トランプ,戦争省(Department of War)復活の大統領令に署名
9月5日,トランプ大統領は “Department of War” の復活の大統領令に署名しました。
“Department of War” は日本語訳では 「陸軍省」が一般的ですが,ここでは 直訳で「戦争省」とします。
その歴史は-
アメリカ合衆国戦争省(United States Department of War)は,かつて存在したアメリカ合衆国連邦政府の行政機関で,1789年から1947年9月18日まで,陸軍(後に空軍も含む)の管理を行うため存在しました。戦争省は英語で ‘War Office’ とも記され,元々 陸軍に関する官庁であるため,日本語では米陸軍省,アメリカ陸軍省と訳されていました。
1947年9月18日に ‘National Military Establishment’(国家軍政省)が設立されたことに伴い,戦争省(Department of War)は現在の ‘Department of the Army’(陸軍省)と ‘Department of the Air Force’(空軍省)に分割され,その傘下となりました。同時に ‘Army Air Corps’(陸軍航空隊)は陸軍から離れ,新たに設立された空軍省の元で独立軍種のアメリカ空軍となりました。国家軍政省は1949年8月10日に ‘Department of Defense’(国防総省)になり,現在に至っています。
大統領令は この ‘Department of Defense’ を かつての ‘Department of War’ の戻そうとするものです。
この大統領令を下記,拙訳・転載します。
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“RESTORING THE UNITED STATES DEPARTMENT OF WAR”
「米国戦争省の復活」
Executive Orders
September 5, 2025
アメリカ合衆国憲法及び法律により大統領に与えられた権限に基づき,ここに以下の命令を発する:
第1条 目的。236年前の1789年8月7日,ジョージ・ワシントン大統領は,陸軍及び海軍の運用と維持を監督する ‘the United States Department of War’(米国戦争省)を設立する法案に署名し,法律として成立させた。この名称の下,戦争省は,後に設立される ‘Department of the Navy’(海軍省)と共に,1812年の米英戦争,第一次世界大戦,第二次世界大戦に勝利し,我が国の軍隊への畏敬(awe)と信頼を鼓舞し,すべての米国民の自由と繁栄を保障した。
建国の父たちは,我々の力と決意(resolve)を世界に示すために,この名称を選んだ。 ‘Department of War’ という名称は,現在の ‘Department of Defense’ よりも,単に国を守るためだけでなく,国のためにいつでも(at a moment’s notice)参戦し,勝利する能力と意志を示す力によって平和を確保する。
この名称は,我が国の国益への省の焦点と,我が国の利益を守るために戦争を仕掛ける意思と可能性に対する敵対国の(adversaries)焦点を明確にするものである。したがって,私は,この省を再び “the Department of War”,長官を ‘the Secretary of War’(戦争長官)と改称することを決定した。
第2条 実施 (a) 国防長官(the Secretary of Defense)は,この追加の副称号(secondary title)である ‘the Secretary of War’(戦争長官)を使用する権限を有し,公式文書,公的通信,儀式の場,および行政府内の非法定文書(non-statutory documents)において,この称号で認識されることができる。
(b) 国防総省および国防長官室(the Office of the Secretary of Defense)は,本条 (a)に規定する文脈において,それぞれ ‘Department of War’(戦争省) および ‘the Office of the Secretary of War’(戦争長官室)と称することができる。
(c) 本条の規定は,必要に応じて,国防総省内の下級職員(subordinate officials)にも適用され,下級職員は,本条(a)に規定する文脈において,‘Deputy Secretary of War’(戦争副長官)または ‘Under Secretary of War’ などの対応する副称号を使用することができる。
(d) すべての行政省庁および行政機関は,内部および外部とのコミュニケーションにおいて,このような副称号の使用を認識し,これに応じなければならない。ただし,このような称号の使用が,法律上、制定法上、または国際的な義務に関して混乱を生じさせないことを条件とする。
(e) 国防総省(the Department of Defense),国防長官(Secretary of Defense),ならびに従属する役員および部署への法定の言及は,その後法律によって変更されるまで,引き続き適用されるものとする。
(f) 本命令の発令日から30日以内に,‘the Secretary of War’(戦争長官)は,国家安全保障問題担当大統領補佐官(the Assistant to the President for National Security Affairs)を通じて,議会に送付するための通知を大統領に提出しなければならない。通知は,戦争省の副次的な名称の使用を開始するすべての官職,行政部門(executive department)または機関(agency),部署(component),または司令部(command)に関するものである。
(g) 本命令の発令日から60日以内に,戦争長官(Secretary of War)は,国家安全保障問題担当大統領補佐官を通じて,国防総省(the Department of Defense)の名称を戦争省(the Department of War)に恒久的に変更する(permanently change)ために必要な措置に関する勧告(recommendation)を大統領に提出しなければならない。この勧告には,この名称変更を実現するために必要な立法(legislative)および行政(executive)措置の提案を含めるものとする。
第3条 一般規定 (a) この命令のいかなる規定も,以下の事項を損ない(impair),または影響を及ぼすものと解釈されて(construed)はならない。
(i) 法律により行政部門あるいは機関,もしくはそれらの長に付与された権限;または
(ii) 予算(budgetary),行政(administrative),または立法に関する提案(legislative proposals)に関する行政管理予算局長(the Director of the Office of Management and Budget)の職務。
(b) この命令は,適用法に従い,かつ予算(appropriations)が確保されることを条件として(consistent with)実施されるものとする。
(c) この命令は,合衆国,その省庁,機関,団体,その役員,職員,代理人,またはその他の者に対して,いかなる当事者もコモン・ロー上または衡平法上執行可能な,実体上または手続上のいかなる権利または利益も創出することを意図しておらず,また創出するものではない。
(d) この命令の公布費用は,戦争省が負担するものとする。
DONALD J. TRUMP
THE WHITE HOUSE,
September 5, 2025.
(転載了)
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ノーベル平和賞を熱望する大統領とは思えない 物騒な名前の復活です。
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