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2024年6月12日 (水)

Clarks の Desert Boot,誕生秘話

23歳で就職した52年前頃から 途絶えることなく愛用している製品が4つあります。
Zippo の オイル・ライター(Slim 又は Standard
Ray-Ban のサングラス(Outdoorsman RB3030
Jack Purcell の白スニーカー

そして ‘Clarks’ の “Desert Boot” です。

買い替えの回数の最も少ないのは Ray-Ban のサングラスで 現在使用しているのが3個目(平均 20年使用)で,あとは どのくらい買い替えたのか 記録がありません。

Clarks’ の “Desert Boot” の開発,拡散経緯は いくつかの記事を読んで 「カイロの市場で見た靴がヒントで開発され」,「シカゴの シュー・フェアをきっかけに世界的に広まった」ことは知っていましたが,‘Esquire’ の電子版に詳細を示す記事があり,読んでみました。

The Origin Story of the Ever-Enduring Clarks Desert Boot
「不朽の名作クラークス・デザート・ブーツの誕生秘話」
です。

下記に,拙訳・転載します。
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It all started at a market stall in Cairo.
すべてはカイロの市場の露店から始まった。

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C & J Clark (商号Clarksでよく知られている) の創設者ジェームズ・クラーク(James Clark)の曾孫(great-grandson)であるネイサン・クラーク(Nathan Clark)は,第二次世界大戦中にビルマとインドで西アフリカ旅団(the West African Brigade)のスタッフとして勤務していたときに,実用的な靴のデザインに目を光らせておく(keep an eye out)ように頼まれた。この依頼は,1942年に由緒ある(venerable)家族経営の靴会社の会長になった兄のバンクロフト(Bancroft)からのものだった。

常に忠実で(dutiful),家業を高く評価していたネイサンは,2つのアイデアを持って戻ってきた:インド北西部で履かれていたサンダルをベースにした「チャップリー(Chupplee)」という男性用サンダル;北アフリカ戦線中にカイロのバザールで第8軍(8th Army)将校のためにオーダー・メイドで作ったクレープ・ソールの粗いスエード(rough-suede)の「デザート・ブーツ(Desert Boot)」である。

「これらの将校の何人かはビルマにやって来て,そこで私は彼らを見た。」とクラークは後に回想しているが,このブーツの起源は南アフリカにあった。サハラに駐留していた南アフリカ師団の将校たちがこのブーツを履いていたため,第8軍もこのブーツに遭遇した。豚農家(boar farmers)が履いていたフェルトショーン(veldtschoen)と呼ばれる この,ブーツは,チャッカ・ブーツに似ており,裏返しの(reversed)革で作られ,足首までの深さで,アイレットが 2 または 3セット付いていた。

「フェルトショーンの主な違いは,アッパーが足の下で内側に折り返されているのではなく,フランジのように外側に折り返されていて,ソールに直接縫い付けられていることだ。」と,元エスクァイア編集者で『真夜中のサバナ(Midnight in the Garden of Good and Evil』の著者であるジョン・ベレント(John Berendt)は説明した。

これらのブーツは,不格好(clunky)で痛みを伴い,暑い,英国政府支給の軍用ブーツに代わる快適で機能的なものとして、砂漠地帯(desert terrain)向けにデザインされた。「クラークは快適でカジュアルな靴を探していた。」とベレントは語った。「そして,このチャッカ(chukka)に近い靴は,ステッチのおかげで少しスリッパに似ていて,まさにぴったり(ticket)だと思った。」

そんなに簡単にはいかなかった。ネイサンの成功への道は障害だらけだった。「バンクロフトにスケッチと大まかなパターンを送ったが,私が戻るまで試作品は作られなかった。」とクラークは語った。「これは 1946年のことだった。当時のパターン・カッターはビル・タクシル(Bill Tuxill)で,非常に才能があり,働き者(hard-working man)だった。
彼は通常のサンプル作業で非常に忙しかった。私が 2足の靴の仕上がり具合を見に行くたびに,彼の後ろの棚にスケッチなどが置いてあるのを見ると,彼は少しきまり悪そうに(embarrassment)こう言った:『はい,ネイサンさん,次は これを作業します。』結局,私は自分でパターンを切った。」

しかし,どの靴を新製品ラインに含めるかなどを決定するストック委員会に試作品が提出されたとき,デザート・ブーツはまったく評価されず(got no love),「絶対に売れない(they would never sell.)」という意見で一致した。

ネイサンは落胆したとしても,それでもひるむ(undeterred)ことはなかった。英国でブーツへの関心を喚起できなかったとしても,少なくとも他の選択肢を模索する自由があった。海外展開の責任者となったネイサンは,1948年にクラークス・オーストラリアを設立し,オーストラリアでデザート・ブーツの販売を開始した。デザート・ブーツは西インド諸島でも販売され始め,そこでも大人気となり,ジャマイカの音楽と文化に欠かせない(integral)ものとなった。

そして,次に 米国市場という大鉱脈(motherlode)があった。当時,戦後の繁栄に浸っていた(basking)米国の魅力は否定できず(undeniable),それがネイサンを1949年のシカゴ靴フェア(the Chicago Shoe Fair)へと導き,そこでエスクァイア誌のファッション編集者オスカー・シェフラー(Oskar Schoefler)と出会った。

シカゴを拠点とするエスクァイアは,当時創刊16年目で,男性の人気ファッションの権威だった。大恐慌(the Depression)の真っ只中に実験的に始まった,初の本格的な男性ファッション誌は,当初の期待をはるかに超える認知されたブランドになっていた。

文学的な力(literary muscle (創刊号にはアーネスト・ヘミングウェイとF・スコット・フィッツジェラルドが登場) とファッションの公式(formula)は,永続的である(durable)ことが証明された。更に,第二次世界大戦の余波(aftermath)の中で,エスクァイアは新しい若い世代の人気(relevant)を保つことを目指した。1950年代の終わりまでに,アルベール・カミュ(Albert Camus)やジャック・ケルアック(Jack Kerouac)などの前衛的な(avant garde)作家の作品を出版し,ビートニク(beatnik)の読者はデザート・ブーツをワードローブの定番にした。

だから,1949年のシューズ・フェアでエスクァイアのブースでネイサンが見せてくれたデザート・ブーツにシェフラーが何を見たのかは想像に難くない。スニーカーがカジュアル・シューズとして受け入れられる前の時代,クレープ・ソールのブーツは,英国だけでなく世界的にも人気がある,飾り気のないシンプルな靴だった。運命的な出会い(kismet)だったようで,クラークの記憶によると,シェフラーは「カジュアル・シューズの新しい,幅広く使えるタイプとして,デザート・ブーツに非常に興味を持った」。

1950年初頭,シェフラーはエスクァイアのファッション先進誌(more fashion-forward cousin publication)であるアパレル・アーツ(Apparel Arts)にデザート・ブーツに関する詳細な記事(write-up)を掲載した。ネイサンは,この記事がブロンソン・デイビス(Bronson Davis)の興味を惹きつけたと考えている。ブロンソン・デイビスは 経験豊富なセールスマンで,最終的に米国でクラークスの代理店となり,デザート・ブーツの米国での成功に大きく貢献した。エスクァイアは,社説やファッション・ショットで,デザート・ブーツを現代(contemporary)ファッションの不可欠な要素(essential part)として長年にわたり称賛し続けている。

もちろん,このブーツはやがてイギリスや世界各地に広まり,何世代にもわたってロー・ファイ・クール(lo-fi cool)の定番となった。ベレントが言うように,「デザート・ブーツのファン(partisans)は,これより快適な靴はどこにもないと断言する。」この言葉は,このブーツが過去 70年間に受け継がれてきたすべてのバージョン(iteration)にも引き継がれている。今シーズンの「デザート・ブーツ 2」 は,象徴的なシルエットを現代風にアレンジし,ボリュームを増やして快適性を高めたモデルである。しかし,嗜好や文化が大きく変化しても,我々は確実に伝える(safely report)ことができる:デザート・ブーツの時代の超越は かつてと変わらない(the timelessness of the Desert Boot is same as it ever was)。

(転載了)
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