとんどない」ことを理由に,2024年に捕鯨を終了すると発表した。
ノルウェーでは商業捕鯨が続いているが,専門家によると同国は注目を集めることなく(quietly)世界をリードする捕鯨国となり,日本とアイスランドを合わせたよりも多くの鯨を殺しているという。

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日本は数十年にわたり,「科学的調査」を口実に(guise)捕鯨を正当化してきた(justified)。
2018年,日本は商業捕鯨の再開を認めるよう IWCを説得しようと最後の試みをしたが,失敗した。そのため,日本は IWCを脱退し,数ヶ月後に国際的な批判を無視して(in defiance of)商業捕鯨を再開した。

「日本はもはや国際捕鯨取締条約(the International Convention for the Regulation of Whaling)の締約国ではなく,もはや規定や制約に縛られていないと主張することができる。」とオーストラリア国立大学(ANUAustralian National University)の国際法教授ドナルド・ロスウェル氏はCNNに語った。
「日本は自国の海域内では,生物資源の管理を統制する絶対的な権限を有しており,これには鯨も含まれる。」

日本の法律では,領海(territorial waters)と排他的経済水域(exclusive economic zones)で,絶滅危惧種(endangered)のイワシクジラ(sei whales),絶滅危惧種(threatened)のミンククジラ(minke whales)とニタリクジラ(Bryde’s whales)の3種のクジラの捕獲が認められており,絶滅危惧種のナガスクジラ(fin whales)が捕獲リストに追加される予定である。
「鯨は重要な食料資源であり,科学的証拠に基づいて持続的に利用されるべきである。」と,今月,シロナガスクジラ(blue whales)に次いで2番目に大きいクジラであるナガスクジラの捕獲案を発表した林芳正政府報道官は述べた。

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世界鯨類同盟(WCAThe World Cetacean Alliance)の海洋保護団体は,日本におけるホエール・ウォッチングは鯨肉の採取よりも「はるかに成功した産業」だと述べた。
21世紀における商業捕鯨は正当化できない」とWCAは述べた。「日本の捕鯨産業は,鯨肉の消費量を増やすことは困難であり,現在市場がないことを認識している」とWCAは述べた。

So why keep slaughtering these wonderful and intelligent animals?”
「では,なぜこの素晴らしく賢い(intelligent)動物を殺し続けるのか?」

所氏はホエール・ウォッチングを排除した(ruled out)。「ホエール・ウォッチングに切り替えるつもりはないが,鯨を見ながら鯨肉を食べるのはなかなか乙なもの(nice touch)かもしれない。」と同氏はCNNに語った。

Demand for whale meat in Japan
日本の鯨肉の需要

共同船舶は長年にわたり,鯨肉を宣伝し,若い世代の顧客を獲得するために積極的な広報キャンペーンを展開してきた。
所は毎日 鯨肉を食べているという。
「鯨肉はおいしいだけでなく,体にもいい。」と所は船内ツアー中に記者団に語り,鯨を食べることの「健康効果」を宣伝し,鯨肉は抜け毛(hair loss)やガンを治すことができると主張した。
「日本人にとって,鯨肉と米の組み合わせは間違いなく良いと思う。牛肉とパン(bun)よりもずっと良いことは間違いない。」

昨年,所氏は再び鯨の帽子をかぶって,物議を醸した(controversial)鯨肉の自動販売機を立ち上げ,鯨の刺身,鯨のステーキ,鯨のベーコンを販売した。
同社はロシア,タイ,韓国などの国のインフルエンサーをスポンサーとして迎え,大阪の地元居酒屋で彼らを招き,鯨の刺身や串焼きなどの料理を試食させ,鯨肉は美味しくて受け入れられるというメッセージをフォロワーに伝えるよう奨励した。

日本には1600年代の江戸時代にまで遡る長くて有名な捕鯨の歴史があるかもしれないが,専門家によると,鯨肉の消費がピークに達したのは,食料源,特にタンパク質が不足していた第二次世界大戦後になってからだという。
国内最大の研究機関の1つである国立民族学博物館の教授,岸上伸宏は,今日では鯨肉はむしろ「贅沢」な料理とみなされていると述べた。

「実際,日本人は総じて捕鯨や鯨肉にほとんど関心がない。」と岸上はCNNに語った。「若者の大半,特に都市部に住む大多数は捕鯨やその歴史についてあまり知らず,関心も持たず、無関心のままだ」
イルカ肉についても同じことが言えると同氏は付け加えた。「これは時代の兆候に過ぎない。だが,クロマグロ(blue fin tuna)を食べるのをやめろと言われたら大騒ぎになる(huge uproar)だろう。我々はそれに非常に反発するだろう。」

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日本農水省は,国内で年間1,0002,000トンの鯨肉が消費されていると推定している。1960年代には年間平均23万トン以上だった。
「(日本には)鯨肉の市場がまだあるのは確かだが,市場規模と生産量は劇的に縮小している」と下関市立大学の経済学教授,岸本充弘はCNNに語り,大手捕鯨会社数社がその後,捕鯨から撤退したと指摘した。

「石油や石油製品の発見後,鯨の脂身の需要がなくなり,多くの国が捕鯨をやめ,国際規制により捕獲される鯨の頭数が減少し,その結果,鯨肉の生産量が減り,牛肉,豚肉,鶏肉がより一般的になった。」と同氏は述べた。
科学者らは鯨肉の摂取のリスクについても懸念を示しており,研究では鯨肉やイルカの肉に含まれる高濃度の水銀が消費者,特に妊婦や幼児にとって危険である可能性を指摘している。

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Could Japanese whalers return to the Southern Ocean?
日本の捕鯨船は南氷洋に戻ることができるだろうか?

南極大陸全体を囲む深海に位置する南極海クジラ保護区(the Southern Ocean Whale Sanctuary)には,ザトウクジラ(humpbacks),シロナガスクジラ(blue whales),ナガスクジラ(fin whales)など数十種の鯨が生息している。
この保護区は,何世紀にもわたる捕鯨の後に鯨の種を保護するために1994年にIWCによって設立されたが,2019年まで日本は自称(self-stated)「科学的調査」目的の捕鯨のためにこの地域に定期的に出向いていた。

IWCによると,日本の捕鯨船は2018年から2019年にかけて南極海でミンククジラ333頭を殺したが,IWCを脱退した後は同海域を放棄した。

日本の水産庁捕鯨対策室長の坂本孝明はCNNに対し,日本は昨年,南極海に船を派遣して頭数や皮膚表面のサンプルを採取したが,その調査ではクジラを殺すことはなかったと語った。彼は,今年も再び訪れて同じことをする予定だと語った。

所氏はCNNに対し,関鯨丸は経済的に意味がないから,日本海域外で鯨を殺す計画はないと語った。
「商業捕鯨は儲からない」と所氏は語った。「南極まで行って戻ってくるのに50日かかり,従業員の給料と50日分の燃料費を払って利益を出す自信はない。しかし,政府から指示があったときだけ行くつもりだ ・・・ それまでは商業捕鯨には絶対に行かない」

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過去に何年も日本の捕鯨船と対峙してきた国際海洋保護活動家団体 シー・シェパードは,加盟国が商業捕鯨に強く反対しているIWCに再加盟する必要があるため,日本が南極海に戻る可能性は低いと考えているとCNNに語った。

しかし,他の活動家はそれほど信頼してない。
「船の長距離航行能力とドローン,そして日本の水産省がナガスクジラの捕獲に意欲的であるという最近の発表を考慮すると,日本の捕鯨船が南極海に戻ってくる可能性は高いと考えている」と,鯨類保護機関(WDAthe Whale Defense Agency)の活動家で創設者のジェームズ・アンダーソンは述べた。
「南極海は多くの鯨類にとって,繁殖と採食のための安全な避難場所となる重要な生息地である。気候変動と違法捕鯨による脅威が増大しているため,南極海を保護することはこれまで以上に重要である。」

オーストラリア国立大学のロスウェルは,日本が領海外で鯨を殺そうとすれば,国際的な対応が予想されると述べた。
「これは,特にIWCが鯨保護区として認可した海域における鯨の保全と保護について,世界が即座に関心を持ち,行動を起こすきっかけとなるだろう。」とロスウェル氏は語った。

シー・シェパードを設立したが現在は脱退しているベテラン反捕鯨活動家のワトソンは,日本の捕鯨船が年末までに南極に戻ってくると予想して,入手した旧日本漁業監視船を使って,物理的な対応(physical response)を行う用意があるとCNNに語った。
「ここが南極海鯨保護区と呼ばれるのには理由がある-そこでは鯨を殺さないから。」とワトソン氏は語った。

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「我々は,これまでやってきたように,捕鯨船を追跡して妨害できるようにしたいと考えている- そして,再びそうする準備は万端である。」

(転載了)
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やや お調子者のような 共同船舶・所社長がCNNに語ったというー
 “We will not switch to whale watching but eating whale meat while watching whales might be quite a nice touch.
「ホエール・ウォッチングに切り替えるつもりはないが,鯨を見ながら鯨肉を食べるのはなかなか乙なもの(nice touch)かもしれない。」
― は 如何なものでしょう。日本語の原文が不明ですが,悪意が感じられます。

又,捕鯨を “killing whales” と何度も表現し(確かに “kill” だが),記者自身の鯨擁護の意図を強く感じます。

So why keep slaughtering these wonderful and intelligent animals?
人間が食用のため動物を殺すのに 「賢い」も「賢くない」もないでしょう,馬も鹿も兎も牛も豚も鳩も生命は生命です。

私は 二十歳頃までは 鯨の刺身(特に「尾の身」)が好きで 食べていました。
今,食べることが ほぼないのは 量が少なく,高級過ぎるからでしかありません。
安く入手できれば いつでも食べます。

需要がないのは 供給がないからであって,この場合,供給がないのは需要がないからではありません。

尚,IWCInternational Whaling Commission)の ‘History and purpose’ には次のように記されています。
The IWC was set up under the International Convention for the Regulation of Whaling which was signed in Washington DC on 2nd December 1946. The preamble to the Convention states that its purpose is to provide for the proper conservation of whale stocks and thus make possible the orderly development of the whaling industry.
IWC は、1946年12月2日にワシントン DC で調印された国際捕鯨取締条約に基づいて設立された。条約の前文には,その目的が鯨類資源の適切な保全を図り,捕鯨産業の秩序ある発展を可能にすることであると記されている。」

設立目的は あくまで 「捕鯨産業の秩序ある発展を可能にすること」であって 「鯨が賢いから これを保護すること」ではありません。
捕鯨産業の経験がないばかりでなく,捕鯨産業に取り組む計画もない国が加入していることは その目的からして異状です。
本来の目的から 外れて,今や 捕鯨産業の消滅を目的としているかのような状態にあるIWCから日本が脱退したことは 已むを得ないというより,当然のことでした。

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コメント

CNNっていまだにこんな寝ぼけた偏見と無知さで、日本叩きしてるんですね。

昔、反捕鯨界隈が煽ってた水銀がらみの健康被害という非科学的な(むしろ中毒者が出ていない反証データはある)なんくせができなくなって、
「お気持ち」で「可哀そう」という歪んだ愚かな神の視点で、特定の動物を特別扱いすることを、いまだに止めれない西洋メディアは罪深い。

活動家たちも、ちょっと都合悪くなると、シーシェパードから離れて自分は関係ないと言いながら、ほとぼり冷めたらまた口だしてくるというせこさも。

投稿: | 2024年6月19日 (水) 21時54分

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