“back~into a corner” は「窮地に立たせる」
‘BBC’,June 28, 2024付け
“Democrats backed into a corner over Biden's performance”
「バイデンのパフォーマンスで民主党,窮地に追い込まれる」
の見出し記事を 下記,拙訳・転載します。
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ジョー・バイデン陣営は,今夜のドナルド・トランプとの討論会の後,攻撃に出よう(come out swinging)と準備していた。
ところが,彼らは窮地に追い込まれた(backed into a corner)。
選挙陣営の主要代理人ら(surrogates)は木曜の夜,討論会の取材室の端に記者団の群れに釘付けにされ,81歳のバイデン氏を候補者のトップから追い出す(ousting)ことや,今夜のパフォーマンスがバイデン氏の大統領就任適格性に対する懸念をさらに高めたかどうかについての質問を受けた。
カリフォルニア州知事ギャビン・ニューサム(Gavin Newsom)は,民主党が大統領を候補から外すべきかと問われた。
56歳の民主党員は,自分は「古風(old fashioned)」であり,バイデンのエネルギーに対する逆上(frenzy)よりも,議論される「内容と事実」を重視していると答えた。
これは民主党が討論会後に望んでいた会話ではなかった。しかし,バイデン氏は90分間の討論会中,答えにつまずいたり(stumbled),風邪でしゃがれた声(cold-induced rasp)で話したりと控えめな(subdued)態度を見せ,彼の選挙運動がどう回復するかを迫られた民主党員はたちまちパニックに陥った。
有権者の,バイデンの年齢に対する懸念はすでに討論会に重くのしかかっており,彼の最も盤石な(staunchest)支持者でさえ,彼のパフォーマンスはおそらく助けにはならないだろうと認めている。
バラク・オバマの2008年の選挙運動を指揮した民主党戦略家(Democratic strategist)のデビッド・プラウフ(David Plouffe)は,これを核の脅威の最高レベルを表す米軍の用語である「デフコン1の瞬間(a Defcon 1 moment)」と呼んだ。
「今夜は30歳くらい違って見えた。」と,年齢差が4歳未満である2人の候補者について同氏は語った。「そして,これが有権者がこの件で本当に悩む(wrestle)ことになると思う」
2020年の民主党予備選でバイデン氏に挑戦し,選挙戦の早い段階で撤退したアンドリュー・ヤン(Andrew Yang)は,Xで,大統領は「身を引いて民主党全国委員会(DNC:Democratic National Committee)に別の候補者を選ばせる」ことで「正しいことをする」べきだと書いた。同氏はハッシュタグ「#swapJoeout」をつけた。
バイデン氏が民主党の候補者として交代する可能性は低く,その理由はいくつかある:彼は現職(incumbent)大統領であり,選挙まであと数ヶ月しか残っていないこと,候補者選びの混乱により11月にホワイトハウスを勝ち取る党のチャンスが台無しになる(derail)可能性があるからだ。
しかし,この討論会は「民主主義を救いトランプ氏を倒した後,なぜ老年政治(gerontocracy)を終わらせなければならないのかを思い起こさせる重要な機会だった。」と,若い民主党候補者の募集に取り組んでいるアマンダ・リットマン(Amanda Litman)はBBCに語った。
「彼の仕事は少し難しくなったと思う。」とオバマのもう一人の側近,デビッド・アクセルロッド(David Axelrod)はCNNで語った。
スピン・ルームに戻ると,選挙陣営の代理人らはバイデン氏のパフォーマンスに関する質問に次々と答えた。彼らがどんなに努力しても,会話を変えることはできなかった。
カリフォルニア州選出のロバート・ガルシア(Robert Garcia)下院議員は,トランプが「嘘をつき,嘘をつき,また嘘をついた。」と述べた。
前大統領は討論会中に誤解を招く発言をした。民主党が支配する州が「出産後」の中絶を認めたいと考えていると虚偽の主張をした -これは中絶反対活動家が使う論点である。
また,彼は バイデン氏がロシアのプーチン大統領にウクライナ攻撃を「奨励」したとも述べたが,実際にはバイデン政権はウクライナ戦争を断固として支持してきた。
バイデン陣営も同様の論点を主張した。
討論会後の声明で,民主党陣営は「ドナルド・トランプは嘘つきだ。そして犯罪者だ。彼は我々の大統領にはなれない。」と述べた。
カマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領もこの攻撃に同調した。「ドナルド・トランプは何度も何度も嘘をついた。」と彼女はCNNに語った。
討論会後の視聴パーティーに現れたバイデン氏は,この議論に的を絞った(zeroed)。
「彼らは彼の発言のすべてを事実確認(fact-checking)するだろう」と大統領は群衆に語った。「彼の発言で真実だったものは一つも思い浮かばない。」
「いいかい,我々はこの男を倒すつもりだ,我々はこの男を倒さなければならない。彼に勝つためには君たちが必要だ。君たちのために私は立候補している。」とバイデン氏は付け加えた。
その後のスピン・ルームでは,トランプの同盟者と選挙スタッフは喜んで勝利を宣言した。
一方,ニューサム(Newsom)氏,ガルシア(Garcia)氏,ラファエル・ウォーノック(Raphael Warnock)上院議員を含む民主党議員らは比較的短い時間しか顔を見せず,バイデン氏のパフォーマンスについて何度も同じ質問に答えた。
「私はこれまで何人かの大統領候補の代理人(surrogate)を務めたことがある。」と,元民主党上院議員クレア・マッカスキル(Claire McCaskill)はMSNBCに語った。「代理人であるなら,良い点に焦点を当てなければならない。」と彼女は述べた。だが今は,「本当に正直でなければならない(really honest)。」
「彼には成し遂げなければならないことが一つあった。それは,彼がその年齢でその仕事にふさわしい(up to the job)と米国民に再確認させる(reassure)ことだった。そして今夜、彼はそれを果たせなかった」
(転載了)
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少なくとも トランプの,言いたい放題の出鱈目に対して,気の利いた反応の言葉が必要でした。
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