各国民が脅威と考える国は,中国,ロシア,そして米国。
‘Pew Research Center’,July 8, 2025付け
“Who do people think is their country’s greatest threat?”
「人々は自国にとって最大の脅威は どの国だと考えているのだろうか?」
の見出し調査報告を下記,拙訳・転載します。
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調査対象となった25ヶ国の中で,中国,ロシア,米国は最も広く国際的な脅威と見なされている国である。実際,これらの国のいずれかが,イスラエルを除くすべての調査対象国で最も多く回答された回答の上位3位以内に入っている。しかしながら,一部の国では,自国にとって最大の脅威となる国はないと答えた人がかなりの割合を占めている。
米国では,自国にとって最大の脅威として中国を挙げる人が最も多く,次いでロシアが続いている。一方,カナダでは,過半数が米国を最大の脅威と回答し,中国とロシアを挙げる人は少数派である。カナダは,米国を最大の脅威と最大の同盟国の両方と見なしている数少ない国の一つである。
ヨーロッパ全体では,回答者の4分の3以上がロシアを最大の脅威と見なしている。特に,ポーランドとスウェーデンでは,成人の4分の3以上がこの見解を示している。
ヨーロッパにおいて,ロシアを脅威と回答した人の割合は,2007年にこれらの国の一部で同様の質問をした時と比べて,現在はるかに高くなっている。例えば英国では,当時はイラン,イラク,中国,米国を脅威として挙げる傾向が強かったものの,ロシアを重大な脅威と見なす英国人は10%未満にとどまっていた。これが現在では49%である。
米国はヨーロッパ全域でも脅威とみなされている。調査対象となったヨーロッパ10ヶ国のうち6ヶ国で2番目に多い回答であり,スペインではロシアと並んで1位だった。一方,中国はヨーロッパ5ヶ国で3番目に多い回答だった。
ギリシャは,自国にとって最大の脅威としてロシアを挙げた人が4分の1未満である唯一のヨーロッパの国である。一方,トルコを挙げた人は74%と過半数に達した。ハンガリーとポーランドでは,米国は上位3位にランクインしていない。その代わりに,ハンガリーではウクライナが2番目に多い脅威(27%),ポーランドでは2位タイ(6%)となっている。
アジア太平洋地域では,中国が大きな存在感を示している。同地域で調査対象となった5ヶ国全てにおいて,中国は最も多い,あるいは2番目に多い回答であり,一部の地域ではかなりの差をつけてトップに立っている。オーストラリアと日本では,成人の約半数が自国にとって最大の脅威は中国だと回答し,次いで約2割が米国を挙げている。
インドと韓国の場合,近接性(proximity)と歴史的な対立が回答者の見解に影響を与えているようだ。インドでは,成人の41%がパキスタンを自国にとって最大の脅威と回答している。さらに3分の1が中国を挙げ,これに次いで多かった。(インドの調査は,インドとパキスタンの間で最近発生した致命的な紛争が発生する前の2025年2月7日から4月21日まで実施された。)
一方,韓国では北朝鮮を自国にとって最大の脅威として挙げる回答が最も多く,40%だった。
イスラエルでは,約半数がイランを最大の脅威と回答し,次いでハマスを挙げた人が17%だった。一方,トルコではイスラエル(43%)が最も多く,次いで米国(30%)だった。
サハラ以南のアフリカでは,米国は一般的に重大な脅威とみなされており,南アフリカでは 35%,ケニアでは 23%,ナイジェリアでは 13%がこの立場を取っている。ケニア人の4分の1は,隣国ソマリアが自国にとって最大の脅威であると回答している(米国を挙げた割合と統計的に差はない)。ナイジェリア人は,どの国も最大の脅威ではないという回答が最も多く,25%だった。
調査対象となったラテン・アメリカ3ヶ国では,いずれも米国が最も多く回答されている。特にメキシコでは,米国が自国にとって最大の脅威であると回答する割合が高く,68%がそう回答している。
Views by ideology / イデオロギー別の見解
調査対象国の約半数において,左派の人は右派の人よりも,自国にとって最大の脅威は米国だと答える傾向が強い。例えば,オーストラリアでは左派の人のうち34%が米国を挙げたのに対し,中道では18%,右派では5%だった。
9ヶ国では,右派の人は左派の人よりも,自国にとって最大の脅威は中国だと答える傾向が強い。
Views of these countries as economic, national security threats
これらの国に対する経済・国家安全保障上の脅威の認識
回答者に自国にとって最大の脅威と考える国を挙げてもらった後,その国が経済と国家安全保障の両面でどの程度脅威であるかを評価してもらった。全体として,米国は主に経済上の脅威,ロシアは主に安全保障上の脅威と見なされている。
U.S. as an economic threat / 経済的な脅威としての米国
米国が自国にとって最大の脅威だと答えた人は,一般的に,米国を国家安全保障上の懸念よりも経済的な脅威と捉えている傾向がある。
カナダでは,米国を挙げた成人の約4分の3が,米国は自国経済に大きな脅威を与えていると回答している。アルゼンチン,オーストラリア,フランス,ドイツ,イタリア,ケニア,メキシコ,ナイジェリア,韓国,トルコでも過半数が同様の見解を示している。
調査対象となったほとんどの国では,米国を脅威とみなす人が米国を安全保障上の脅威とみなす割合は低い。それでも,メキシコ(56%),カナダ(53%),フランス(50%)では,半数以上が米国が自国の安全保障に大きな脅威を与えていると回答している。
Russia as a national security threat
国家安全保障上の脅威としてのロシア
ロシアが自国にとって最大の脅威であると答えた人の中では,経済よりも国家安全保障を脅かすと考えている人の方が多い。
例えば,ロシアを最大の脅威と見なす米国人のうち,73%がロシアは大きな安全保障上のリスクをもたらすと回答し,32%が経済上のリスクについて同様の回答をしている。
ヨーロッパでは,ロシアを挙げた人の少なくとも3分の1が,ロシアを重大な安全保障上の脅威と見なしている。フランス,ドイツ,ハンガリー,オランダ,ポーランド,英国では,この割合はおよそ半数以上に上る。これらの国では,ロシアを経済上の脅威と見なす人の割合は大幅に低くなっている。
Views of China’s impact are more mixed
中国の影響に関する見解は複雑
一部の国では,経済および安全保障上の脅威としての中国に対する評価は,どちらか一方に偏っていない。例えば,中国を最大の脅威と見なすオーストラリア人の50%は,中国は経済面で大きな脅威をもたらすと回答し,同じく50%は国家安全保障上の重大な脅威だと回答している。
米国人も,中国を経済上の脅威(64%)と安全保障上の脅威(61%)と見なす割合がほぼ同数である。韓国でも同様の傾向が見られる。
しかし,中国を挙げたイタリア人とナイジェリア人は,国家安全保障よりも経済上の脅威だと答える割合が高い傾向にある。
日本は,中国を経済上の脅威よりも安全保障上の脅威と見なす割合が高い唯一の国である(54% 対 41%)。
(転載了)
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米国を脅威とするのは トランプ以降?
同盟国を脅威とする矛盾は?
安全保障上の脅威と経済上の脅威の兼ね合いをどう捉えて 付き合うべきなのか,難しいところです。
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