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2024年11月16日 (土)

この20年に 世界で発生した異常気象起因の災害 10件

今年も 大雨・洪水,熱波,干ばつなどが世界中で多発し,気候変動に起因していると言われています。
この20年間で 気象異状に起因する災害が どこで,どのように発生したか-

Daily Mail’ が,31 October 2024付けで
Revealed: The 10 DEADLIEST extreme weather events over the past 20 years - and scientists say climate change made them ALL worse
「過去20年間で最も死者数が多かった異常気象による災害10件が明らかに - 科学者によると,気候変動がこれらすべてを悪化させたという」
の見出しで 示しています。

下記,拙訳・転載します。
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干ばつ(droughts),洪水,熱波など,過去 20年間,地球上のどこも致命的な気象現象から逃れられなかったようだ。
新しい研究により,2004年以降に発生した最も致命的な異常気象 10件が明らかになり,合わせて 57 万人以上の死者を出した。
このリストには,昨年襲ったストーム・ダニエル(Storm Daniel)とヨーロッパの熱波,そして 25万人以上が死亡した 2011年のソマリアの干ばつも含まれている。

ワールド・ウェザー・アトリビューション(World Weather Attribution)の科学者らによると,10件の出来事(熱帯低気圧3件,熱波4件,干ばつ1件,洪水2件)はすべて,人為的な気候変動によって悪化したという。
インペリアル・カレッジ・ロンドンの気候学者でワールド・ウェザー・アトリビューションの共同創設者であるフリーデリケ・オットー博士は,気候変動は「遠い脅威(distant threat)ではない」と述べた。
「この気候変動は,57万人以上の死者を出した異常気象を悪化させた」と彼女は語った。
「この研究は,地球を熱くし,人命を奪う化石燃料に固執する政治指導者にとって,目を開かせるもの(eye-opener)となるはずだ。」
「石油,ガス,石炭を燃やし続ければ,苦しみは続くだろう。」

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1. SOMALIAN DROUGHT (2011) - 258,000 deaths
    ソマリアの干ばつ(2011年)―死者 258,000人
リストのトップは,2011年に起きたソマリアの干ばつで,深刻な食糧危機を引き起こし,25万8000人が死亡した。
この干ばつは ジブチ,エチオピア,ケニアなど東アフリカのいくつかの国を襲ったが,特にソマリアの国民が被害を受けた。
ワールド・ウェザー・アトリビューションによると,気温上昇により土壌や植物から水分が蒸発し,農作物の収穫量が落ち込んだため,干ばつがさらに悪化した。
ソマリアでは,過去20年間 国を悩ませてきた内戦が続いており,状況はさらに悪化した。

2. CYCLONE NARGIS (2008) - 138,366 deaths
    サイクロン・ナルギス(2008年)- 死者 138,366人
リストに挙げられた初期の災害の 1つで,2番目に死者数が多かったのは,2008年5月にミャンマーを襲ったサイクロン・ナルギスである。
このサイクロンにより,この東南アジアの国で少なくとも 138,000人が死亡したが,そのほとんどは,低地のイラワジ・デルタ(Irrawaddy Delta)を襲った 11 ft (3.5m) の洪水によるものだった。
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サイクロン・ナルギスは,少なくとも23万2000人が死亡した2004年のボクシング・デーの津波以来,アジアを襲った最悪の自然災害となった。ワールド・ウェザー・アトリビューションは,インド洋の地震によって引き起こされたこの津波は地質学的原因(geological cause)によるものであるため,リストに載せてないと述べた。

3. RUSSIAN HEATWAVE (2010) - 55,736 deaths
    ロシアの熱波(2010年)- 死者 55,736人
ロシアは極寒の気候で有名だが,2010年の夏の猛暑では月間気温が平均より 9℉ (5℃) 以上も高かった。
この暑さにより推定 55,736人が死亡し,年間の農作物生産量は 25% 減少し,経済損失は総額 150億ドル以上に上った。

2010年は,パキスタンで発生した壊滅的な洪水とともに,異常気象の年として記録された。
当時,学者たちは,この顕著な状況が世界中で続くだろうと予測していたが,その後 何が起こるかは彼らでさえ予想していなかったかもしれない。
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4. EUROPEAN HEATWAVE (2022) - 53,542 deaths
    ヨーロッパの熱波(2022年)- 死者 53,542人
フランス,イタリア,スペイン,ドイツ,英国を含むヨーロッパ諸国は,2022年の夏に最も危険な暑さの時期の1つに直面した。
多くの人が104℉(40℃)を超える気温に不快感を覚え,科学者によると,ヨーロッパ全土で熱波により合計53,542人が命を落とした。
極度の暑さにさらされると,特に高齢者や虚弱者の場合,熱中症(heat exhaustion)や熱射病(heat stroke)で死亡する恐れがある。
英国では,気温が初めて 104℉ (40℃) を超え,7月19日にリンカンシャーのコニングスビーで 104.5℉ (40.3℃) という新記録を樹立した。

今週初め,別の研究で,2022年夏のヨーロッパにおける熱気に関連する死亡者の半数は,人為的な地球温暖化が原因であるとの報告があった。

5. EUROPEAN HEATWAVE (2023) - 37,129 deaths
    ヨーロッパの熱波(2023年)- 死者 37,129人
イタリア,フランス,スペイン,ドイツ,ギリシャ,ルーマニアを襲った昨年の熱波もほぼ同程度に致命的だった(lethal)。
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ワールド・ウェザー・アトリビューションによると,ヨーロッパ全土で気温が急上昇し,脆弱な人が増加していることで,合計3万7129人が死亡した。
気候変動がなければ「あり得ない」気温が地中海西部で観測されたと付け加えている。
英国気象庁によると,ジェット気流の位置により,英国は2022年の夏の猛暑の再発を回避できたという。

6. STORM DANIEL (2023) - 12,352 deaths
    ストーム・ダニエル(2023年)― 死者 12,352人
昨年は,記録上最も多くの死者を出した地中海の熱帯性サイクロンとされるストーム・ダニエルも発生した。
この嵐により推定12,352人が死亡し,その大部分はリビアだったが,ギリシャ,ブルガリア,トルコでも死者が出た。

リビアは,大雨によりデルナ市付近の2つのダムが決壊したことで,最も大きな被害を受けた。
ワールド・ウェザー・アトリビューションは,「ダムは,この地域が経験した記録的な降雨量に対処するように設計されたものではなかったが,この地域で続く紛争によるメンテナンス不足が,ダムのインフラの劣化(deterioration)を招いた。」と述べている。
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7. TYPHOON HAIYAN (2013) - 7,354 deaths
    台風ハイエン(2013年)― 死者 7,354人
ハリケーンと台風は同じ気象現象(熱帯低気圧)だが,北西太平洋で発生した場合は「台風(typhoon)」という名前が付けられる。
フィリピンでは「ヨランダ(Yolanda)」として知られているハイエンは,同国の近代記録の中で最も死者を出した台風だった。
この台風は,タクロバン(Tacloban)の町を含む一部の地域で高さ 16ft (5m) を超える高潮 (水の壁) を引き起こした。
ワールド・ウェザー・アトリビューションは,2013年のこの気象現象により 7,354 人が死亡したと主張しており,全体では 46の州で 1,400万人が影響を受けたと考えられている。

8. NORTH INDIA FLOODS (2013) - 6,054 deaths
    北インド 洪水(2013年)― 死者 6,054人
北インドの洪水は主にウッタラーカンド(Uttarakhand)州を襲い,6,054人が死亡,2004年の津波以来最悪の自然災害となった。
2013年6月の災害は例年より多い降雨量によって引き起こされた。気温が上昇するとより多くの水を保持できるようになるため,気候変動によって豪雨が発生しやすくなる。
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ワールド・ウェザー・アトリビューションは,気候変動により,この災害中の降雨量は11%増加したと推定している。

9. CYCLONE SIDR (2007) - 4,234 deaths
    サイクロン・シドル(2007年)― 死者 4,234人
リストの2番目のサイクロンは,2007年11月のサイクロン・シドルで,バングラデシュ史上最悪の自然災害の1つを引き起こした。
巨大な渦巻く嵐(swirling storm)が,同国の脆弱な低地の人口密集した沿岸地域を襲い(slammed),合計4,234人が死亡した。
サイクロン・シドルは,風害,洪水,高潮(tidal surge)により,30地区で 45万戸以上の住宅を破壊した。
最も被害が大きかった 6地区の世帯の 50%以上が 一部損壊,あるいは 全壊した。

10. EUROPEAN HEATWAVE (2015) - 3,275 deaths
      ヨーロッパ熱波(2015年)- 死者 3,275人
最後に,2015年のヨーロッパの熱波は,21世紀が進むにつれて何が起こるかをヨーロッパ大陸に垣間見せた。
2015年の夏は,中央ヨーロッパで暑く乾燥した気候となり,極端な気温の上昇が顕著だった。
合計で 3,275人が亡くなったが,そのすべてがフランスで発生した。これもまた,暑さへの備えができていない「ますます脆弱な国民(increasingly vulnerable population)」が原因だった。

ワールド・ウェザー・アトリビューションは,「暑さのリスクに最も影響を受けやすい(susceptible)のは,高齢者,既存の健康状態(心臓,肺,腎臓の病気など)に問題を持つ人々,重労働従事者,幼児,精神疾患を抱える人々である」と述べている。
(転載了)
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次の20年で さらに大規模な災害が発生しないと,言い切れる人は いないでしょう。
科学を信じないトランプが米国大統領になったのでは 行く先は暗い。

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