U.S.Steel が警告: 日本製鉄の買収破談なら,一部施設閉鎖 そして 雇用にリスク
バイデン,ハリス,トランプ,ヴァンスらが,日本製鉄によるU.S.Steelの買収に反対を表明しており,票集めのためと思われています。
これに対して U.S.Steel は そのホームページ ‘investors.ussteel.com/new’,Sept.4,2024 付けで
“U. S. Steel Employees to Rally in Support of Nippon Steel Transaction”
「U.S.Steelの従業員が日本製鉄の取引を支持して結集」
の見出しで 買収されなかった場合について示しています。
下記,拙訳・転載します。
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Employees Advocate for Deal Approval to Protect Jobs and Billions in Investment in U. S. Steel Union Operations
従業員は,雇用と米国鉄鋼組合事業への数十億ドルの投資を守るために取引承認を支持
Call on Governor Shapiro, Senators Casey and Fetterman and Local Elected Officials to Recognize Significant Benefits of the Transaction
シャピロ知事,ケイシー上院議員,フェッターマン上院議員,および地方選出公務員に対し,買収の大きなメリットを認識するよう要請
ピッツバーグ--(BUSINESS WIRE)—‘United States Steel Corporation’ (NYSE: X)(以下「U.S.Steel」)の従業員は本日,ピッツバーグのU.S.Steelタワーで日本製鉄の買収を支持する集会を開催する。従業員はペンシルベニア州および全国の選出公務員に対し,U.S.Steelの従業員,地域社会,顧客,および米国の鉄鋼業にとってのこの取引の大きなメリットを認識するよう呼びかける。
「本日の集会は日本製鉄との取引への支持を示すためのものである。選挙で選ばれたリーダーやその他の主要な意思決定者に,取引の利点と,取引が失敗した場合に避けられない結果を認識してもらいたいと考えている。」とU.S.Steelの社長兼最高経営責任者,デビッド・B・バリット(David B. Burritt)は述べた。
日本製鉄との取引がなければ,U.S.Steelは高炉施設(blast furnace facilities)から大きく方向転換することになり,高賃金の組合員数千人が職を失うリスクがあり,施設のある地域の多くのコミュニティに悪影響を及ぼし,米国の鉄鋼業界が世界舞台でより競争力を高める機会を奪う(depriving)ことになる。
総合製鉄(integrated steelmaking)からの撤退に加え,日本製鉄との契約がないことで,U.S.Steelがピッツバーグに本社を置き続けるかどうかについて深刻な疑問が生じている。1901年以来モンバレーで鉄鋼を製造してきたU.S.Steelの撤退は,ピッツバーグ地域から雇用,税収,地域貢献を奪うことになる。
2023年の経済影響調査によると,U.S. Steelのペンシルベニア州での事業は総額36億ドルの経済効果を生み出し,事業と地元サプライチェーンからの購入を通じて11,417人の雇用を支え,維持し,事業と設備投資の結果として州税と地方税で1億3,820万ドルを生み出した。
2023年12月18日,日本製鉄はU.S.Steelを買収し(acquire),両社が協力して「世界をリードする能力を備えた最高の鉄鋼メーカー」を創り上げると発表した。
U.S.Steelの株主は2024年4月12日にこの取引を承認した。特別総会で投票された株式の98%以上が取引に賛成票を投じた。
2024年5月30日,日本製鉄とU.S.Steelは,提案された取引に関連する米国外のすべての規制当局の承認を取得したと発表した。
日本製鉄は2024年8月28日,ペンシルバニア州のモンバレー工場(Mon Valley Works)とインディアナ州のゲーリー工場(Gary Works)にあるUSW(United Steelworkers)が代表する施設に27億ドル以上を投資し,これらの地域の製造業の未来を支援する計画を発表した。これらの投資は,U.S.Steelとの取引の完了と必要な規制当局の承認の取得を条件としている。独立したU.S.Steelは,同様の財務コミットメントを行うことはない。
(転載了)
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‘The Wall Street Journal’(Sept.3,2024)は社説で
“Biden, Harris, Trump, Vance and the Dumbest Economic Idea/America’s leaders all oppose Nippon Steel’s bid to make U.S. Steel more competitive.”
「バイデン,ハリス,トランプ,ヴァンス,そして 最も愚かな経済アイデア / アメリカの指導者たちは皆,日本製鉄が U.S.Steel の競争力を高めようとする試みに反対している。」
の見出しでー
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腐敗した政治時代の兆候として,バイデン大統領,カマラ・ハリス,ドナルド・トランプ,JD・ヴァンスが,これまでの大統領選挙戦で最も愚かな経済政策,つまり日本製鉄による U.S. Steelの141億ドルの買収に反対することに足並みをそろえている。
食品の価格統制,一律10%の関税,全国的な家賃統制などが議題に上がるなど,最も愚かな経済政策をめぐる競争が昨今熾烈になっていることは認める。しかし,日本製鉄との取引に反対することは,取引の明らかな利益と存在しない損害を考えると,この明らかな不名誉(distinct dishonor)について慎重に検討する価値がある。
――――――
と書いています。
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