“The Department of War Makes America Look Weak”
トランプが 「国防総省」(Department of Defense)を「戦争省」(Department of War)に改称する大統領に署名したことで 国内のみならず,海外でも批判が起こっています。
‘RUSI’が Sept.5, 2025付けで
“The Department of War Makes America Look Weak”
「戦争省は米国を弱く見せる」
のタイトルで 書いています。
‘RUSI’とは,‘The Royal United Services Institute for Defence and Security Studies’(英国王立防衛安全保障研究所)の略称で,防衛・安全保障分野における世界で最も古いイギリスのシンクタンクです。
記事の内容を 下記,拙訳・転載します。
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The War Department was abolished for a reason. Bringing it back won’t make America stronger.
戦争省が廃止されたのには理由がある。復活させても 米国は強くならない。
トランプ大統領はペンを一振りして,国防総省(the Pentagon)を戦争省(the Department of War)に改称するよう命じた。これは劇的な動きだが,アメリカは強くなるどころか,むしろ小さく見えるだけだ。彼は,旧名称の下で「第一次世界大戦と第二次世界大戦に勝利した」と述べ,「我々は攻撃も望む(we want offense too)」と主張して,この改名を擁護した。しかし,この考え方こそが同盟国を警戒させ,敵対国(adversaries)を勇気づけるものだ:それは,ワシントンが戦争を予防することではなく,戦うことこそが自らを定義するというシグナルなのだ。
戦争省は,米国の世界的な責任を果たすには不十分だったため,75年以上前に廃止された,狭い範囲にとどまる機関(narrow institution)だった。国防総省を再びその名称に改称することは,米国の能力向上,同盟関係の強化,あるいは敵対勢力の抑止力(dissuade)となることに全く役立たない。
これは戦略を装った(masquerading)象徴主義(symbolism)である。米国が核兵器の近代化からロシアと中国への抑止力に至るまで,真の防衛課題に直面している今,ペンタゴンの名称変更は,レトリックと即応体制(readiness)を混同する,いわば混乱を招く行為である。
1789年に設立された戦争省は,限られた権限しか持たない機関だった。陸軍(当時の陸軍航空軍を含む)のみを監督していた。海軍には独自の閣僚レベルの省庁があり,海兵隊はその傘下にあり,独立した空軍はまだ存在していなかった。
今日 米国人が「ペンタゴン」と呼ぶ,1943年に完成した巨大な複合施設は,戦争省を収容するために建設された。しかし,この建物は本来の目的である機関の存続よりも長く存続した。
第二次世界大戦後,米国の指導者たちはこの構造が不十分であることを認識した。現代の戦争は,陸海空にわたる統一的な指揮統制と,核兵器時代における恒久的な即応態勢を必要としていた。
1947年の国家安全保障法(the National Security Act)により,各軍を調整する国防長官が創設され,1949年には議会によって国防総省(the Department of Defense)と改称された。
これは表面的な変更ではなかった。この変更を支持した指導者たち― ジョージ・マーシャル,ドワイト・アイゼンハワー,そしてジェームズ・フォレスタル―は,世界がかつて経験したことのない最大の紛争において,米国を導いた人物である。
彼らは戦争について軽々しく(lightly)語ることはなかった。彼らの決断は,苦労して得た教訓(hard-won lessons)を反映していた:米国の力は,一時的な紛争にとどまらず,より広範な抑止力と同盟戦略に統合されなければならないということである。
言葉は重要だった(Words mattered)。「戦争」という言葉は,戦闘が始まると断続的に動員される(mobilised),事後対応型の機関を暗示していた。「国防(defense)」という言葉は,米国の新たな役割,すなわち安全保障の永続的な保証人という現実を捉えていた。
言葉は今日でも重要である。米国の同盟国,例えばイギリス国防省(Britain’s Ministry of Defence),フランス国防省(France’s Ministry of the Armed Forces),カナダ国防省(Canada’s Department of National Defence),オーストラリア国防省(Australia’s Department of Defence)などは,「戦争(war)」という呼称を避けている。
米国の敵対国も同様で,中国国防省(China’s Ministry of National Defense),ロシア国防省(Russia’s Ministry of Defense),北朝鮮国防省(North Korea’s Ministry of National Defense),イラン国防・兵站省(Iran’s Ministry of Defense and Armed Forces Logistics)などが挙げられる。
これらの選択は表面的なもの(cosmetic)ではなく:特に米国の保証に依存する同盟国にとって,信頼性,安心感,そして抑止力に対する認識を形作るものである。民主主義体制と権威主義体制のいずれにおいても,各国は自国の軍隊を征服の手段ではなく,防衛の手段として提示することの重要性を認識している。
実際,1945年以降,国連憲章は戦争を国家運営の正当な手段として正式に廃止している。米国が逆の方向に動けば,強さではなく弱さを示すことになり,危険な世界においては役に立たないシグナルとなる。
これは米国の敵対国にプロパガンダ上の勝利をもたらし,米国を防衛的ではなく攻撃的であると描写することを可能にする。
だからこそ,1949年の選択は政治的な重みを持っていた。国内では,米国民は恒久的な「戦争」部門の存在に警戒感を抱いていた(wary)。対外的には,米国はNATOを構築し,国連憲章を支持する安定化勢力として自らを位置づけていた。国防総省を「防衛」に重点を置く存在として位置づけることは,信頼性と安心感の両面において不可欠だった。
今,この選択を覆すこと(undoing)は,直ちに結果をもたらす。同盟国の中には,この変化を米国が集団防衛から単独行動(unilateral combat)へと転換したと解釈する者もいれば,共に直面する真の安全保障上の課題への対処における米国の真剣さと判断力に疑問を抱く者もいるだろう。
ライバル国は,これを侵略的意図の表明と解釈するだろう。さらに,米国の敵対国にとっては,ワシントンを防衛的ではなく攻撃的と描写する上で,容易なプロパガンダ勝利となる。中国が世界情勢における自信に満ちた代替勢力として自らを位置づけようと,豪華なパレードを繰り広げている今,この措置は特に大きな痛手となるだろう。
国内においては,ペンタゴンは本来であれば実質的な業務に注力すべきところを,最大10億ドルもの費用をかけて標識やシンボルの設置に何ヶ月も費やすことになるだろう。また,この変化が永続する可能性も低い;議会は1949年に国防総省を法制化しており(enshrined),大統領令によってその法律を抹消することはできない。
戦争省は過去のものだ。議会が1949年に国防総省を創設したのは,正当な理由があった:それは,軍を統合し,紛争を抑止し,同盟国に米国の防衛目的を再確認させることだった。大統領令によってその歴史を抹消したり,劇場(theatre)を戦略(strategy)にすり替えたりすることは不可能だ。
その名称を復活させることは,米国の防衛へのコミットメントを再確認するだけでなく,同盟国と敵対国双方に対し,ワシントンが責任あるグローバル・リーダーシップに引き続きコミットしていることを示すことになるだろう。議員たちは,法律を再び確認し,国防総省を復活させるべく迅速に行動すべきである:その名称は,米国の永続的な防衛者としての役割と,戦後秩序を築いた世代が苦労して得た(hard-earned)教訓を反映したものであるべきである。
(転載了)
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It makes me feel sorry for USA, which is being forced to act according to Trump's shallow and stupid whims.
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