トランプに関する,1期目の大統領職時のノン・フィクション本
2018年に出版された,トランプの1期大統領時代の内幕を記したノン・フィクション “Fear: Trump in the White House” についての 英文 Wikipedia の記事を 本ブログは 2018年に,その最終項 ‘White House response’ のみを転載しました(“White House response” to the non-fiction book “FEAR”)
が,トランプの実態を知るため,ここでは Wikipedia全文を 拙訳・転載します。
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‘Wikipedia’
“Fear: Trump in the White House”
「恐怖:ホワイト・ハウスのトランプ」
『恐怖:ホワイト・ハウスのトランプ』は,米国人ジャーナリスト,ボブ・ウッドワード(Bob Woodward)によるドナルド・トランプの1期大統領時代のノンフィクションである。2018年9月11日に出版された。ウッドワードは,トランプ政権関係者への数百時間におよぶインタビューに基づいて本書を執筆した。出版社のサイモン&シュスター(Simon & Schuster)は,発売初週に全フォーマットで110万部を売り上げ,同社史上最速の売れ行きを記録したと発表した。
Author Bob Woodward
Subject Presidency of Donald Trump
Genre Nonfiction
Published September 11, 2018
Publisher Simon & Schuster
Publication place United States
Media type Print, e-book, audiobook
Pages 448
ISBN 978-1-5011-7551-0 (Hardcover)
Background / 背景
リチャード・ニクソン大統領の辞任につながったウォーターゲート事件(Watergate scandal)の暴露で最もよく知られるボブ・ウッドワードは,ローリング・ストーン誌のライアン・ボルト(Ryan Bort)によって「アメリカ史上最も尊敬され(well-respected),高く評価されているジャーナリストの一人」と評されている。ウッドワードとカール・バーンスタインによるこのスキャンダル報道は,ワシントン・ポスト紙にピューリッツァー賞をもたらし,「史上最も高く評価されているアメリカ調査報道ジャーナリスト(the most heralded U.S. investigative journalists ever)」へと押し上げたと,デイリー・テレグラフ紙のニック・アレン(Nick Allen)は述べている。
ビル・クリントン,ジョージ・W・ブッシュ,バラク・オバマといった米国大統領に関する著書の中で,アレンはウッドワードについて,「執拗かつ系統的な報道(relentless and methodical reporting)」によって,「ホワイト・ハウスの歴代政権の内部事情について,他のどの作家にも匹敵しないほどの詳細な情報を得ている」と評している。BBCニュースのニック・ブライアント(Nick Bryant)は,ウッドワードを「ワシントン最高の年代記編者(chronicler)」,「アメリカで最も信頼されている(trusted)ジャーナリストの一人」,「センセーショニストの対極(the opposite of sensationalist)」と評している。
2013年,ウッドワードとオバマ政権の間で予算削減をめぐる論争が勃発した際,ドナルド・トランプは「ボブ・ウッドワードを攻撃しても罰せられない(get away)のはオバマ政権(ホワイト・ハウス)だけだ。」と発言した。
2018年7月30日,CNNは匿名の情報筋から,ウッドワードが2018年9月11日にトランプ政権に関する信頼できる情報源に基づいた著書を出版する予定であると報じた。ウッドワードによると,本書のタイトルは,トランプが2016年に別のインタビューで行った「真の力とは,その言葉を使いたいとさえ思わないが,恐怖である。(Real power is, I don't even want to use the word, fear.)」という言葉に基づいているという。
2018年9月4日付のニューヨーク・タイムズ紙の記事によると,本書は「直接の(firsthand)情報源,同時期の会議メモ,ファイル,文書,そして個人の日記への数百時間におよぶインタビュー」に基づいているという。ウッドワードはインタビューを録音した。ウッドワードの研究助手はエヴリン・ダフィーで,彼女は録音の書き起こしも行った(transcribed)。
この本の編集者はアリス・メイヒュー(Alice Mayhew)である。ボブ・ウッドワードは,アリス・メイヒューが『大統領の陰謀(All the President's Men)』の編集者を務めていた1974年から彼女と仕事をしており,本作は二人の共同執筆作として19冊目になる。メイヒューは「ワシントン・ナラティブ(the Washington Narrative)」というジャンルを広めたことで知られており,ウッドワードは謝辞の中でメイヒューの「本書のコンセプト,ペース,構成,そしてトーンへの素晴らしい取り組み」に感謝している。
Content / 内容
この本は,トランプの多くの側近たち(aides)の経験を詳細に描いている。本書によると,側近たちは署名を阻止するために机から書類を取り除いていたという。ホワイト・ハウス首席補佐官のジョン・F・ケリー(John F. Kelly)はトランプを「馬鹿(idiot)」「錯乱した(unhinged)」と評し,ジェームズ・マティス(James Mattis)国防長官はトランプの理解力は「小学5年生か6年生並み(a fifth or sixth grader)」だと述べ,トランプの元個人弁護士ジョン・M・ダウド(John M. Dowd)はトランプを「クソ嘘つき(a fucking liar)」と呼び,特別検察官の捜査でロバート・モラー(Robert Mueller)特別検察官に証言する(testify)ことに同意するなら「オレンジ色のジャンプ・スーツ」を着ると脅した。
この本によると,トランプは司法長官(attorney general)のジェフ・セッションズ(Jeff Sessions)を「知的障害者(mentally retarded)」と呼び,「愚かな南部人(dumb southerner)」と表現したという。トランプは「誰に対してもこのような言葉を使ったことはない」と否定しているが,2004年の録音テープはこの主張(assertion)を否定している(contradict)。
CNNの編集主幹(editor-at-large)クリス・シリッツァ(Chris Cillizza)は,主流メディアの報道や,ジャーナリストのマイケル・ウルフ(Michael Wolff)の『炎と怒り(Fire and Fury)』,元トランプ側近のオマロサ・マニゴールト・ニューマン(Omarosa Manigault Newman)の ‘Unhinged’ などの2018年の他の書籍と比べて, “Fear” は似たようなストーリーを描いていると述べた。それは,トランプ政権は「混沌とし,機能不全に陥り、準備不足のホワイト・ハウス(chaotic, dysfunctional, ill-prepared White House)」を抱えており,そのホワイト・ハウスは「仕事に絶望的に無能な男だが,実際どれほど絶望的に無能であるかを全く理解できない(a man hopelessly out of his depth in the job, but entirely incapable of understanding how desperately out of depth he actually is)」トランプによって率いられているというストーリーだ。
2017年4月のカーン・シェイクン化学兵器攻撃(Khan Shaykhun chemical attack)後に,注目すべき事件が発生したと報じられている。ウッドワードによると、ジム・マティス国防長官は,トランプのシリアのアサド大統領暗殺命令を無視したという。トランプ大統領は「殺してやる! 突入しろ。奴らを全員殺してやる!(Let’s fucking kill him! Let’s go in. Let’s kill the fucking lot of them)」と発言したと報じられている。トランプは2018年,この計画は「検討すらされていなかった」と述べ,その本は嘘だと主張したが,2020年には前言を翻し,自身は賛成していたがマティス長官は反対していたと述べた。
Reception / 受け取り
White House response / ホワイト・ハウスの反応
2018年8月初旬,トランプはウッドワードに,原稿が既に完成していた後にこの本について電話をかけた。トランプはウッドワードに言った:「私は君にはとてもオープンだ。君は常に公平だと思っている。」と語り,二人とも本の執筆前にインタビューを受けるべきだったという意見を述べた。
トランプは当初,ウッドワードが彼にインタビューを希望していることを誰からも知らされていなかったと主張し,側近が「話すのを恐れていた」か「忙しかった」ためだと説明していた。しかし,電話の後半でトランプは,共和党のリンジー・グラハム(Lindsey Graham)上院議員が ウッドワードがインタビューを希望していることを「すぐに」伝えたことを認めた。
ウッドワードはトランプに対し,この本は「世界,そしてあなたの政権,そしてあなた自身に対する厳しい視点(a tough look at the world and your administration and you)」だが,「事実に基づいた(factual)」,「正確な(accurate)」ものだと伝えた。トランプは,この本は「否定的で(negative)」,「悪い(bad)」,「非常に不正確な」ものだと結論付け,「正確なのは,大統領として私以上に優れた仕事をした人はいないということだ」からと述べている。
9月初旬に複数の報道機関が本書の抜粋(excerpts)を掲載した後,トランプは “Fear” は「またしても駄作(just another bad book)」であり,ウッドワードが「信頼性に多くの問題がある… 彼は特定の書き方をしたがった… 私は彼と話したことは一度もない」と主張した。トランプはまた,本書に出てくる話を「捏造(made up)」と呼び,出版の「タイミング」からウッドワードが民主党の「工作員(operative)」ではないかと疑問を呈した。
一方,ホワイト・ハウス報道官のサラ・ハッカビー・サンダース(Sarah Huckabee Sanders)は,本書には「捏造された物語に過ぎない(nothing more than fabricated stories)」と述べた声明を発表した。さらに,ケリーは,トランプ氏を「馬鹿」と呼んだという本書の主張を否定し,マティスはトランプが登場する箇所を「フィクション」と呼び,彼が大統領を軽蔑したり敬意を欠いたりするなどという主張を否定した。
Book sales / 売上
この本は出版初週に110万部以上を売り上げ,サイモン&シュスター社史上最速の売れ行きを記録した。発売時には ニューヨーク・タイムズのベスト・セラー・リストで1位を獲得した。
Reviews / 書評
本書は概ね好評(positive reviews)を博した。レビュー集約サイト ‘Book Marks’ によると,批評家の14%が本書を「絶賛(rave)」し,50%が「肯定的」,21%が「賛否両論(mixed)」の感想をそれぞれ表明した。さらに14%の批評家は,14件のレビューをサンプルとして本書を「酷評(panned)」した。
ガーディアン紙のロイド・グリーン(Lloyd Green)は,“Fear” を「ホワイト・ハウスの腐敗と堕落を冷静に分析した必読の書(another sober, must-read dissection of corruption and rot at the White House)」と評し,ウッドワードが過去にリチャード・ニクソン大統領について報じた記事の再現だと評した。グリーンは全体として,“Fear” を「事実は豊富だが,誇張表現(hyperventilation)は少ない」,「身の毛もよだつような(chilling)」物語だと評した。
NPRのロン・エルヴィング(Ron Elving)は,“Fear” はこれまでで「ホワイト・ハウスを垣間見る上で,他に類を見ない最高の作品」であり,トランプとその「大統領としての破滅的な(devastating)姿は,告発(indictment)としか言いようがない。」と評した。しかし,エルヴィングは、トランプ支持者の一部が「このトランプ描写はあまりにも受け入れ難く,信じられない思いを抱くだろう。そして,彼らの失望の矛先はトランプではなくウッドワードに向けられるだろう。」と予想している。エルヴィングはまた,ウッドワードの情報源を匿名にするという決定は,「ウッドワードの主張の重大さ」を考えると,読者が記事の真実性に抱く信頼を損なっているとも主張している。
(転載了)
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「馬鹿(idiot)」で「錯乱(unhinged)」していて 理解力は「小学5年生か6年生並み(a fifth or sixth grader)」で 1期目を過ごしても トランプは 2期目を迎えることができました。
何を信じた有権者が トランプを選んだのか- 不思議です。
本書の著者 ボブ・ウッドワードは 映画「大統領の陰謀」(‘All the President's Men’,1976)で ロバート・レッドフォード(‘Robert Redford’,1936~ )が演じました。(同僚記者 カール・バーンスタインを演じたのはダスティン・ホフマン(‘Dustin Hoffman’, 1937~ )でした。)
この映画で記憶に残るウッドワードの台詞 -
“If you go to bed at night and there's no snow on the ground, and you wake up and there's snow on the ground … you can say it snowed during the night, although you didn't see it.”
「寝るとき雪が積もってなくて,起きて雪が積もっていれば,雪が降っているのを見てなくとも 夜中に雪が降ったと言える。」
この台詞は 2007年から2009年にかけて夫候補3人を毒殺した(更に4人に毒殺の疑いがある)罪で有罪判決(死刑)を受けた首都圏連続不審死事件における木嶋 佳苗(現死刑囚)に対する裁判での検察側論告で引用され,「状況証拠だけでも犯行を立証できる」と強調しました。
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