ジブラルタル海峡をトンネルで結ぶ
‘Newsweek’,Updated Jun 14, 2024
“The Underwater Rail Tunnel to Connect Europe and Africa”
「ヨーロッパとアフリカを結ぶ海底鉄道トンネル」
の見出し記事を 下記,拙訳・転載します。
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空港に足を踏み入れることなく,マドリードからカサブランカまで5時間強で行ける。これが,2030年のFIFAワールド・カップに間に合うように,南ヨーロッパと北アフリカを結ぶ鉄道を建設する新たな取り組みの宣伝文句(pitch)だ。
モロッコとスペインの間に海底トンネルを建設する提案は,この2大陸を結ぶ初の案となる。この案は数十年にわたりさまざまなバージョンが提案されてきたが,モロッコ当局が今月,プロジェクトの実現可能性に関する公式調査を開始すると発表したことで,最新の提案が勢いを増している。
17mile(27.4km)の海底トンネルはジブラルタル海峡(the Strait of Gibraltar)の下を掘り,スペインのプンタ・パロマ(Punta Paloma)市とモロッコのマラバタ(Malabata)市を結ぶ。提案の一部には、乗客が両大陸を横断する旅を続けられるように,このトンネルを両国のより大規模な鉄道網に接続することも盛り込まれている。
モロッコは2018年にアフリカ初となる時速200 mile(322km/h)の高速鉄道網を開通させた。
「我々は,両国と欧州・アフリカ関係にとって重要なこのプロジェクトの研究を進めている。」と,スペインのラケル・サンチェス運輸・モビリティ・都市計画大臣は,1年前にモロッコの大臣との記者会見で述べた。
それ以来,両国はプロジェクト再開について高官級協議を行っており,政府関係者は複数回の会合を開き,スペインはすでに自国側のロジスティクスを調査するための資金を割り当てている。
そのロジスティクスは重要である。プロジェクトには,海面下1,550ft(472m)の深さまで到達する,長さ17 mile(27.4km)の単線海底トンネル2本の建設が含まれる。ジブラルタル海峡は主要な地震断層線上にあり,最深部では水深3,000 ft(914m)近くに達する。
ジブラルタル海峡横断固定通信研究スペイン協会(SECEGSA:the Spanish Society for Fixed Communication Studies across the Strait of Gibraltar)の予測によれば,この鉄道接続が実現すれば,年間最大1,280万人の乗客とさらに1,300万トンの貨物の移動が可能になるという。
「したがって,我々は1981年にセセグサ(Secegsa)社とSNED社の2社と共同で開始したジブラルタル海峡を通る固定リンク・プロジェクトの再開に新たな段階を迎えている。」とスペインのサンチェス運輸大臣は述べた。
昨年10月,ポルトガル,スペイン,モロッコが2030年FIFAワールド・カップの共同開催権を獲得したことで,このプロジェクトは新たな緊急性を帯びてきた。スペイン政府は最近,このプロジェクトに関連する研究に160万ドル以上を割り当てており,これは1981年以来最大の開発投資となった。
トンネルの正式な費用見積もりはないが,60億ユーロを超えるとの見積もりもある。
(転載了)
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約40年前,ジブラルタル海峡を通過し 地中海から大西洋に出たことがあります。
通過する時,ブリッジから ヨーロッパ大陸とアフリカ大陸を交互に見て,思っていたより近いと感じた記憶があります。
しかし,トンネルを掘るには 遠い。
最も長い海底トンネルは 英仏海峡トンネルで ー 全長:50.49km · 海底部長:37.9km だが,水深(最大):60m と浅い。
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