« やっと公園の百日紅が - | トップページ | 面積を求める:ふたつの三角形の面積は等しいから・・・ »

2025年7月11日 (金)

6月熱波によるヨーロッパ12都市の死者数 2,300人

The Guardian’,July 9, 2025付け
Climate breakdown tripled death toll in Europe’s June heatwave, study finds
「気候変動の影響で,6月のヨーロッパの熱波による死者数は3倍に増加したと研究で判明」
の見出し記事を 下記,拙訳・転載します。

***********************
Heat caused 2,300 deaths across 12 cities, of which 1,500 were down to climate crisis, scientists say
科学者によると,熱波により12都市で2,300人が死亡し,そのうち1,500人が気候危機によるものだった。

6月末にヨーロッパを襲った(seared)「静かに壊滅的な(quietly devastating)」熱波による死者数は,地球温暖化を引き起こす大気汚染planet-heating pollution)によって3倍に増加したことが,12都市を対象とした初期分析で明らかになり,専門家らは,見過ごされつつある健康危機の深刻化について警鐘を鳴らしている。

科学者らは,623日から72日にかけてヨーロッパ全土で気温が急上昇し,12の主要都市で2,300人が死亡したと推定している。死者のうち1,500人は,地球温暖化を引き起こし,最悪の気象現象をさらに高温にしている気候変動(climate breakdown)に起因するとしている。
ミラノは絶対数で最も被害が大きかった都市で,熱中症による死者499人のうち317人が気候変動によるものとされ,パリとバルセロナがそれに続いた。ロンドンでは273人が熱中症で亡くなり,そのうち171人は人為的な気候変動の影響によるものと研究者らは考えている。

「この研究は,熱波がサイレント・キラーと呼ばれる理由を実証している。」と,ロンドン衛生熱帯医学大学院(the London School of Hygiene & Tropical Medicine)の疫学者(epidemiologist)で本研究の共著者であるマルコム・ミストリーは述べている。「スペイン,フランス,イタリアでは少数の死者が報告されているが,猛暑(blistering temperatures)の影響でさらに数千人が死亡したと推定される。」

001_20250710192701

世界気象アトリビューション(World Weather Attribution)グループによる迅速な分析では,確立された手法が用いられ,まだ査読(peer review)には提出されていないものの,死因の3分の2は気候変動(climate breakdown)に起因するとしている。

この研究によると,高齢者の死亡率が最も高く,気候変動に起因する死者の88%65歳以上だった。研究者らは,犠牲者のほとんどが自宅や病院で人目につかず,メディアの報道もほとんどなかったため,猛暑は「過小評価されている(underappreciated)」脅威であると述べた。
「熱波は山火事や嵐のように破壊の跡(trail of destruction)を残さない。」と,インペリアル・カレッジ・ロンドンの気候科学者でこの研究の共著者であるベン・クラークは述べている。「その影響はほとんど目に見えないが,静かに壊滅的な被害をもたらす。わずか23℃の変化が,何千人もの人々の生死を分ける可能性がある。」

科学者たちは疫学モデル(epidemiological models)を用いて,パリ,ロンドン,マドリード,ローマなどの都市における10日間の熱中症関連死亡率(heat-related mortality)を推定し,人類が化石燃料の燃焼や自然破壊(destroying nature)によって地球を温暖化させていなかったと仮定した(hypothetical)世界の死亡者数と比較した。
科学者たちは,モデルに用いた気温と死亡率の関係は2019年までの地域死亡率データから導き出されたものであり,各都市の人々が時間の経過とともにどのように暑熱に適応してきたかを完全には捉えていない可能性があると警告した。

気候変動の影響で一部の都市では気温が最大4℃上昇し,1,500人の死亡者数が増加したことが判明した。この死者数は,2024年にスペインで224人の死者を出した洪水や,2021年に北西ヨーロッパ全域で243人の死者を出した洪水など,化石燃料による汚染によって悪化した近年の他の気象災害(weather disasters)の死者数よりも多かった。

これまでの研究では,過去数十年の平均で,ヨーロッパでは毎年約44,000人が熱中症で亡くなっていると推定されている。科学者たちは,わずか12都市で発生した一度の熱波によって2,300人もの死者が出るという膨大な数を考えると,今年の夏は特に危険なものになる可能性があると指摘している。
EUの地球観測サービス「コペルニクス(Copernicus」は,先月は世界的に記録上3番目に暑い6月となり,地中海西部で「異常な」海洋熱波(marine heatwave)が発生したと発表した。6月の平均海面水温は27℃で,この海域で観測史上最高を記録した。

コペルニクスは,夜間の気温が20℃を下回らず,人々が休息に苦労する危険な「熱帯夜(tropical nights)」の大幅な増加も明らかにした。スペインの一部地域では先月,熱帯夜が24日にも達し,6月の平均より18日多かった。
コペルニクス気候変動サービスの副所長,サマンサ・バージェスは,地中海の記録的な気温上昇により,ヨーロッパの大部分が経験した熱中症(heat stress)が「はるかに深刻化した(much more intense)」と述べた。
彼女は、「温暖化が進む世界では、熱波はより頻繁に、より激しくなり、ヨーロッパ全土でより多くの人々に影響を及ぼす可能性が高い」と述べた。

コペルニクスの海洋サービスを運営する非営利研究機関、メルカトル・オーシャンの分析によると、地中海のほぼ3分の2が「強い」またはそれ以上と分類される海洋熱波に見舞われ、これは過去最大規模の記録となった。
高温は魚類の生存を阻害し,餌となる植物の一部を死滅させることが知られている。近年,海洋熱波の高温化に伴い,地中海では大量死(mass-mortality)が繰り返し発生している。

メルカトル海洋研究所の科学者,カリーナ・フォン・シュックマンは次のように述べている。「特に懸念されるのは,熱ストレスが繰り返し発生することである。熱ストレスが長期間にわたって繰り返されると,これらの特定の生態系の脆弱性(vulnerability)が高まる。」

(転載了)
********************
ヨーロッパでも エアコンは必須になりそうです。

ヨーロッパの熱帯夜は 20以上を言うようです。

地中海の水温上昇は 日本近海(特に太平洋側)の水温上昇と同様で 日本でも既に海産物への影響が報告されているようだし,水蒸気の増大による大雨は避けられないでしょう。

| |

« やっと公園の百日紅が - | トップページ | 面積を求める:ふたつの三角形の面積は等しいから・・・ »

ニュース」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« やっと公園の百日紅が - | トップページ | 面積を求める:ふたつの三角形の面積は等しいから・・・ »