軍事パレードで公開された中国の軍事力分析
中国は 9月3日,天安門広場で「抗日戦勝記念80周年」を祝う式典が開催し,1万人以上の兵士を動員し,100機以上の軍用機と新型兵器を公開する軍事パレードを行いました。
この軍事パレードで公開された新兵器などに対して ‘BBC’ は Sept.3,2025付けで 専門家の意見を加え 分析しています。
下記,拙訳・転載します。
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“What new weapons on show at huge parade say about China's military strength”
大規模パレードで披露された新兵器,中国の軍事力を示す
中国は大規模なパレードで,新型兵器,ドローン,その他の軍事装備を披露した。これは,米国とその同盟国への明確なメッセージだと多くの人が受け止めている。
習近平国家主席は,経済支援などにおいて中国に依存しているロシアのウラジーミル・プーチンや北朝鮮の金正恩など,20人以上の外国首脳を招いた。
これは,習近平の,世界における権力の増大と,中国の軍事力の誇示となった。「グアム・キラー(Guam killer)」ミサイル,「忠実な僚機(loyal wingman)」ドローン,さらにはロボット・オオカミ(robotic wolves)までもが披露された。
Beyond the hype and shiny new weaponry, what did we learn?
誇大宣伝や派手な新型兵器の向こう側に,我々は何を学んだか?
以下,5つの重要点(takeaways)を紹介する。
1.How well can China deploy its weapons?
中国は兵器をどれほど効果的に運用できるか?
水曜日の展示から明らかになったのは,中国が多様な兵器を迅速に生産できる能力を持っているということである。
10年前,中国が展示した軍事技術は,米国が開発したはるかに先進的な装備の「原始的なコピー(rudimentary copies)」に過ぎなかったと,シンガポール南洋理工大学(the Nanyang Technological University of Singapore)軍事改革プログラム(the military transformations programme)の助教授,マイケル・ラスカ(Michael Raska)は指摘する。
しかし,今回のパレードでは,特にドローンやミサイルといった,より革新的で多様な兵器が披露された。これは,中国の防衛産業複合体(defence-industrial complex)がいかに高度化したかを反映している。
パシフィック・フォーラムの客員研究員(adjunct fellow),アレクサンダー・ニール(Alexander Neill)は,中国のトップ・ダウン型構造と豊富な資源により,他の多くの国よりも迅速に新型兵器を量産できる(churn out)と指摘する。
中国はまた,これらの兵器を大量生産できるため,戦場で優位に立ち,敵を圧倒することができる。
「中国は兵器,艦船,そしてあらゆるプラットフォームを量産する能力を持っている・・・ 国家が指示を出せば,すぐに運用できる」とニールは言う。
しかし,中国軍はこれらの兵器システムをどれほどうまく統合できる(integrate)のだろうか?
「中国はこれらの派手な先進プラットフォーム(flashy advanced platforms)を誇示することはできるが,組織として(organisationally)機敏に(agile),望む通りに運用できるのだろうか?」とラスカ博士は疑問を投げかける。
彼は,中国軍は巨大で経験不足であり,数十年にわたって大規模な戦争に参加していないため,容易ではないだろうと付け加えた。
2.China is focusing on missiles to counter the US
中国は米国に対抗するためミサイル開発に注力している
中国は,新型ミサイルを含む多数のミサイルを配備してきた。
これらには,機首(nosecone)に複数の弾頭(warheads)を搭載可能な東風61(Dongfeng-61),中国北部から発射され米国を攻撃可能な東風5C(Dongfeng-5C)大陸間弾道ミサイル(ICBM),そしてグアムの主要米軍基地を攻撃可能な「グアム・キラー(Guam Killer)」こと東風26D(Dongfeng-26D)中距離ミサイルなどが含まれる。
YJ-17やYJ-19といった極超音速対艦ミサイル(hypersonic anti-ship missiles)も複数搭載されており,これらは非常に高速で飛行し,予測不可能な機動性(manoeuvre unpredictably)でミサイル防衛システムを回避することができる。
ミサイルに重点が置かれているのには理由がある。
ニール氏によると,中国は抑止戦略(deterrence strategy)の重要な一環として,そして米国の海軍力の優位性に対抗するために,ミサイルとロケット弾の戦力開発を進めている。
米海軍は世界最大の空母と空母打撃群を擁し、比類のない存在である(unrivalled)。中国は依然としてこの点で後れを取っている。
しかしニール氏は,西側諸国の防衛関係者の中には、これらの打撃群(strike groups)は事実上ミサイル攻撃の「格好の標的(sitting ducks)」であり,脆弱である(vulnerable)と主張する声が増えていると指摘する。
中国は抑止力(deterrence)を強化するだけでなく,「第二撃能力(second strike capability)」,つまり攻撃を受けた際に報復攻撃を仕掛ける能力も構築しているとニール氏は指摘する。
その他の注目すべき兵器としては,話題の(much-talked about)LY-1レーザー兵器(基本的には電子機器を焼き切ったり,作動不能にしたり,パイロットの視力さえ失明させることさえ可能な巨大レーザー)や,J-20やJ-35などの第5世代ステルス戦闘機などがある。
3.China is going all the way with AI and drones
中国はAIとドローンの活用に全力を注いでいる
展示されたドローンは多種多様で,中にはAI搭載機もあったが,中でも注目を集めた(grabbed eyeballs)のはAJX-002巨大潜水ドローンだった。
全長20m(65 ft)にも及ぶ 超大型無人潜水艇(extra-large uncrewed underwater vehicle)(XLUUV)は,監視(surveillance)や偵察任務(reconnaissance missions)に活用できる可能性がある。
中国はまた,「忠実なる僚機(loyal wingman)」と呼ばれるGJ-11ステルス攻撃ドローンも披露した。このドローンは有人戦闘機と並走し,攻撃を支援する。
従来型の無人機に加え。「ロボット狼(robotic wolves)」も展示された。専門家によると,これらは偵察(reconnaissance)や地雷の掃討から敵兵の追跡まで,様々な任務に活用できるという。
ドローンの展示は,中国が軍事戦略において目指す明確な方向性を示している。中国は「従来の構造を拡大(augment)するだけでなく,置き換える」ことを目指している。
ラスカ博士は,中国はウクライナ戦争から明らかに教訓を得ていると述べた。ウクライナ戦争では「ドローンを敵に投げつけるだけで」防衛網を弱体化させる(wear down)ことができた,と。
ニール氏は「キル・チェーンの迅速さ(alacrity)が重要だ」と付け加え,急速に展開する戦闘では敵を倒し優位に立つ(gain the upper hand)ためには「ナノ秒単位」での意思決定が必要であり,まさにAIがそれを実現できると指摘した。
多くの国は依然として軍事システムへのAIの導入に懸念を抱いており,「AIをキル・チェーンに組み込むことにどれほどの安心感があるか」と疑問を呈していると,ラスカ博士は付け加えた。
しかし,中国はAIを非常に受け入れているとラスカ博士は指摘する。「彼らはAIを制御できると信じており,AIを自国のシステムに統合するためにあらゆる手段を講じている。」
4.China may have the technology, but the US still has an edge
中国は技術力を持っているかもしれないが,米国は依然として優位に立っている
今回の軍事パレードは,中国が軍事技術において米国に急速に追いつきつつあり,膨大な兵器を保有する資源を有していることを明確に示している。
しかし,専門家によると,作戦面(in terms of operations)では米国は依然として優位を維持している(maintains an edge)。
ラスカ博士は,米軍が「優れている(excels)」のは,現場の部隊が状況の変化に応じて意思決定を行い,戦闘戦略を変更できる「ボトム・アップ」の文化があるからだ,と指摘する。これにより、戦闘においてより機敏な(agile)対応が可能になる。
一方,中国は「トップ・ダウン型」で,「派手な(flashy)プラットフォームやシステムを持っていても,上層部からの命令がない限りは何も動かない(not move a finger)」と彼は付け加えた。
「中国は抑止力を生み出すのは技術だと考えている。それが米国を抑止する(deter)と信じて … しかし,運用レベルでは,彼らが言うほど効果的ではないことを示す事例もある。」とラスカ博士は述べ,先月,フィリピン沿岸警備隊と遭遇した中国の軍艦が自国の小型船舶に体当たりした(rammed)事件など,最近の事例を挙げた。
5.The parade was a weapons sales pitch – and a chance to show the US a united front
パレードは武器販売の売り込みであり,米国に結束を示す好機だった
20ヶ国以上の首脳が招待されたこのイベントにおいて,武器と戦車のパレードは,本質的には潜在的な購入者に対する中国製兵器の大規模な売り込み(giant sales pitch)だったとニール氏は指摘する。
ミャンマーなど,参加国の中には既に大量の中国製兵器を購入していることが知られている国もある。しかし,ラスカ博士は,中国政府が世界的に影響力を拡大するには,新規顧客への販売や受注増加の機会が不可欠だと指摘する。
主要顧客には,習近平とともに最前列に立ったウラジーミル・プーチンと金正恩が含まれていた。
3人はパレードに揃って歩き,ステージに立った際,一体感を示した(presented a united front)。
ニール氏は,これは米国へのメッセージだと述べている:もし米国が真に彼等に挑戦したいのであれば,「朝鮮半島,台湾海峡,ウクライナといった複数の潜在的戦域(potential theatres)で同時に戦う」ことを意味する。
「そして,3つの領域すべてで米国に圧力をかけようとしても,いずれかの戦域で失敗する可能性がある。」
(転載了)
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