猛暑のヨーロッパに関連した 国連機関の動き
6月下旬から ヨーロッパを熱波が襲っています。
国連機関としても 黙ってはおられぬと対策を考慮しています。
‘WMO(World Meteorological Organization:世界気象機関)’ は July 3, 2025付け
“Extreme heat grips Europe”
「猛暑がヨーロッパを襲う」
のタイトルで 報告しています。
下記,拙訳・転載します。
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The World Meteorological Organization, its members and partners are ramping up action against extreme heat to protect lives from what is widely described as a silent killer.
世界気象機関とその加盟国およびパートナーは,サイレント・キラーとして広く知られる猛暑から人命を守るため、猛暑に対する対策を強化している。
北半球(the Northern hemisphere)では,7月が通常,年間で最も暑い月である。
現在,西ヨーロッパは強い高気圧の影響を受けており,北アフリカからの乾燥した空気がこの地域に閉じ込められており(trapping),その結果,猛暑が日常生活のあらゆる側面に大きな影響を与え,大気汚染の急増(spikes)や山火事の大きなリスクにつながっている。さらに,一部のヨーロッパ諸国では深刻な干ばつが発生している。
現在,西ヨーロッパ,北米,北アフリカ,中東,中央アジアの多くの地域で,例年よりはるかに高い猛暑と気温の影響を受けている。
対照的に,南半球の冬は,アルゼンチン,チリ,パラグアイといった南米で,6月は異例の記録破りの寒波に見舞われた。
西ヨーロッパと南西ヨーロッパでは,最低気温(夜間の気温を表す)と最高気温(通常は午後に発生)の両方が,一部の地域で6月の月間観測記録を更新した。
このような猛暑は通常,真夏に発生するため,これは絶対値だけでなく,時期的にも異例なことである。
地中海の海面水温(SST:Sea surface temperatures)も,この時期としては例外的に高く,陸地の極端な気温を強める傾向がある。
Some examples(いくつかの例):
AEMET(Agencia Estatal de Meteorología:スペイン国立気象局)は,週末にスペイン南部で気温46.0℃を記録した。ポルトガル,イタリア,ギリシャも猛暑に見舞われていた。
フランス気象庁(Meteo-France)は,7月1日と2日に16県に最高レベルの赤色警報(生命の危険)を発令し,68県には黄色警報を発令した。広範囲で気温が40℃を超えた。フランスでは6月30日に,6月としては記録的な猛暑となった。
スイス気象庁(MeteoSwiss)もジュネーブを含むほとんどの地域にアンバー・アラート(amber alert)を発令している。
ドイツ気象庁(The Deutscher Wetterdienst)は,6月30日にドイツで猛暑が始まったことを受け,自然災害ポータルサイトを通じて200件以上の警報を発令したと発表した -これは6月20日の10件を大幅に上回る。
7月3日までに,暑さは中央ヨーロッパ諸国にも広がり,これらの国々も深刻で長期にわたる干ばつに見舞われた。オーストリア,ボスニア・ヘルツェゴビナ,セルビア,スロベニアでは最高レベルの赤色警報が発令され,近隣諸国のほとんどではアンバー・アラート(4段階の警戒レベルのうち3番目に高いレベル)が発令された。
ヨーロッパの熱気は,アフリカ大陸から北上してきた。高気圧がヒート・ドームを形成し,空気を地表に向かって圧縮することで気温が上昇する。
モロッコ気象総局(the Direction Générale de la Météorologie/モロッコ気象局:Maroc Météo)によると,モロッコでは長期にわたる熱波により,広範囲で気温が45℃を超えている。
さらに,雲がほとんどないか少ないため,太陽光が地表に直接届き,気温上昇に影響している。この気象パターンは通常,数日間,あるいは数週間にわたって持続し,激しい熱波状態を引き起こす。
Impacts / 影響
都市ヒート・アイランド現象により,熱による人体への影響は都市部でより顕著になる。特に暑い時期には,舗装面,建物,車両,熱源の多さ(abundance)から,都市環境は周囲の農村部よりも著しく高温になる。
EUのコペルニクス気候変動サービス(Copernicus Climate Change Service)と世界気象機関(WMO)が共同で作成した「欧州の気候の現状(the European State of the Climate)」報告書によると,都市部のこうした高温は,人口密度の低い農村部と比較して,熱ストレスを悪化させ,暑い時期には死亡率を高める可能性がある。
WMOバルセロナ地域大気汚染センター(Dust Barcelona Regional Center)によると,この現象は大気汚染の急増(spike)にもつながり,PM10とPM2.5(粒子状物質)の濃度が上昇している。EUのコペルニクス大気監視サービスによると,このような気象条件下で蓄積されるオゾンなどの他の大気汚染物質も,ヨーロッパ全域で高濃度になっている。
ギリシャやスペインを含む多くのヨーロッパ諸国で山火事が猛威を振るった。
世界気象機関(WMO)の地域連合VI(ヨーロッパ)地域気候センター・ネットワークによると,1950年以降にヨーロッパで発生した最も深刻な熱波の3分の2以上は,2000年以降に発生している。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC:the Intergovernmental Panel on Climate Change)の第6次評価報告書は,ヨーロッパにおける極端な熱波の頻度と強度が増加していることを示している。
報告書によると,2050年までに,特に南ヨーロッパで,また東ヨーロッパ,西ヨーロッパ,中央ヨーロッパでも,ヨーロッパ人口の約半数が夏季に,高い,あるいは非常に高い熱中症リスクにさらされる可能性があるという。
WMO Action
人為的な気候変動の結果,猛暑はより頻繁かつ激しさを増している。そのため,国立気象水文局(National Meteorological and Hydrological Services)による警報と,関連した暑熱健康行動計画は,公衆の安全と健康を守る上でますます重要になっている。
WMOは,「すべての人のための早期警報(the Early Warnings for All)」を通じて,生命を脅かす気象から人々を守るための取り組みを推進している。
主要な構成要素は,WMO調整メカニズム(WCM:the WMO Coordination Mechanism)である。WMO加盟国およびセンターからの信頼できる気象,気候,水に関する情報(例:WCM世界水文気象週間スキャン)をまとめ,危機が発生しやすい地域や紛争の影響を受けている地域に,タイムリーな専門家のアドバイスと状況認識を提供する。
WMOは,気候と保健に関する合同事務所を通じて世界保健機関(WHO)と緊密に連携している。
WMOとその他の国連パートナーは,世界熱中症保健情報ネットワーク(GHHIN:the Global Heat Health Information Network)を通じて,各国当局と地方自治体に対し,この増大するリスクへの備えと対応に必要な技術指導と具体的なツールを提供することで,猛暑に対するガバナンス強化の取り組みを主導している。
極暑リスク・ガバナンス・プロジェクトは,気候,健康,緊急セクター,および政府のその他の分野を連携させて協調的に機能させる統合アプローチを推進することにより,意思決定者が制度的,法的,および運用上の課題を乗り越えられるよう支援する。
GHHINは,6月23日から27日までロンドンで世界中の専門家を集め,猛暑による健康への影響の追跡方法の発展を目指した。公衆衛生監視システムの改善と,熱中症や死亡のモニタリングに使用される指標の調和化に取り組んだ。
この取り組みは,熱波の頻度と危険性が高まる中で,公衆衛生機関がより迅速かつ効果的に対応し,脆弱な人々を守るのに役立つだろう。
(転載了)
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この高温化の傾向を食い止めるために人類にできることは?
とりあえずは 温室効果ガスの削減しかないのでしょう,それまでは 高温になった時の有効な対策を考えることしかなさそうです。
参考図の ‘2m Temperature’ は おそらく 地表上(海面上)2m位置の気温でしょうが,日本では 使われるのを見ることがありません。世界的には標準?
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