ポール・ワトソンの近況,グリーンランドでの拘留 更に18日まで6度目の延長。
デンマーク自治領グリーンランドの警察は12月2日,7月に拘束した反捕鯨団体「シー・シェパード」の創設者ポール・ワトソン容疑者に対して,4日の期限を12月18日までに延長することを決めたと明らかにしました。(15日までに引き渡し是非を判断)延長は6回目です。
ワトソン容疑者は日本の調査捕鯨を妨害したとして,日本の要請に基づき国際刑事警察機構(ICPO)が国際手配。船の給油などのため立ち寄ったグリーンランドで警察に拘束され,日本政府が身柄の引き渡しを求めています。
直近のワトソンの様子について ‘The Guardian’ が Dec.1,2024付けで
‘“If I’m sent to Japan, I’m not coming home”: jailed anti-whaler defiant in face of extradition threat’
「『日本に送られたら帰国することはない』:投獄された反捕鯨運動家,引き渡しの脅威に反抗」
の見出しで伝えています。
下記,拙訳・転載します。
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ポール・ワトソン船長が日本政府のために逮捕されたこと,グリーンランドの「興味深い(interesting)」刑務所,そして子供たちとの別離について語るポール・ワトソンが今夏,独房から観察したザトウクジラ(humpback whales)は,氷山が点在する(iceberg-flecked)ヌープ・カンゲルルア・フィヨルド(Nuup Kangerlua fjord)から暖かい海へとずっと以前から移動していた。ワトソンは,ある者にはエコテロリスト,またある者には勇敢な環境保護主義者(environmentalist)として知られ,デンマーク自治領の首都ヌーク近郊で船「ジョン・ポール・デジョリア号(MV John Paul DeJoria)」の給油中に逮捕され,グリーンランド南東部の凍った海岸沿いにある厳重警備の刑務所アンシュタルテン(Anstalten)に移送されてから 4か月以上が経った。
彼は32人の乗組員を率いて,数十年にわたる「非暴力的攻撃(non-violent aggression)」政策を実践するため,75億円($4740万)を投じた日本の新捕鯨「母船」関鯨丸を妨害しようとしていた。しかし,彼の船を港に係留した直後に「立派なパトカーが現れ(a nice police car turned up)」,12人の武装警官が乗り込んだ。
これは,ワトソンが日本の捕鯨船と公海で繰り広げてきた戦いの,最新かつおそらく最も劇的な章の始まりを証明するものだった。日本政府は当初,「調査」の抜け穴(loophole)を利用して1986年の国際水域での捕鯨禁止令(moratorium on hunts)を回避し,その後,自国の排他的経済水域内で商業捕鯨を続けるため IWCから完全に脱退した。 現在,日本は再び捕鯨を拡大したいという意欲を維持していると言われている。
「その時,私は船長席に座っていたのだが,彼らの一人が近づいてきて,シャツを掴み,椅子から引きずり下ろして向きを変え,手錠をかけた(handcuffed)。」とワトソンはヌーク港での逮捕について語る。「私は『これは何のためか?』と尋ねた。すると彼らは『そのうち分かるだろう(You’ll find out)。』と言い,私を警察署に連れて行った。彼らはあまり友好的な連中(bunch)ではなかった」
7月21日の逮捕は,日本政府が発行したインターポールの赤色通告(red notice)がきっかけだった。日本政府はワトソンを,2010年に南極で捕鯨船・昭南丸2号に不法侵入し,操業妨害し,損害を与えようと共謀した罪で告発しているが,さらに重要なことに,悪臭爆弾の弱い酸で日本人乗組員に軽傷を負わせた罪で告発している。
ワトソンは容疑の犯行現場にはおらず,指揮を執ったことも否定しているが,コペンハーゲンの法務省が,最長15年の禁固刑に処される可能性のある容疑で日本側がワトソンの身柄引き渡しを要求していることを引き続き検討しているため,彼は月曜日に74歳の誕生日を迎えるにあたり,グリーンランドでの拘留が少なくともあと1か月延長されると裁判官から告げられる予定だ。祖父であり,2人の幼い子どもの父親でもあるワトソンは,クジラたちが去ったずっと後,来客用の部屋として使われている空き部屋から話をしている。
アンシュタルテンは,グリーンランド政府によって,同国の最も重罪を犯した者を1800マイル南東のデンマークに送還する代わりに「人道的な(humane)」代替手段として2021年に開設された。彼には,専用バスルームがあり,フィヨルドの素晴らしい景色を眺めることができる12平方メートルの部屋を与えられている。受刑者たちには毎週水曜日に1350デンマーク・クローネ(150ポンド)が支給され,共同キッチンで調理する食料を刑務所の売店で購入できる。
彼は,朝は卵を食べ,昼食は抜き,夜は麺類と野菜を食べる。ある時,刑務官が彼のドアをノックし,獲れたての鱈を勧めた。「店ではクジラやアザラシも売っている。」と彼は言う。「ある時,(受刑者が)『我々と一緒にクジラを食べないか?』と言ったので,私は『どう思う?』と答えた」
ワトソンは,ここは「興味深い刑務所」だと認めている。ここの囚人は,弾を込めた武器を持って狩りに行く権利がある。ワトソンはまた,自分の苦境について楽観的である(sanguine)という印象を与えたいと思っている。これは,活動の代償として負わなければならないかもしれない重荷だとわかっているのだ。彼は早口で明快に話す。彼の一連の決まり文句や逸話は,彼のメッセージを伝えるのに役立つ:彼の運動はここから続くのだ。
しかし,3歳と8歳の一番下の子供たちについて話すとき,彼はもっと多くのことを明かす。4度の結婚のうち最初の妻との間に生まれた44歳の娘には,幼少期にはあまり彼に会わなかったと認めている。しかし,娘は元気に過ごしており,彼は息子のタイガーとマータグとの生活について別の選択をした。彼らが生まれたとき,彼は長距離旅行をしないことを選んだが,今では毎週日曜日の夕方に10分だけビデオ通話で家に帰っている。
「私は悲しまないから,子供たちも悲しまない。」と彼は言う。「つまり,どんな感じかはわかっている。母は私が13歳のときに亡くなった。父はひどく虐待的だった。だから,そういう意味では,本当に幸せな子供時代ではなかった。でも,そのことで私は子供たちがあらゆる意味できちんと世話されるようにしようと決心した。」 妻のヤナ(43歳)は心配している。「彼女は他の人より少し感情的になりやすい。」と彼は乾いた笑い声で言う。「彼女は大丈夫。彼女は時々ちょっとドラマチックになる。」
米国とカナダの二重国籍を持つワトソンはトロントで生まれ,ニュー・ブランズウィック州セント・アンドリュースで育った。父親から身体的虐待を受けた彼は,ニュー・ブランズウィック州首相ヒュー・ジョン・フレミングの妻アイダ・フレミングが設立した動物愛護団体「カインドネス・クラブ」に身を投じた。それは一時的な解決だった。「14,15,16歳のときに家出をし,最終的に完全に海に逃げ出した。ノルウェの商船に乗船した。」と彼は言う。
ワトソンは,自らを抗議者(protester)とは呼ばない。捕鯨と動物福祉に関する国際条約の執行者(enforcer)だと自負している。自分の仕事で誰かを傷つけたことは一度もないが,自分の体を危険にさらすことはあったと誇らしげに語る。彼の乗組員は,クジラの命を救うために自分の命を犠牲にする覚悟があるかと尋ねられた。「そして,彼らがノーと答えたら,私は言った:『それなら,あなたたちは必要ない。』」
また,過去には捕鯨船を沈没(scuttling)させたこともある。この強硬なアプローチにより,彼はグリーンピースを去った。グリーンピースでは先駆者の一人だったが,後に,他の人たちが物議を醸すような道を選ばなかったため,自らが設立したシー・シェパードの組織で同僚たちと再び衝突することになった。また,このアプローチは多くの著名人から称賛され,2009年にはこの悪名高い人物への究極のトリビュートとなった:サンタクロースのような容姿をもてはやしたサウス・パークのパロディである。
ここ数週間,ワトソンの釈放を求めた著名人には,俳優のブリジット・バルドーやピアース・ブロスナン,映画監督のジェームズ・キャメロン,実業家のリチャード・ブランソンなどがいる。ブラジルのルラ・ダ・シルバ大統領は獄中のワトソンに手紙を書いた。ワトソンはパリとマルセイユに住んでおり,エリゼ宮(the Élysée Palace)はエマニュエル・マクロン大統領が帰国を望んでいると公に発表した。しかし,日光を浴びていない男の青白い顔色を強調する真っ白な服を着たワトソンは,依然収監されている(incarcerated)。
手錠をかけられ,シートベルトなしでパトカーに乗せられた後,彼の左手,つまり書く手は,いくらか痛みを感じている(discomfort)。傷は十分に癒えており,彼は「スペースシップ・アース(Spaceship Earth)」という題名の子供向けの本を執筆している。この本は,主要なエンジニア達を殺害する乗客について書かれているが,彼は閉じ込められている。彼は,日本の引き渡し努力(extradition efforts)は,捕鯨船を妨害する(thwart)何度も成功した試みに対する復讐だと考えていると述べている。この戦いは,2000年代後半にアニマル・プラネット・チャンネルで人気を博した番組「ホエール・ウォーズ」で記録されている。
彼は日本の刑務所で生き延びられる(survive)とは思っていない。「日本に送られたら,もう帰られないのは分かっている。」と彼は言う。だからワトソンは待ち,家族のことを願い,平静を保っている。「自分でコントロールできないことでイライラするなんてありえない。」と彼は言う。「ほら,何の意味があるんだ? それに私は何に対しても怒ったことがない。怒ることに何の意味があるんだ?」 しかし,80歳を超えて,ポール・ワトソン船長が少し怖がったとしても恥ずかしいことではない。
(転載了)
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デンマーク もしくは グリーンランドが判断を迷っている理由は?
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