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2025年8月12日 (火)

深刻な国連の予算不足-各国の割り当て,滞納など

流石のトランプも,国連を脱退する ― と言うことはないと思いますが・・・ 。

Pew Research Center’,July 31, 2025付け
How the United Nations is funded, and who pays the most
「国連の資金調達方法と 最も多く支払っている国」
のタイトル記事を 下記,拙訳・転載します。

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創設80周年を迎える国連は,深刻な予算不足(budget shortfall)に直面している。国連への最大の資金提供国(funder)であり債務国(debtor)でもある米国が,国連との関係を見直している(reassesses)ため,状況はさらに悪化する可能性がある。

米国は最近,世界保健機関(WHO)や人権理事会(Human Rights Council)を含む複数の国連機関から脱退し,来年末までにユネスコからも脱退する予定である(rescissions package)。7月中旬,議会はトランプ政権による予算削減案を可決し,これまで承認されていた国連拠出金約10億ドルを削減した。さらに 削減が実施される可能性もあり,政権は2026年度予算案で,国連平和維持活動への拠出金の停止と,その他の国連拠出金(UN contributions)の大半の一時停止を提案した。

国連は,この予算難(budget crunch)に対処するため,プログラム支出の削減,雇用の凍結,そして長期的な効率化イニシアチブの立ち上げなどを行っている。国連は20197月以降,予備費(reserve accounts)を5回も投入し,2024年には過去最高の6700万ドルを借り入れている。しかし,国連の財政的存続(financial viability)は,米国が今後どのように,そして支援するかどうかに(how – and whether –)大きく左右される。

How is the UN funded?
国連はどのように資金を調達しているか?

国連は,193の加盟国から義務的な分担金(assessed contributions)を通じて主に資金を調達している。国連は,2つの主要予算についてそれぞれ別個の拠出金を義務付けている:

・通常予算(regular budget):総会が承認する中核的な国連活動(経済・社会開発,軍縮プロジェクト,人権問題など)に資金を提供する。
・平和維持活動予算(peacekeeping operations budget):国連平和維持活動の大半と世界中の複数のサービスセンターに資金を提供する。

通常予算は暦年ごとに適用され,平和維持予算は71日から630日までの会計年度ごとに適用される。

その他の拠出金は,国連の国際法廷(international tribunals)や,ニューヨーク市の国連本部の改修といった特別プロジェクトの資金として使われている。

さらに,国連は世界食糧計画(WFPthe World Food Program)や国連児童基金(UNICEF)など,加盟国からの任意拠出金(voluntary contributions)のみで運営されている多くの基金やプログラムを運営している。

How much do the U.S. and other countries have to pay?
米国やその他の国は,どれくらいの金額を負担しなければならないのか?

各加盟国が毎年支払う金額は,それぞれの「支払い能力(capacity to pay)」に応じて異なる。国連は,各国の国民総所得(GNIgross national income),人口規模,対外債務などを考慮した計算式を用いて,通常予算の「分担率(scale of assessments)」を定めている。分担率は予算の0.001% から22% までだが,後発開発途上国への拠出は0.01% に制限されている(capped)。

平和維持活動予算の分担率も同様のシステムを採用しているが,分担率は調整されており,安全保障理事会の常任理事国5ヶ国 (中国,フランス,ロシア,英国,米国)が費用の大部分(brunt)を負担している。

001m_20250804080701 世界最大の経済大国である米国は,常に最高率の負担を課せられてきた。今年は,国連の通常予算分担金の22%,つまり35億ドルの純総額のうち82,040万ドルを負担した。

次に負担割合が大きかったのは中国で,20.004%67,980万ドルだった。日本は6.930%23,550万ドル)で,大きく離されて3位だった。

一方,193加盟国のうち175ヶ国は,2025年の国連通常予算の1%未満しか負担していなかった。これには,最低率である0.001%の負担を課せられた28ヶ国が含まれている。

米国は,2025年の国連平和維持活動予算についても,最高率の負担を課せられた(26.158%,つまり総額2,500万ドルのうち650万ドル)。中国(23.785%590万ドル)と日本(6.930%170万ドル)が再び次に高い評価を受けた。

How have dues changed over time?
分担金は時間の経過とともにどのように変化したか?

002h_20250804080601 通常予算だけを見ると,2000年以降に国連加盟国となった国の大半(189ヶ国中116ヶ国)で分担率が上昇している。特に上昇幅が大きかったのはベトナム,中国,ガイアナである。一方,33ヶ国では分担率が横ばい,40ヶ国では分担率が下落した。
(モンテネグロ,南スーダン,スイス,東ティモールは今回の計算から除外されている。これらの国は2000年以降に加盟したが,分担率は加盟以来比較的安定しており,低い水準を維持している。)

米国の通常予算分担率は,国連設立当初ははるかに高く,1940年代後半には39.890%だった。1974年から2001年まで25%で推移し,その後 国連は分担率の上限を22%に引き下げた。その後,米国の分担率は22%で推移している。

一方,世界第2位の経済大国である中国の分担率は大幅に上昇している。当初は約6%だったが,1950年代に低下し始め,1980年代と1990年代の大半は1%を下回った。2000年代初頭には緩やかに増加し,その後急速に上昇して現在の20.004%に達している。

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Do members always pay their dues?
加盟国は常に会費を支払っているのか?

分担金は,国連事務総長から通常予算の賦課通知(assessment notice)を受けてから30日以内に納付しなければならない。通常予算の場合は通常2月上旬から中旬頃である。しかし,国連は長い間,加盟国,特に米国に分担金を期日通りに支払わせたり,全額を支払わせたりするのに苦労してきた。

2019年(詳細なデータが入手可能な最も古い年)以降,193加盟国のうち,通常予算分担金を期日通りに納付した国はわずか53ヶ国に過ぎない。また,過去20年間,国連は全加盟国から全額の分担金を受け取ったことはない。

加盟国が通常予算分担金と平和維持活動分担金の両方を納付しない理由は様々である。例えば,各国の財政カレンダーと国連の財政カレンダーの違い,財政的制約,国連プログラムの目標や決議に対する政治的な異議などである。

004m_20250804080701 歴史的に,加盟国の多くは年初から数ヶ月以内に通常予算の分担金を納めている。国連では9月に納付額がわずかに増加することがよくあるが,それ以外は年間を通して徐々に納付される。

米国は通常,10月に始まる翌年度まで分担金の一部を繰り延べている。この慣行は1980年代に始まり,部分的には米国の財政赤字の拡大への対応として始まった。

国連の最新の詳細データによると,430日現在,92の国連加盟国が2025年度の通常予算分担金を全額支払っていない。

005h_20250804080601 4月30日現在,前年度の未払い分を含めると,米国(15億ドル),中国(59,700万ドル),ロシア(7,200万ドル),サウジアラビア(4,200万ドル),メキシコ(3,800万ドル),ベネズエラ(3,800万ドル)の5ヶ国が,通常予算の未払い残高が最も大きい。

米国の通常予算の未払い分が毎年4月に10億ドルを超えるのは,2015年以降6回目となる。(前述の通り,米国は通常,多くの支払いを10月の新会計年度まで延期する。)

国連加盟国(130ヶ国)の多くは,430日時点で2025年までの平和維持活動への拠出金を全額支払っていない。過去の未払い分担金を含めると,米国は15億ドルの未払い金を抱えている。これは,議会が1990年代半ば以降,平和維持活動費の上限を25%に設定してきたことが一因だが,国連は依然として米国の分担金をより高い割合で評価している。

次に多額の平和維持活動への拠出金を滞納しているのは,中国(58,700万ドル),ロシア(12,300万ドル),ベネズエラ(9,300万ドル)である。

What happens to members that don’t pay their dues?
分担金を支払わない加盟国はどうなるのか?

翌会計年度の11日までに支払われない分担金は「滞納金(arrears)」とみなされる。加盟国の滞納額が過去2年間の未払い分担金の額と同額かそれを超える場合,その加盟国は総会での投票権を失う可能性がある。

現在,アフガニスタン,ボリビア,サントメ・プリンシペ,ベネズエラがこの基準を満たしている。しかし,総会はサントメ・プリンシペに対し,この小さな島国が自国の管理外の理由により支払いができないと判断し,今年9月に閉会する第79回会期まで投票権の継続を認めた。

How do Americans view the UN?
米国人は国連をどのように見ているのか?

006m_20250804080701 ピュー・リサーチ・センターが3月に実施した調査によると,多くの米国人(63%)が,国連加盟によって米国は大きな恩恵を受けている,あるいは相当な恩恵を受けていると考えている。この割合は昨年の春からわずかに増加している(3ポイント増)。しかし、政党によって見解は大きく異なっている。

民主党支持者および民主党寄りの無党派層は,共和党支持者および共和党寄りの約2倍の割合で,国連加盟によって米国は恩恵を受けていると回答している(82%43%)。一方,共和党支持者では反対の見解を示す人が多く,56%が 米国はあまり恩恵を受けていない,あるいは全く恩恵を受けていないと考えている。これには保守派共和党支持者の65%も含まれる。

より広い視点で見ると,米国成人の過半数(57%)が国連に好意的な見解を示しており,これは2024年春から5ポイント増加している。この期間に民主党支持者が国連を肯定的に見る傾向が高まった一方で,共和党支持者の見解は統計的に変化していない。

(転載了)
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September 5, 2024付けの ピュー研究所の調査報告に “Most people in 35 countries see the UN favorably, but views have dipped in some places”(35ヶ国の大半の人々は国連に好意的だが、一部の地域では評価が低下している。)が あります。

007_20250804110301 右図は この報告書に示された,各国民の国連に対する好感度です。

日本は 国連に対して好感を持たない国民が 好感を持つ国民の方がより多い,数少ない国の一つです。
それでありながら 米,中に次ぐ拠出金,お人好しの国― ということになるのでしょうか?

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