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2024年10月30日 (水)

トランプの嘘の分析

サイト ‘THE CONVERSATIONOctober 21, 2024付けで
Why does Donald Trump tell such blatant lies?
「何故 ドナルド・トランプは こんなに あからさま嘘をつくのか?」
のタイトルの分析記事がありました。

下記,拙訳・転載します。

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政治における嘘に関しては,ドナルド・トランプは別格だ(in a class of his own)。ワシントン・ポスト紙によると,彼は大統領としての4年間で30,573件の虚偽または誤解を招く主張をしており,その数は就任1年目の1日あたり6件から4年目の1日あたり39件へと年々(year-on-year)増加した。

他の大統領も国民に嘘をついたことがあるが,このように嘘をついた大統領はいない。トランプの嘘の中には些細なもの(trivial)もあるが,多くは自己顕示欲が強いもの(self-aggrandising)だ(「私より優れた壁を造れる人はいない」)。さらに,2020年の大統領選挙が「盗まれた(stolen)」という嘘のように,もっとひどい(egregious)嘘もある。これは明らかに(demonstrably)事実に反し,危険で、国家と国民の信頼に深刻な影響を及ぼす。

そして,こうした嘘は通用する(cut through)。政治学者のケビン・アルセノー(Kevin Arceneaux)とロイ・トゥルークス(Roy Truex)による研究によると,不正選挙に関するこの「大きな嘘」は非常に「根強い(sticky)」ことがわかった。共和党支持者の約50が,反証がいくら現れてもそれを信じた。研究者らはまた,この嘘を信じることで共和党支持者の自尊心(self-esteem)が高まることもわかった - 彼らは結局「敗者」にはならなかったからだ。

嘘をつく政治家は,戦略的な優位性(strategic advantage)を得ることができる。真実をうまく飾り立てたり(embellish),新しい現実を構築したりできれば,複雑な真実よりも興味深く,魅力的なものになる傾向がある。真実は少し退屈で刺激に欠けるかもしれない;嘘はあなたが望むものなら何でも構わない。あなたは聴衆が何を聞きたいか知っている。

政治家は,嘘をつくことが私たちの日常生活の一部であることを知っている。嘘日記を使った心理学の研究によると,人は平均して 1日に 2回嘘をついている。その多くは他人の利益のためについた無害な「白い」嘘だが,中にはそれほど無害ではなく,嘘をついた本人の利益のためについた嘘もある。
そのような自己中心的な(self-centred)嘘をつくことで大きな喜びを感じる人もいる。心理学者はこれを「だます喜び(duping delight)」と呼んでいる。嘘をつかれた人は,罪悪感や不安の兆候を察知することを予想して混乱する。代わりに,彼らが見るのはかすかな満足の笑顔だけである。嘘つきは逃げおおせる(gets away with it)-その笑顔は何でも意味する可能性がある。

Who likes lying? / 嘘をつくのが好きな人はいるか?

ナルシストやサイコパスなど,共感力の低い(little empathy)人を含め,ある種の性格の人は,こうした嘘をつく傾向がある。彼らは受け手への影響など気にしない;自分のことばかり考えている。

人は一般的に,23歳という早い時期から嘘をつき始める。チャールズ・ダーウィンは自分の息子にこの傾向を観察した。

そして,認知能力(cognitive abilities)が発達するにつれて,嘘をつく能力も向上する。他のスキルと同様,練習すれば上達する。多くの大人が真実を言わないことに罪悪感を覚える一方で,政治家の中には嘘をつくことに罪悪感や恥,悲しみを感じないように見える人もいる。

Telling a big lie / 大きな嘘を吐く

かつて政治は芸術だと考えられていた。1532年に「偉業を成し遂げた君主は ・・・ 策略によって人々の知性を欺く(circumvent)方法を知っていた。」と書いたのは政治哲学者ニコロ・マキャヴェッリ(Nicolo Machiavelli)だった。その策略の一部は嘘だった。マキャヴェッリは,支配者は権力を維持するために何でもすべきであり,これには「偉大な偽善者になること(being a great dissembler)」も含まれると主張した。

政治家は,隠蔽(omission)や誇張(exaggeration)によって嘘をつくことがあるが,時にはトランプのように,あからさまな(outright)「大きな嘘」をつくこともある。この言葉は,アドルフ・ヒトラーが『我が闘争(Mein Kampf)』で導入したもので,この大きな嘘の概念は,ナチスがユダヤ人迫害を正当化するために使われた。

大嘘は「特にプロパガンダ戦術として使われる,真実を故意に(deliberate)大きく歪曲したもの(distortion)」と定義されることが多い。これらは社会を混乱させる(disrupt)力を持っていると主張されている。

政治史家のティモシー・スナイダー(Timothy Snyder)は,トランプが2020年の選挙結果を否定する際に大嘘の手法を使ったと非難した(accused)。

ヒトラーによれば,大きな嘘が効果を発揮するには,「人々の感情に訴えることで人々の想像力を喚起する」こともできなければならない。嘘は私たちの理性的な自己(rational selves)ではなく,無意識で(unconscious)感情的な自己(emotional selves)に向けられている。

トランプがオハイオ州スプリングフィールドで移民が犬や猫を食べていると言ったことは,私たちの理性的なシステムに訴えるものではない。それは私たちに鮮明なイメージを与え,私たちの感情的で無意識的なシステムに影響を与えようとしているのだ。

社会生物学者のロバート・トリヴァース(Robert Trivers)が指摘しているように,嘘をつくことは明らかに進化上の利点をもたらす。地位,富,業績は遺伝子の生存という偉大な進化の戦いにおいて重要であり,だからこそ人々は(トランプを含め)それらについて嘘をつくのだ。しかし,トリヴァースは,自己欺瞞(self-deceit)も進化上有利になり得ると述べている。なぜなら,自分自身を納得させることができれば,他人を説得し,より効果的になれるからだ。

おそらくトランプは,スプリングフィールドで犬や猫が本当に食べられていると自分に言い聞かせることができたのだろう。あるいは,「感情的なイメージを植え付ければ,信者にとって必要なのはそれだけだ。」と考えたのかもしれない。

魅力的なフィクションは私たちを魅了し,夢中にさせるかもしれないが,シェイクスピアが『ヴェニスの商人』で示唆したように,多くの人々は「真実はいつか明らかになる(truth will out)」と期待している。米国の選挙運動の最後の数か月は,これが必ずしも真実ではないかもしれないことを示唆している。

(転載了)
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おそらく トランプの嘘は 理論的根拠に基づくものではなく,経験的効果の認識,あるいは生まれついての性格,さらには無知によるものかも知れません。
さて 米国民は トランプが 大噓吐きと知りながら(中には そう思ってない国民も・・・)大統領に選ぶのでしょうか?

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