世界の一流品,日本の包丁。
‘GEAR PATROL’,August 25, 2024付け
“The 8 Styles of Japanese Knives Every Cook Should Know”
「料理人が知っておくべき日本の包丁8種類」
の見出し記事を拙訳・転載します。
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The mythic and weirdly specific world of Japanese kitchen knives, explained.
日本の包丁の神秘的で奇妙に独特な世界を説明する。
日本の長年にわたる高品質の刃物作りの伝統は,刀(katanas)だけにとどまらない。日本は世界最高の包丁を生産している。
プロのシェフも家庭料理人も,刃物に関してはドイツ製か日本製を好む傾向があり,日本の包丁メーカーはより専門性と特定の用途に特化した(task-specific)デザインに傾倒している。
牛刀(gyuto)から柳刃包丁(yanagi)まで,知っておくべき最も重要な8つの日本の包丁のスタイルをご紹介する。
- Deba / 出刃包丁
出刃包丁は,主に魚を切るのに使われる,丈夫で(sturdy)やや小ぶりな刃である。漁師や魚屋は,魚の鱗を取ったり(scale),首を切ったり(behead),身を傷めずに切り身にするのに出刃包丁を使い,刃は細い骨や弱い骨も切れるほど丈夫である。
ただし,厚い骨を切ろうとすると包丁が傷む恐れがある。代わりに,骨や貝類を切るのに適した洋出刃包丁(yo-deba knife)を選ぼう。
- Gyuto / 牛刀(包丁)
牛刀は先端が柔らかい三徳包丁に比べて,正確な切断に適した鋭い先端を備えている。
牛刀(gyuto)の本来の目的は牛肉を切ったり解体したりすることだが(牛刀は「牛の剣(cow sword)」と訳される),基本的に何でも切り刻んだり,スライスしたり、細かく刻んだりするのに適している。
- Nakiri / 菜切り包丁
菜切り包丁(Nakiri)は長方形の刃を持ち,西洋式の大包丁(cleavers)に似ている。大包丁とは異なり,菜切り包丁は動物の骨を切るには薄すぎ,通常は野菜を切るのに使用される。
菜切り包丁は,揺らす動作(rocking action)ではなく,ギロチン・カット運動(「プッシュ・プル(push-pull)」カットと呼ばれることもある)によって,極細の切り込みを作ることができる。
- Petty / ペティナイフ
日本のペティ・ナイフは,基本的には日本の牛刀の小型版で,野菜の皮むき,装飾的な切り込み,その他の繊細な作業など,細かい作業に最適である。基本的には日本の果物ナイフ(paring knife)だが,少し大きめである。
- Santoku / 三徳包丁
三徳包丁は,西洋のキッチンで普及している最も一般的な日本の包丁かもしれない。このタイプの包丁は,牛刀包丁やシェフ・ナイフと同じくらい多用途だが,通常は長さが短く,刃先が真っ直ぐで,先端があまり鋭くない。
三徳(santoku)という言葉は「3つの美徳(three virtues)」と訳され,肉,魚,野菜,または刻む,スライスする,さいの目に切ることを表す。
- Sujihiki / 筋引包丁
筋引包丁は,刺身を切るのに使われる柳刃包丁(後ほど詳しく説明する)のより扱いやすい(approachable)バージョンでもある。
- Usuba / 薄刃包丁
薄刃包丁は菜切り包丁に似ているが,熟練した包丁使いにおすすめである。薄刃包丁は片刃(single-bevel)包丁で,片面だけが鋭利である。
片刃なので,薄刃包丁は左利き用と右利き用の2種類がある。薄刃包丁は菜切り包丁よりも精度が求められ,経験の浅い包丁使いは適切な訓練を受けていないと怪我をする可能性が高くなる。
- Yanagi / 柳刃包丁
寿司職人でない限り,柳刃包丁はおそらく必要ないが,それでも欲しいと思うほどかっこいい(cool)。刺身を切るのに使われる柳刃包丁は,繊細で正確な切り込みができる片刃の包丁である。
この包丁の細い刃は危険なほど鋭いので,何年もかけて使い方を学んだ人だけにとっておくべきである。
(転載了)
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