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2025年1月17日 (金)

トランプは米国のリア王か?

TORONTO STAR’,Dec. 14, 2024付け
Opinion | Donald Trump is America’s King Leer
「オピニオン | ドナルド・トランプはアメリカのリア王だ」

By John Richardson, Contributor
Dr. John M. Richardson is an adjunct professor at the Ottawa faculty of education with specialties in educational technology, project-based learning and English pedagogy.
寄稿者:ジョン・リチャードソン
ジョン・M・リチャードソン博士:教育技術,プロジェクト・ベースの学習,英語教育学を専門とするオタワ大学教育学部の非常勤教授

001_20250113152901(*見出しが “Lear” ではなく “Leer” になっているのが 単なるミスなのか-そんなことがある?- 深い意味があるのか,不明。)

下記,拙訳・転載します。
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“All of New York is in mourning,” my friend said over breakfast in the West 34th Street Skylight Diner the morning I was due to see Kenneth Branagh’s “King Lear” at the Shed Theatre.
「ニューヨーク全体が喪に服している(in mourning)」と,シェッド劇場でケネス・ブラナー(Kenneth Branagh)監督の『リア王』を観る予定だった朝,友人がウエスト34番街 スカイライト・ダイナーで朝食をとりながら言った。

ドナルド・トランプがホワイトハウスに戻ってくる今,街を違った目で見ずにはいられない。これからの4年間はどうなるのか?福音派の聴衆(evangelical audiences)に二度と投票する必要はないと言ったのはどういう意味だったのか?

トランプの選挙勝利というレンズを通してシェイクスピアの劇を見ながら,私は彼の最初の任期について,そして劇が2期目について何を教えてくれるのかについて考えた。驚くべき類似点が浮かび上がった(Striking parallels emerged)。

:リア王の虚栄心(vanity)は,娘たちに誰が彼を一番愛しているかと尋ね,ゴネリルが「閣下,私は言葉では言い表せない(wield)ほどあなたを愛しています。視界(eyesight),空間(space),自由(liberty)よりも大切なのです。」と答える場面に表れている。
大統領職:トランプの虚栄心は,2017年の閣僚会議で,各官僚に自分を褒める(praise)よう求め,彼らが大げさに(fulsomely)褒め称える場面に表れている。「アメリカ国民に対する約束を守っている大統領の副大統領を務めることは,私の人生で最も大きな特権(privilege)だ。」とマイク・ペンス(Mike Pence)は語っている。

:忠実な(loyal)ケントは,リア王の愚行(folly)について真実を語ったために追放される(banished)。ゴネリルやリーガンのような二枚舌の(duplicitous)役者たちが立ち上がる(rise up)。
大統領職:レックス・ティラーソン(Rex Tillerson)国務長官のようなもっと理性的な役人たちは,トランプの愚行について真実を語ったために追放され,今や二枚舌の役者,寄付者(donors),「ごますり」(sycophants)たちが 再び立ち上がる。
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:グロスター伯爵(the Earl of Gloucester)の非嫡出の息子(bastard son)エドマンドは,法律や慣習ではなく,自然の弱肉強食法(the dog-eat-dog laws)に従うことを誓う。「汝,自然は私の女神。汝の法に/私は従う義務がある。(Thou, Nature, art my goddess. To thy law/My services are bound.)」
大統領職:トランプは,政権移行プロトコル(transition protocols)に従うことを継続的に拒否していること(ongoing refusal)からもわかるように,自分に奉仕する(serve himself)ために規則や慣習を無視している(steamrolls)。

:登場人物は盲目と盲目のふり(blind and blinded)。「リア王よ,もっとよく見ろ,そして私をあなたの目の真の空白のままにさせてくれ(The true blank of thine eye)」とケントはリア王に告げる。
大統領職:どこから始めればいいのか?気候変動に目をつぶり,2015年のパリ協定から米国を離脱させるのか?

:道化(the Fool)ははっきりと見え,権力に真実を語る。「お前は賢くなるまで年老いるべきではなかった(Thou shouldst not have been old till thou hadst / been wise)」と彼は言う。
大統領職:深夜のコメディアンは,権力に対してはっきりと物事を見ており,真実を語る。フォックス・ニュースはニュルンベルク裁判をどのように報道しただろうか,とレイト・ショーの司会者スティーブン・コルベア(Stephen Colbert)は,トランプの憎悪に満ちた(hate-filled)最後の集会に対する同局の明るい発言(chipper take)の後で質問する。「ハイタッチ愛好家(high-five enthusiasts)は,オーストリアのスーパースター画家の小さな口ひげに興奮?」

:絞首刑(death by hanging)。「お前を絞首刑にしていた奴隷を殺した(I killed the slave that was a-hanging thee)」とリア王は第5幕の終わりにコーデリアの遺体を腕に抱えて言う。「そして 私の哀れな道化師は絞首刑にされた」
大統領職:絞首刑。「マイク・ペンスを絞首刑にしろ!(Hang Mike Pence!)」1月6日の暴徒たちは国会議事堂に向かって行進しながら叫んだ(chant)。

002_20250113152701劇が終わってミッドタウンのホテルに戻る途中,マディソン・スクエア・ガーデンの外に警備車両の列と落ち着きのない小さな群衆がいるのに気づいた。トランプは,イーロン・マスク,下院議長のマイク・ジョンソン,そして間もなく(soon-to-be)保健長官となるロバート・ケネディ・ジュニアとともに,超暴力的な(uber-violentUFCUltimate Fighting Championship)の総合格闘技(mixed martial arts)の試合を観戦して勝利を祝っていた。

「リア王」の終わりまでに9人が死亡。トランプの大統領就任1期目の終わりに5人が死亡。今後4年間に何が起きようとも,劇はトランプの2期目も混乱に終わることを示唆している。シェイクスピアは,確立された政治秩序がルールに従うことを拒否する,怒りとせっかちな人々によって踏みにじられた(trampled)時代を暗い視点で描いていた。しかし,劇はシェイクスピアの時代と現代の両方に希望を与えている。ケントは忠誠の美徳を思い起こさせる。エドガーの最後の言葉は,情報操作(spin)や嘘よりも誠実さが持つ永遠の(everlasting)価値に光を当てている:

The weight of this sad time we must obey,
この悲しい時の重みに私たちは従わなければならない,
Speak what we feel not what we ought to say.
言うべきことではなく,感じていることを話そう。
(転載了)
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トランプを「リア王」に例える人は多いようです。
国際政治学者で元アメリカ合衆国国務省参事官にしてシェークスピアの研究者でもあるエリオット・コーエン(Eliot Asher Cohen)は,年老いて子に裏切られ,身を滅ぼす「リア王」に 現在のトランプを重ね,次のように語っています。
「リア王はある時点で責任を放棄し,栄光のみを求めた。さらに周囲の人々の心情を把握する能力も失う,トランプが同じ状態に陥る可能性はある。」
選挙に勝って ニューヨークが喪に服す米国のリア王に国の進路を託す米国民とは? 

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