記録上 世界的に最も暖かい 8月だった。
暑い日本の8月でしたが 地球規模でも暑い夏だったようです。
‘Copernicus/Climate Change Service’,9th September 2024付け
“World's warmest August completes hottest boreal summer on record”
「世界で最も暖かい8月が 記録上最も暑い北半球の夏を締めくくった」
のタイトル報告を以下,拙訳・転載します。
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2024年8月は,ERA5(*欧州中期気象予報センター(ECMWF:European Center for Medium-Range Weather Forecast)による第5世代大気再解析)データセットにおいて,2023年8月と並んで世界で最も暖かい8月となり,平均地表気温は16.82℃で,1991~2020年の8月の平均気温より0.71℃ 高くなった。これにより,北半球の夏(6月から8月)の平均気温は,この3ヶ月間で1991~2020年の平均気温より0.69℃ 高く,2023年に記録された前回の記録(0.66℃)を上回り,記録上最も暖かくなった。
1940年からの1時間ごとの気温データを提供するERA5によると,2024年8月は産業革命以前の水準より1.51℃ 高かった。これは,2023年7月以来,世界平均地表気温が産業革命以前の水準より1.5℃ を超えた13ヶ月目となる。
2024年8月は,今年が記録上最も暖かい年となる軌道を維持することに貢献しており,2024年1月から8月までの世界の平均気温の異常(anomaly)は,1991年から2020年の平均より0.70℃ 高くなっている。これは,この期間の記録上最高の異常であり,2023年の同時期より0.23℃ 高くなっている。
1991年~ 2020年と比較した,各8月,全月,および 1979年から 2024年までの 12ヶ月平均の地球平均地表気温の異常。データ ソース: ERA5。クレジット: Copernicus Climate Change Service/ECMWF。
コペルニクス気候変動サービス(the Copernicus Climate Change Service:C3S)の副所長サマンサ・バージェスは次のように述べている:「2024年の過去3ヶ月間,地球は最も暑い6月と8月,記録上最も暑い日,そして記録上最も暑い北半球の夏を経験した。この記録的な気温の連続により,2024年が記録上最も暑い年になる可能性が高まっている。この夏に目撃された気温関連の極端な現象は,温室効果ガスの排出を削減するための緊急措置を講じない限り,さらに激しくなり,人々と地球にさらに壊滅的な結果をもたらすだろう。」
1991~2020年と比較した,北半球の夏季 (6月~8月) の地球平均地表気温の異常値。1979年から 2024年までの最初の 8ヶ月間 (1月~8月,つまり ‘year-to-date') の平均。データ ソース: ERA5。クレジット: Copernicus Climate Change Service/ECMWF。
ヨーロッパでは,2024年8月の平均気温は1991~2020年の8月の平均気温より1.57℃ 高く,平均より1.73℃ 高かった2022年8月に次いでヨーロッパで記録上2番目に暖かい8月となった。気温は南ヨーロッパと東ヨーロッパで最も平均を上回ったが,アイルランド北西部とイギリス,アイスランド,ポルトガルの西海岸,ノルウェー南部では平均を下回った。
6月から8月までを見ると,今年の夏は1991年から2020年の平均より1.54℃ 高く,ヨーロッパ史上最も暑く,2022年に記録された前回の記録(1.34℃)を上回った。ヨーロッパ全体では最も暑い夏だったが,データは,南東ヨーロッパと北スカンジナビアの記録的な高温から,アイスランド,アイルランド,イギリス北部,ノルウェー南部の平均以下の気温まで,地域全体でのばらつきを示している。
2024年6月~8月の地表気温の異常と極値。色分けされたカテゴリは,1991年~2020年の基準期間の気温分布のパーセンタイルを示している。極値 (「最も寒い」および「最も暖かい」) カテゴリは,1979年~2024年のランキングに基づいている。データ ソース: ERA5。クレジット: コペルニクス気候変動サービス/ECMWF。
2024年8月の南緯 60度~北緯60度の平均海面温度 (SST) は 20.91℃ だった。これは,この月の記録で 2番目に高く,2023年8月の記録よりわずか 0.07℃ 度低いだけである。
水理学変数(hydrological variables)に関しては,2024年8月は英国南部とアイルランド,アルプス,バルカン半島,ロシア北西部,フェノスカンジア東部を含むヨーロッパ大陸のほとんどの地域で平年より乾燥しており,南部と東部の地域では干ばつと山火事が発生した。
しかし,他の地域では平年より雨量が多くなった。特にアイスランド,英国北部とアイルランド,フェノスカンジアの大部分,ヨーロッパ大陸の北海岸,ロシア西部とトルコでは平年より降水量が多く,場所によっては洪水や被害が発生した。
1991~2020年の8月の平均と比較した,2024年8月の降水量,地表空気の相対湿度,土壌表面 7cm の体積水分含有量,地表気温の異常。濃い灰色の網掛けは,氷の覆いや気候学的に降水量が少ないために土壌水分が表示されていない場所を示している。データ・ソース: ERA5 および ERA5-Land。クレジット: コペルニクス気候変動サービス/ECMWF
8月の北極海の海氷面積は,過去3年間に比べて大幅に減少した。2024年8月は,1991~2020年の平均より17%小さく,46年間の衛星記録の中で この期間の 4番目に小さい面積だった。海氷密度の異常は,北極海のほぼ全域で平均を下回った。
一方,2024年8月の南極海の海氷面積の平均は,平均より7% 小さいものだった。前月と同様に,これは衛星データ記録の中で8月の面積としては 2番目に小さく,2023年8月に観測された -12% の値に次ぐものである。
(転載了)
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来年が 2023年,2024年 並みの暖かさなら ・・・ 。
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