米国人は軍事力で世界平和に貢献すべきと考えているか?
‘Pew Research Center’,Aug.2, 2024付けで
“Views on America’s global role diverge widely by age and party”
「米国の世界の役割に関する見解は,年齢や政党によって大きく異なる」
と題する調査報告がありました。
現在も軍事力で世界平和の役割を果たすべきと考える米国人は いるのでしょうか?
下記,拙訳・転載します。
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米国が世界各地で大規模な紛争に取り組んでいる中,米国の同盟国との協力や米国の軍事力の重要性に関する見解の党派間の大きな隔たりは継続している。
ピュー研究所の春季調査によると,米国の国際的な役割に関する米国人の見解も年齢によって異なる。
高齢者は若者よりも,世界情勢への米国の積極的な関与を評価する傾向がある:
・35歳未満の成人では33%しか,米国が世界情勢で積極的な役割を果たすことが極めて(extremely)重要,または非常に(very)重要であると回答してない。
・35~49歳では49%,50~64歳では66%,65歳以上では74%が 極めて重要,または非常に重要であると回答している。
この質問に対する党派間の隔たりは比較的小さい: 共和党員および共和党寄りの無党派層の 51% が,米国が世界情勢で積極的な役割を果たすことは少なくとも非常に重要だと答えているのに対し,民主党員および民主党寄りの無党派層では 60% である。米国が国際情勢で積極的に行動することは重要ではないと答えた人は,どちらの党でも 10人に 1人以下である。
America’s superpower status and relationships with allies
米国の超大国としての地位と同盟国との関係
米国の成人の過半数(63%)は,今後も米国の政策は米国が唯一の軍事大国であり続けるよう努めるべきだと引き続き考えている。3分の1(33%)は,他の国が軍事的に米国と同程度に強力になっても構わないと述べている。これらの見解は近年ほとんど変わっていない。
同盟国との関係についての意見についても,過去5年間で見解はほとんど変わっていない。10人に6人は,たとえ妥協することになったとしても,米国は同盟国の利益を考慮すべきだと引き続き述べている。少数(39%)は,同盟国が強く反対する場合でも,米国は自国の国益を追求すべきだと述べている。
民主党員の45%は,他国の軍隊が米国と同等の力を持つようになっても構わないと答えているが,共和党員の21%しか同様の見解を示してない。
米国の外交政策に関しては,民主党員の76%は,意見の相違があっても米国は同盟国の利益を考慮すべきだと答えている。共和党員で同じ意見は約10人中4人(43%)である。
これらの外交政策の価値観については,両党で年齢差が大きいが,項目によって異なる。
これらの質問のそれぞれについて,依然として党派間の大きな隔たりがある。
米国の超大国としての地位に対する民主党員の見解は,年齢によって異なる:
・18~34歳の民主党員の60%は,他の国が米国と同等の軍事力を持つようになっても構わないと答えている。
・しかし,高齢の民主党員の大半は,米国の政策は米国を唯一の軍事超大国として維持するよう努めるべきだと主張している。
共和党員の間では,米国が同盟国と妥協すべきかどうかについて年齢差があり,若い共和党員は年配の共和党員よりも米国は同盟国の利益を考慮すべきだと考える傾向が高い。
Does U.S. military strength make the world more safe or less safe?
米国の軍事力は世界をより安全にするのか,それともより危険にするのか?
米国人の大多数(69%)は,強力な米軍は世界をより安全にする,と答えている。6%だけが世界の安全を低下させる,24%は世界の安全度に影響しない,と答えている。
両党の大多数は,強力な軍隊を持つことで世界はより安全になる,と答えている。しかし,この見解は共和党員(81%)の方が民主党員(61%)よりも広く支持されており,両党の年齢差も大きくなっている。
共和党員の間では,各年齢層の過半数が,国の強力な軍事力によって世界はより安全になると考えている。しかし,若い共和党員は年配者よりもそう考える傾向が低い。35歳未満の共和党員の約3分の2(66%)のみが,米国の軍事力によって世界はより安全になると考えている。年配の共和党員の大多数は,米国の軍事力によって世界はより安全になると考えている。これには65歳以上の共和党員の94%も含まれる。
同様に,若い民主党員は,年配の民主党員よりも,国の軍事力が世界をより安全にすると答える傾向が低い。18歳から34歳の民主党員の46%がそう答えたのに対し,41%は米軍の影響はないと答え,約10人に1人(12%)は世界の安全を脅かすと答えた。対照的に,35歳から49歳の54%,50歳以上の78%は,米軍の強さが世界をより安全にすると答えた。
(転載了)
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世界の警察(官)であるべきの考えは少なくなる傾向です。
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