2025年の夏は終わっていないが- ヨーロッパ異常熱波,最高気温はポルトガル 46.6℃(8月18日時点)
暑い日が続いています。
世界的にも同様ですが,特に ヨーロッパは 5月頃から 異常な熱波に見舞われているようです。
英文 ‘Wikipedia’(Aug.18,2025時点)の
“2025 European heatwaves” のタイトルで状況を解説していました。
下記,部分拙訳・転載します。
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2025年5月下旬から,ヨーロッパの一部地域は熱波の影響を受けている。記録破りの気温は4月には既に記録されていたが,最も極端な気温は6月中旬に始まり,専門家は英国だけで数百人の熱中症による死者が出たと推定している。ポルトガルとスペインでは,6月の最高気温が46℃(115℉)を超え,国内記録を更新した。また,少なくとも10ヶ国以上で地域記録が更新された。熱波はヨーロッパ全土で多数の山火事を引き起こし,生態系,財産,人命,そして大気環境(air quality)へのさらなる被害をもたらしている。
最初の分析(インペリアル・カレッジ・ロンドン:the Imperial College London が2025年7月9日に発表)によると,分析対象となった12都市で10日間に記録された極端な気温により,約2,300人が死亡した可能性があることがわかった。これは,人為的な気候変動がない場合の死者数(800人)の約3倍に相当する。これは地球温暖化による熱波で死亡する人の約65%に相当する。
By country(国毎)
(*一部抜粋)
France
5月下旬,フランスの一部地域で記録的な猛暑が観測され,イベリア半島全域に広がった。5月28日には,カネ=アン=ルシヨン(Canet-en-Roussillon)で32.3℃(90.1℉)の気温が記録された。5月30日には,リモージュ(Limoges)やトゥールーズ(Toulouse)を含むフランス西部の27の気象観測所で5月の最高気温記録が更新された。中でも最高気温はサーブル(Sabres)で,36.4℃(97.5℉)を記録した。
6月19日、フランスは1947年の記録開始以来50回目の熱波に見舞われ,午後12時から27県で黄色の熱中症警報が発令されました。フランス気象局は6月20日から16県でオレンジ色の熱中症警報(orange heat alerts)を発令し,さらに30以上の県で黄色の熱中症警報(yellow alerts)を発令した。フランス電力庁(Électricité de France)は,水温の上昇により発電量,特にビュジェ原子力発電所(Bugey Nuclear Power Plant)の電力供給が滞る可能性があると警告した。6月21日にはシャトーメイヤン(Châteaumeillant)で気温39.9℃(103.8℉)が記録され,イゼール県(Isère)とローヌ県(Rhône)を除く全県で発令されていたオレンジ色の猛暑警報は22日と23日に解除された。
6月29日,ガロンヌ川(the Garonne)の水温上昇により,ゴルフェッシュ原子力発電所(the Golfech Nuclear Power Plant)の原子炉1基が停止した。ブライエ(Blayais)原子力発電所とビュジェ(Bugey)原子力発電所も,冷却に使用している河川の水温が通常より高かったため,発電量が減少した。
6月30日には,記録的な数の84県にオレンジ色の熱波警報を発令され,さらに7県に黄色の警報を発令された。警報が発令されていないのは,カルヴァドス県(Calvados),コート=ダルモール県(Côtes-d'Armor),フィニステール県(Finistère),マンシュ県(Manche),セーヌ=マリティーム県(Seine-Maritime)の5県のみだった。翌日には,パリ地域圏全体を含む16県が赤色警報に引き上げられた。猛暑(extreme heat)のため,エッフェル塔の一部は6月30日から7月2日まで閉鎖された。
7月1日,カドネ(Cadenet)で気温41.4℃(106.5℉)を記録した。国立教育省(the Ministry of National Education)によれば,猛暑のため合計2,213校が休校となった。
7月2日、4県に赤色の熱波警報(red heatwave alerts)が発令され,さらに55県にオレンジ色の警報が発令された。フランス気象庁は,フランスの6月の平均気温が22.2℃(72.0℉)となり,2003年に次ぐ記録上2番目に暑い月となったと発表した。また,アヴィニョン(Avignon)では11日間,カルカソンヌ(Carcassonne),ニーム(Nîmes),トゥールーズ(Toulouse)では9日間と,多くの都市で35℃(95℉)を超える日数が前例のないほど多かったことも指摘した。ヴェルサイユ宮殿を訪れた10歳の米国人観光客が倒れて死亡した。同日早朝,アニエス・パニエ=リュナシェ環境移行大臣(Minister of Ecological Transition)は,さらに2人の熱中症による死亡者が出たと報告し,300人以上が熱中症で救急治療を受けたと述べた。
熱波は2025年7月4日に終息した。
2025年8月10日頃,新たな熱波が始まった。
Germany
4月中旬,東ドイツは中央・東ヨーロッパの多くの地域と同様に季節外れの猛暑に見舞われ,ベルリンでは4月16日と17日に26℃(79℉)に達すると予想された。
6月21日には,ヴートシンゲン(Wutöschingen)で32.8℃(91.0℉)の気温が記録された。
7月1日には,ザクセン州(Saxony)とブランデンブルク州(Brandenburg)の州境で大規模な山火事が発生し,100人以上が避難を余儀なくされた。
7月2日は,ドイツで今年最も暑い日となり,アンダーナッハ(Andernach)で39.3℃(102.7℉)を記録した。これに続き,タンガーヒュッテ(Tangerhütte)で39.2℃(102.6℉),キッツィンゲン(Kitzingen)で39.1℃(102.4℉)を記録した。
これに続いて、8月12日から14日にかけて再び熱波が発生し,NRW州(Nordrhein-Westfalen)の複数の都市で気温が40℃を超えた。
Greece
ギリシャでは,6月9日から12日にかけて,夜間の最低気温が概ね30℃(86℉)を超えた。
6月下旬以降,ギリシャでは高温によって悪化した(exacerbated)山火事が多数発生し,甚大な被害をもたらしている。6月27日には,メッシニア州スカラ(Skala, Messenia)で43.2℃(109.8℉)の気温が記録された。アテネ国立天文台(the National Observatory of Athens)によると,ギリシャは記録上2番目に暑い6月を迎え,この記録を超えているのは2024年のみだった。これを受けて,労働社会保障省(the Ministry of Labour and Social Security)は7月7日から,正午から17時までの強制的な労働停止を発令し,一部の地域で屋外での肉体労働や食品配達サービスに影響が出た。アクロポリスも猛暑(extreme heat)のため,7月8日13時から17時まで閉鎖を命じられた。
ギリシャ労働省(the Greek Ministry of Labor)は7月22日,熱波の影響により,建設作業員をはじめとする特に脆弱な立場にある人々に対する保護措置を実施した。アテネをはじめとする多くの地域では、午後12時から午後5時までの屋外作業が禁止された。
ギリシャ国立気象局(HNMS:Hellenic National Meteorological Service)は,週を通して猛暑が続くと予想している。ギリシャ中心部では,気温が43℃に達すると予想されている。
Italy
6月12日,フィレンツェでは雷雨の後,気温が上昇し,気温が39℃(102℉)に達すると予報された。
6月25日,標高4,554 m(14,941 ft)のカパンナ・マルゲリータ(Capanna Margherita)で気温が記録的な9.5℃(49.1℉)に達した。6月26日にはボローニャで気温が38.2℃(100.8℉)に達した。又,6月の最低気温の最高記録は27.3℃(81.1℉)を更新した。6月27日には,合計27都市で熱中症警報が発令され,13都市が赤,10都市がオレンジ,4都市が黄色だった。6月30日には,高温により2人が死亡した。サン・ラッザロ・ディ・サヴェーナ(San Lazzaro di Savena)では,建設現場で作業中の47歳の男性が死亡した。バゲリア(Bagheria)では53歳の女性が熱中症で倒れ,死亡した。7月1日には,過剰な電力消費と地下ケーブルの過熱による停電がフィレンツェの一部地域を襲い,共和国広場にあるリナシェンテ百貨店が避難を余儀なくされた。7月2日には,サルデーニャ島の海岸で男性2人が死亡し,ジェノバでは心臓発作で男性1人が死亡した。
Portugal
5月下旬,ポルトガルは記録的な猛暑に見舞われ,イベリア半島を横断してフランスまで熱波が続いた。5月28日には,ベジャ(Beja)で37.4℃(99.3℉)を記録し,5月の最高気温記録を更新した。5月30日には,アルヴァラーデ(Alvalade)とアマレレハ(Amareleja)でそれぞれ39.6℃(103.3℉)と39.8℃(103.6℉)に達し,5月の最高気温記録を更新した。
6月8日には,メルトラ(Mértola)で40.5℃(104.9℉)を記録した。6月15日から21日の週,ポルトガルの多くの気象観測所で40℃(104℉)を超える気温が記録され,6月17日にはアルベガ(Alvega)で42.3℃(108.1℉)を記録した。
6月29日には,モラ(Mora)で46.6℃(115.9℉)が記録され,6月の最高気温の国内記録が更新された。これは,2017年にアルカセル・ド・サル(Alcácer do Sal)で記録された44.9℃(112.8℉)というこれまでの記録を上回り,2003年に記録されたポルトガルの最高気温47.3℃(117.1℉)に迫る記録となった。国内90ヶ所の気象観測所のうち,31ヶ所が6月28日と29日に6月の最高気温の記録を更新または上回った。保健総局は6月28日から7月初めまでの間に,主に85歳以上の高齢者の超過死亡数284人を記録した。
Spain
2025年にスペインを襲った最初の熱波は5月下旬に到来し,国土の大部分で記録破りの猛暑をもたらした。5月28日には,エル・グラナド(El Granado)で気温39.1℃(102.4℉)が記録され,アンダルシア州(Andalusia)とカタルーニャ州(Catalonia)で今年最初の猛暑警報(heat warnings)が発令された。翌日にはアラゴン州(Aragon),エストレマドゥーラ州(Extremadura),ガリシア州(Galicia)でも同様の警報が発令された。5月29日には,セビリア空港で気温40.6℃(105.1℉)が記録され,スペインで初めて40℃(104℉)を超える日となった。5月の最高気温の記録は5つの観測所で更新され,最低気温の記録も1つ更新された。
5月30日には、エル・グラナドで41.6℃(106.9℉)が記録されるなど,多くの地点で気温が40℃を超えた。翌日は気温が若干下がり,コルドバ空港で最高気温40.7℃(105.3℉)を記録した。5月30日と31日には,さらに5つの観測所で5月の最高気温の記録が更新され,さらに3つの観測所で5月の最低気温の記録が更新された。
6月8日,スペイン南部の多くの地域でオレンジと黄色の猛暑警報が発令された。約40の観測所で40℃を超える気温が記録され,モロン・デ・ラ・フロンテーラ(Morón de la Frontera)では最高気温42.9℃(109.2℉)が記録された。数十の観測所で初夏の記録的な気温となった。
6月19日、ウエルバ(Huelva)で41.1℃(106.0℉)が記録され,6月の最高気温の記録が更新された。モロン・デ・ラ・フロンテーラ(Morón de la Frontera)では6月の最低気温の最高記録が25.0℃(77.0℉)で,更新された。 6月21日,コルドバ(Córdoba)では気温が40.4℃(104.7℉)に達し,58歳の男性が同地域で今年初めて熱中症で死亡した。
カルロス3世保健研究所(the Carlos III Health Institute)によると,6月1日から21日までの高温により114人が死亡した。6月22日には,ムルシア州(Murcia)で6月の最高最低気温の記録が24.4℃(75.9℉)に更新された。6月23日には,アルメリア空港で6月の最高気温と最高最低気温の記録がそれぞれ40.9℃(105.6℉)と27.1℃(80.8℉)に更新された。
6月28日,再び猛暑が続く中,エル・グラナドで46.0℃(114.8℉)が記録され、6月の最高気温の国内記録が更新されました。これは,1965年にセビリアで記録された45.2℃(113.4℉)というこれまでの記録を上回った。カルロス3世保健研究所によると,6月を通して高温による死者は合計380人だった。
7月1日には,トレフェタ・イ・フロレジャックス市(Torrefeta i Florejacs)の農村地帯で大規模な山火事が発生し,2人が死亡した。
8月4日頃,ポルトガル,スペイン,イタリア,ギリシャ,その他の地中海沿岸諸国で再び熱波が発生した。8月14日,スペインは森林火災の消火活動のためにEUに支援を要請した。8月16日には,ポルトガルも支援を要請した。両国とも状況は悪化し続けており,雨の兆しはない。これはEU市民保護メカニズム(EU Civil Protection Mechanism)である。
欧州森林火災情報システム(EFFIS:the European Forest Fire Information System)の推計によると,スペインでは2025年初頭以降,約1570 km²の土地が焼失しており,その約半分は8月だけで発生した。スペイン北西部だけでも19件の森林火災が発生し,その規模が 極めて大きく,集落に危険を及ぼしたりしたため,被災地域はスペイン政府に支援を要請せざるを得なかった。
スペイン国立気象局(Aemet)は,8月16日に複数の地域で気温が44℃を超えたと発表した。Aemetは,ほぼ全土で火災発生の危険性が非常に高いと警告している。
下表にヨーロッパ各国で今年(8月18日まで)記録した最高気温を示す。
(転載了)
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