「広島,長崎への原爆投下は正当」 と考える米国人は 正当化できないとする米国人より まだわずかに多い
‘Pew Research Center’,July 28,2025付け
“80 years later, Americans have mixed views on whether use of atomic bombs on Hiroshima, Nagasaki was justified”
「80年経った今,米国人は広島と長崎への原爆使用が正当であったかどうかについて複雑な見解を持っている」
の見出し調査結果を下記,拙訳・転載します。
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8月6日は,第二次世界大戦中,米国が日本の広島,そしてその3日後に長崎に原爆を投下してから80年目にあたる。ピュー・リサーチ・センターが 2025年6月2日から8日にかけて実施した最新の調査によると,米国人の大多数(83%)が,これらの出来事について「よく」 あるいは 「少し」知っている,と回答している。
米国の行動を振り返り,今日の米国人の35%は1945年の広島と長崎への原爆使用は正当だったと答え,31%は正当ではなかったと答えている。また,3分の1はどちらとも言えない(not sure)と答えている。
原爆投下による死者数は、推定で約10万人から20万人以上と幅がある。その多くは即死(instantaneous)だったが,さらに多くの人が数年後までに放射線の影響で亡くなった。原爆投下は第二次世界大戦の終結を早め,日本は数日後に降伏した。そして,核軍拡競争(the nuclear arms race)を加速させた。
Historical public opinion about the bombings of Hiroshima and Nagasaki
広島と長崎への原爆投下に関する歴史的世論
1945年,原爆投下直後にギャラップ社が実施した対面式世論調査では,米国人の大多数(85%)が米国の行動を支持していることが明らかになった。数十年後の1990年,ギャラップ社が実施した電話世論調査では,米国人の53%が日本の両都市への原爆使用を支持していることが分かった。1991年から2005年にかけて実施されたギャラップ社による4回の電話世論調査でも,支持率は53%から59%の間で推移した。
2015年にピュー・リサーチ・センターが電話調査で実施した調査では,米国人の56%が広島と長崎への原爆使用は正当だったと回答し,34%が正当化されないと回答した。今回の調査とは異なり,2015年の調査では「わからない(Not sure)」という明確な回答選択肢は設けられていなかった。
How views of the bombings differ by demographic group
人口統計学的グループによる原爆投下に対する見方の違い
米国民は今日,広島と長崎への原爆投下について様々な見解を抱いているが,性別,年齢,政党,政治的イデオロギーによって見解は異なる。
爆撃は正当と回答する割合は,男性の方が女性よりも高くなっている(51% 対 20%)。一方,爆撃は正当化されなかったと回答する割合は,女性の方が男性よりも高くなっている(36% 対 25%)。また,女性が「わからない」と回答する割合は,男性の約2倍である(43% 対 22%)。
Age
65歳以上の米国人(48%)は,若い年齢層の成人よりも爆撃は正当化されたと考える傾向が高い。一方,30歳未満の成人では,爆撃は正当化されたと考える人よりも正当化されなかったと考える人の方がかなり多い(44% 対 27%)。
Party and ideology
共和党支持者と共和党寄りの無党派層の約半数(51%)は,爆撃は正当だと回答しているが,イデオロギーによって見解は大きく異なる。保守派共和党支持者の約6割(61%)が,爆撃は正当だと回答している一方,正当ではないと回答した割合ははるかに低く(14%),中道派およびリベラル派共和党支持者では,爆弾の使用は正当だと回答する割合と正当ではないと回答する割合がほぼ同数となっている(それぞれ 35% 対 31%)。
民主党支持者と民主党寄りの無党派層は,原爆投下は正当化されたと回答する人よりも正当化されなかったと回答する人が多い(42% 対 23%)。特にリベラル民主党支持者は,原爆投下は正当化されなかったと考える傾向が高く,50%がそう回答している。
原爆投下を直接記憶しているのは,今日の米国の高齢者のうちごく一部に過ぎないが,高齢者は原爆投下という出来事や集合記憶(collective memory)に,より深く関わっている。
Has the development of nuclear weapons made us more or less safe?
核兵器の開発は,我々をより安全にしたか,それともより危険にしたのか?
米国を含め,9ヶ国が核兵器を保有していると考えられている。世界の核兵器備蓄量(stockpiles)は今後数年間で増加すると予測されており,長年の減少傾向が反転する可能性がある。
今日,ほとんどの米国人(69%)が 核兵器の開発は世界の安全をもたらさないと言っている。同センターが 6月に米国とイスラエルによるイランの核施設への攻撃の前に実施した新しい調査によると,核兵器の開発によって世界はより安全になってきたと答えた人ははるかに少なかった(10%)。
民主党支持者(73%)と共和党支持者(64%)の双方において,核兵器の開発は世界の安全性を低下させたと回答した人が過半数を占めている。
特に米国の安全性について言えば,米国人は核兵器の開発によって国の安全性が高まったという回答よりも,むしろ安全性が低下したと回答する傾向が強い(47% 対 26%)。しかし,この質問に対する意見は分かれている。
民主党支持者は,核兵器開発によって米国はより安全になったというより,より安全ではなくなったと回答する傾向がはるかに高い(56% 対 17%)。共和党支持者では意見が分かれており,核兵器開発によって米国はより安全でなくなったと回答した人は37%,より安全になったと回答した人は38%となっている。
(転載了)
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