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2025年3月13日 (木)

2月28日のワシントンでの出来事 ー トランプがウクライナ側に立つこと決してない

停戦交渉が進んでいるようですが 2月28日のワシントンでの会談の様子から トランプ(政権)が 何を企んでいるのか 気になります。

この会談について エグモント研究所およびゲント大学のスヴェン・ビスコップ教授が書いています。
(エグモント研究所-王立国際関係研究所は,ブリュッセルを拠点とする独立した非営利のシンクタンクで,国際関係に関する学際的な研究を専門としている。)

EGMONT’,Mar.3, 2025付け
Disgrace in Washington, Decisions in London
「ワシントンの不名誉,ロンドンの決断」
を 拙訳・転載します。
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By Sven Biscop In Commentaries

001h_20250312190101 EU and strategic partners, EU strategy and foreign policy, Europe in the World, European defence / NATO
EUと戦略的パートナー,EU戦略と外交政策,世界におけるヨーロッパ,ヨーロッパ防衛/NATO

怒りと恥ずかしさ(Angry and ashamed)。先週の金曜日(2025年2月28日),トランプ大統領とヴァンス副大統領がゼレンスキー大統領に2対1で攻撃する(ganging up)様子をテレビで生中継で見たとき,私はそう感じた。しかも,トランプ大統領は前任者を「愚か者(stupid)」と呼んだ。国家元首にふさわしくなく(unworthy),アメリカ合衆国の恥辱(disgrace)だ。その直後,ゼレンスキーはホワイト・ハウスから退去するよう求められ(summoned),予定されていた鉱物協定の調印は中止された。実際の安全保障の保証をせずにウクライナの資源を主張するのは,取引(deal)ではなく脅迫(blackmail)である。

これからどうなるのか? トランプはプーチン大統領との交渉で,ウクライナを犠牲にしてさらに譲歩する(concessions)のだろうか?(会談が始まる前から,彼はすでにNATO加盟を除外していたのだから)。この一連のパフォーマンスは,戦争が激化する中,トランプにウクライナへの軍事支援を終わらせる口実を与え,プーチンが最終的な合意に達する前にさらに多くの領土を征服できるようにするための仕掛けに過ぎなかったのだろうか? 最も重要なのは: 我々 ヨーロッパはこれから何をするのか? 幸いなことに,昨日(3月2日) ロンドンで行われた欧州首脳会議は決定的なものとなった。

Europe Assumes the Risk / ヨーロッパがリスクを負う

確かに,どれほど動揺していても,感情に支配されてはいけない。感情は行動の動機となるかもしれないが,戦略の本質を決定づけるものではない。戦略はまた,未来を予測しようとするものではない。戦略は自分自身の利益から始まり,正しい選択をするために慎重な仮定を立てる。
ホワイト・ハウスでの恥ずべき(shameful)光景の中で私が最も衝撃を受けたのは,トランプがプーチンを再び,いわゆる民主党の陰謀(conspiracy)の犠牲者として紹介するのにどれほどの時間を費やしたかである。したがって,私の単純だが,非常に重要な慎重な仮定は,プーチンが大統領である限り,トランプはロシアの側に立つだろうということである; ヨーロッパの側に立つことはなく,ウクライナの側に立つことは決してない。

したがって,ヨーロッパはロシアに対抗してウクライナを支援するという点で,独力で臨むことになるかもしれない。そのため,ウクライナを放棄したいという誘惑に駆られる人もいるかもしれないが,それは大きな(grave)間違いだろう。「恐れる者は,結局同じ打撃を受ける危険を冒す(Those who are afraid, risk the same beating nonetheless)」 は,第二次世界大戦の退役軍人だった私の祖父のお気に入りの言葉だった。我々は,あらゆる選択肢が相当なリスクを伴う段階に達している。

2022年にEUがウクライナの参加を招いたとき,我々は根本的な(fundamental)選択をしており,それに固執しなければならない。ロンドン・サミットで,欧州の指導者たちはトランプに対し,彼らも既成事実(faits accomplis)を作り上げることができることを証明した。それが戦争の最終的な解決を形作ることになる。まず第一に,ウクライナがこれ以上領土を失うことがないように,ウクライナへの軍事支援が急増する(surge)だろう。
第二に,解決後も ヨーロッパはウクライナへの武器供給を続けるだろう ― プーチンが要求する 「非軍事化(demilitarisation)」の話は出ないだろう。そして第三に,プーチンが好むと好まざるとに拘わらず,ヨーロッパ諸国連合(coalition of European states)がウクライナの安全を保証し,それを信頼できるものにするためにウクライナの戦線の背後に欧州軍を配備するだろう。

フランスと英国(偶然ではないが,この2つは欧州の核保有国)はすでにその連合を構築し始めている。英国のスターマー首相は,英国軍が地上に,空に出動すると明言した(stated unambiguously)。安全保障は平和活動ではない。これは抑止力(deterrence)の問題である: ロシアが停戦協定(ceasefire)を破り,ウクライナに3度目の攻撃を仕掛ければ,我々と戦争になる。

それ故,確かにこれはロシアとの戦争のリスクを示唆している。しかし,ウクライナを見捨てることも同様である。今,ロシアを阻止しなければ,ロシアは間違いなくジョージアとモルドバを独占的な勢力圏に完全に組み込もうとするだろう。そして,我々が簡単に脅かされる(intimidated)という印象を与え続けると,我々自身が標的になるかもしれない。だからこそ,ウクライナの EU加盟を追求する必要があるのだ。いずれにせよ,戦争のリスクは存在する。私は,抑止力(deterrence)の一部として,数十万人の百戦錬磨の(battle-hardened)ウクライナ軍兵士を配備する方が,彼らなしで戦争に立ち向かうよりはましである。

Will the US Assume Responsibility? / 米国は責任を負うのか?

もちろん,ヨーロッパの指導者たちは依然として米国を巻き込むことを目指している。繰り返しになるが,これは戦略の問題であり,感情や個人的感情の問題ではない。しかし,NATO事務総長ルッテが,トランプとの関係修復の道を見つけるのはゼレンスキー大統領次第だと述べたように,ウクライナにすべての責任を押し付けるのは明らかに行き過ぎだ。トランプの気まぐれ(whims)は,お世辞(flattery)で 一時的には和らぐ(respite)かもしれないが,結局のところ,彼はプーチンのように,力にしか応じないようだ。

ウクライナの EU加盟とロシアに対するEUの制裁(sanctions)とともに,ロンドンでなされた断固たる決定は,トランプが交渉で譲ることのできない事実である。これにより,トランプが正当に求めている和平協定には,欧州,そしてもちろんウクライナ自身との協調(concertation)が不可欠であると,トランプ政権が納得することを期待したい。

安全保障の保証のためにヨーロッパが地上部隊を派遣するのは理にかなっている; ウクライナは米国ではなく EUに加盟することになる。しかし,その保証が発動され(invoked),ヨーロッパがロシアと戦争状態になった場合,第5条は適用されないと述べることで,米国は自らが要求した保証を直接損なってしまった。現実には,このシナリオでは NATOが関与することになる。なぜなら,欧州連合の全加盟国は NATO同盟国となるからだ: 米国が戦いに加わるか,NATOはそこで消滅するかのどちらかだ。
米国にはそれはできない。米国は依然として,不可欠な経済パートナーである欧州の安全保障に重要な利益を持っているからだ。しかし,トランプは自身の戦略を機能させたいのであれば,そのことを非常に明確に(explicitly)述べなければならない。しかし,不信の種(seed of distrust)はまかれ,それは我々の抑止力の信頼性に非常にダメージを与えている: 今や,プーチンを喜ばせることに関してトランプのレッド・ラインがどこにあるか,あえて言う者がいるだろうか?

したがって,抑止力の有効性を維持するために,ヨーロッパは NATOのヨーロッパの柱を緊急に強化する必要がある。これまで米国に頼っていたすべての通常能力を,追加的な防衛努力を調整することで,我々自身で獲得する必要がある。目標は:すべてのヨーロッパの同盟国の連合軍が完全で自立した(autonomous)戦力パッケージを構成することである。

一方,米国自体の信頼性は,ヨーロッパだけでなく世界中で損なわれている。「自由世界は新しいリーダーを必要としている。」 と EU上級代表のカヤ・カラス(Kaja Kallas)は宣言した。これは,世界における米国の権力の地位に多大な損害を与える。特にアジアの米国の他の同盟国も,米国を本当に信頼できるかどうか疑問に思い始めるかもしれない。
西側諸国に敵対する勢力は,いざというときに(push comes to shove) 欧州と米国が常に同じ側に立つことをもはや考慮する必要がない。中国は,ロシアを抑制し、停戦を尊重するよう圧力をかけることに大きな利益があることを認識しているはずだ。なぜなら、欧州は北京にとって不可欠な経済パートナーでもあるため、欧州とロシアの戦争は中国にとっても大惨事となるだろう。

This Is Europe / これがヨーロッパだ

今は,ロシアに対する(vis-à-vis)西側諸国の過去の過ちについて不平不満を言う時ではない。我々は確かに過ちを犯したが,ロシアが,ロシアだけが戦争を選んだ。だからこそ,我々は今のような状況にあるのだ。誰もが重大な(momentous)決断を下さなければならないと認識している世界史の瞬間のひとつだ。ヨーロッパのリーダーシップが台頭しつつある。さらに,ロンドンにはカナダとトルコもいた。
アメリカのリーダーシップの危機には,英国と大陸ヨーロッパの和解(rapprochement)など,いくつかの良い副作用もある。ヨーロッパ大陸自体の安定が脅かされると,英国が伝統的な戦略的役割に戻り,勢力均衡を維持できる連合を築く(forge)ために立ち上がるのを見るのは心強い(heartening)。ベルギー人として,独立時と2つの世界大戦の最初から,我が国の真の同盟国(truest ally)は米国ではなく英国だったことを思い出させてくれる。

Prof. Dr Sven Biscop (Egmont Institute & Ghent University) has always been an Anglophile. Today, he is proud of saying so again.
スヴェン・ビスコップ教授(エグモント研究所およびゲント大学)は常に親英国主義者だった。今日,彼は再びそのことを誇りに思っている。(転載了)
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ヨーロッパはトランプが率いる米国を信用せず,覚悟を決めたようです。

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